素人でも簡単に空中作業を 可能にした空中台車技術 徳島大学ソシオテクノサイエンス研究部 准教授 三輪 昌史 1 従来技術とその問題点 不整地における迅速な移動・運搬手段 不整地運搬車両 2 従来技術とその問題点 不整地における迅速な移動・運搬手段 不整地運搬車両 3 従来技術とその問題点 不整地における迅速な移動・運搬手段 不整地運搬車両 地形が適応範囲の場合 4 従来技術とその問題点 不整地における迅速な移動・運搬手段 不整地運搬車両 地形が適応範囲外の場合 5 従来技術とその問題点 ヘリコプタによる空輸作業 • 通常の交通手段でたどり着けない 場所への、建築部品、材木など物 資の輸送 • 水や薬剤の空中からの散布・消火 活動 6 従来技術とその問題点 ヘリコプタによる空輸作業 問題点 空輸作業の危険性 –吊荷の落下 –ヘリコプタの異常振動 • コレクティブ バウンス –吊荷の振動 –運用場所(離着陸場所、ダウンウオッシュ) –コスト ↓ 無人ヘリコプタの使用 吊荷の制振制御の必要性 7 従来技術とその問題点 先行研究 園部 元康, 三輪 昌史, 日野 順市, 小型ヘリコプタにおける吊 り下げ物体の簡易振動制御に関する研究(ホバリング時の 振動制御の実験的検討), 日本機械学会論文集(C編), Vol.78, No.789, 1460-1469, 2012. 8 従来技術とその問題点 • 吊荷運搬に関する先行研究 – 荷物の連れ止めは自動化できそう ↓ – 操縦できる人が使えば、安全に運搬できる。 – 操縦の難易度は通常と同様 ↓ – 遠方での操縦は難しい! • 遠方での操作が難しい原因 • 遠いから、姿勢の把握などに技量が必要 • 高いところから吊荷が落ちると危ない 9 問題点とその対策について • 通常,無人航空機は操縦者から離れたところで運用する – 操縦が難しく技量を必要とする. • 無人航空機を直接手で触れて操作する – 技量は不要となる. – 自動帰還機能があれば,遠方に行ってしまった無人航空機を 安全に帰還させることができる. – 目線の高さで荷物を運べる. →落ちても被害が小さい • 操縦せずに直接手で押したり牽引するような直観的操作 方法について検討した. 10 従来技術とその問題点 シングルローターヘリコプタ 利点 •マルチロータヘリコプタより長距離・長時間 の飛行が可能 •自動操縦装置もある 欠点 •メンテナンスが難しい •コストがかかる 11 従来技術とその問題点 マルチローターヘリコプタ 利点 •フライトコントローラにより操縦が簡単 •構造が簡単 •低コスト 欠点 •飛行時間・距離が短い •重い物は運べない 12 従来技術とその問題点 操縦・運用方法 無人航空機の操縦を簡略化・自動化するため のフライトコントローラが発売されている。 特にマルチロータ― ヘリコプタは、低価格であり、 操縦も簡単であることから急速に広まっている。 しかし、操縦には訓練と専門知識が必要である。 操縦が簡単になった分、無理な運用による事故 の報告が多数ある。 13 従来技術とその問題点 • 既存の無人航空機は、プロポと呼ばれる操縦 装置を用いるか、PCやタブレットを用いて自 動操縦の設定を行って運用する。 • それらコントローラの使用方法の学習や、飛 行自体に関する知見が必要である。 – 知見がなくても飛行はできるが、運用という面で は知らず知らずのうちに非常に危険な運用を 行っていることがある。 14 新技術の特徴 直接操作の運用場面 牽引 溝 水面 手押し移動 直接操作:牽引、押し出し、手押し移動 機体の上部に荷物を載せる 災害発生時や不整地での運用を想定 空飛ぶ台車、空中台車として使用する 押し出し 15 新技術の特徴 直接操作の運用場面 牽引 溝 水面 手押し移動 押し出し 素人でも、プロポ(子機)を使わないので、簡単に操作が可能 プロペラの出力を上げれば、荷物や人の搬送も可能 従来から販売されている製品を使用するため、開発に時間を要しない 16 従来技術との比較 • • • • 小口の荷物の運搬を想定 空中を移動するので地形の影響を受けない 直観的に扱うことができ、操作が簡単 空中台車では通常の無線操縦ヘリコプタと違 い、操縦用コントローラを使用せずに直接手 で触れて操作を行う方式と、機体の上面に荷 物を積載する方式を採用している。そのため、 誰でも簡単に空中台車での運搬ができる。 17 試作機 18 想定される用途 • 遠隔地への小口荷物の発送 19 想定される用途 • レスキュー活動への応用 20 想定される用途 • レスキュー活動への応用 21 想定される用途 • 運送時の補助機械(荷物の運搬、シルバー作業の補助機械など) – 小口荷物の運搬 • 不整地への運搬 • 遠隔地への運搬 • 上下方向の運搬 • 災害時の補助機械(不整地での物資の運搬、人の搬送など) • レスキュー用途 – 海難救助の補助機械(救命具の運搬など) – 空飛ぶ浮き輪 – ライフセイバー機材 22 実用化に向けた課題 • これまでに、手による直接操作方法や、ペット ボトルを用いた簡易救命具の運搬実験に成功。 • 積載荷重を増加するための推力装置としてダク トファンを想定している。現在、推力を増大させ たダクトファンの設計を行っている。 • 今後、強風化での運用や重量物の運搬につい て実験データを取得し、実用化に向けた条件設 定を行っていく。 23 企業への期待 • 遠隔操作機器製造技術を持つパートナーとの 共同研究を希望。 • 未解決の飛行体機能、安全性向上技術に関 して共同開発可能なパートナーを希望。 • 無人飛行体の開発、非常時対応機器開発分 野への展開を計画中のパートナーと共同開発 を希望。 24 本技術に関する知的財産権 技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :搬送装置および飛行体の 制御方法 • 出願番号 :PCT/JP2013/006444 • 出願人 :徳島大学 • 発明者 :三輪昌史 25 お問い合わ お問い合わせ先 株式会社テクノネットワーク四国(四国TLO) ライセンスアソシエイト 辻本 和敬 TEL : 087-811-5039 FAX : 087-811-5040 E-mail : [email protected] 26
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