遠心力を利用したサブミクロン 粒子除去用エアフィルタ 金沢大学理工研究域自然システム学系 教授 大谷吉生、瀬戸章文 1 フィルタの粒子捕集機 構 機械的捕集機構 Particle 粒子軌跡 trajectory ブラウン Brownian 拡散 diffusion 慣性 Inertia 流線 Streamline Fiber さえぎり Interception 2 従来技術とその問題点① 通常のエアフィルタでは最も取れにくい粒子径 (最大透過粒子径)がサブミクロン域に存在。 慣性+拡散+ 重力+さえぎり 単一繊維捕集効率 サブミクロン粒子は、気中 に安定に浮遊し、視界低 下の要因となるだけでなく、 吸入による生体影響が大 きい。 従来のエアフィルタは、最 も捕りたい粒子に対して、 捕集効率が最も低い 最大透過 粒子径 繊維径小 ろ過速度小 繊維径小 ろ過速度小 繊維径小 繊維径小 ろ過速度大 粒子径 3 従来技術とその問題点② サブミクロン粒子の捕集効率向上のための これまでの取り組み 静電気を利用したエレクトレットフィルタでは、 粉塵負荷によって、捕集効率が低下 細い繊維からなるフィルタでは、フィルタ構造 の制御が困難で、圧力損失が高い ナノファイバーフィルタは、高価。繊維充填率 を低くして、繊維充填の不均一性を如何に抑 えるかが課題。 4 回転フィルタとは? 自分で回る画期的なフィルタ。フィルタを回転する ために翼列をつける(Passive type)と、モーターで 回す(Active type)がある。 清浄空気 • サブミクロン粒子に対す るフィルタ捕集効率を遠 心力を用いて向上 • フィルタの回転させること で、フィルタ設計の自由 度が増加 モーター ファン フィルタ 粒子回 収部 エアロゾル 5 回転フィルタの特徴・メリット 翼列を付け、 モータで回せば圧損ゼロのフィルタが実 現。ファンと連結すれば追加のモータは不要。 翼列をつければ、外部からエネルギーの投入なしに、 フィルタを回転させることができ、Staticなフィルタより高 効率。慣性,さえぎり,拡散が有効に作用しないサブミク ロン粒子に対して,遠心力により高い捕集効率を実現 可能。 ミスト(ダストでも)遠心力で管壁方向へ飛ばして回収。 気流への粒子の再飛散なし。 あらゆる流量に対応可能 オイルミストなど、様々なミストの回収・捕集に利用可能 洗浄液を満たして回転させれば,フィルタの自動洗浄も 可能 6 回転フィルタの用途 • • • • • • • PM2.5の分離、捕集 作業現場のもやの解消 換気扇 オイルミストの除去、回収 粉体製品の回収 スクラバーからの飛散ミストの除去 粒度分布の測定 回転数を変化させるだけで、分離限界径を 調節可能 7 回転フィルタの設計パラメータの決定 エアロゾル Q 基本設計パラメータ 流量 Q, フィルタ内半径 R1,フィルタ外半径 R2, フィルタ長さ L, 回転数 ω/2π, フィルタ繊維径 Df, フィルタ繊維充填率 α は フィルタろ過理論より決定可能(エクセルで提供) 8 実用化に向けた課題 • 回転部との配管(ロータリジョイント、電磁 流体シールの利用など) • 最適なフィルタ構造の選定 • フィルタの耐久性 • フィルタの洗浄法 9 企業への期待 • フィルタを回転させることにより、フィルタ設計の自由 度が飛躍的に増加。 • これまで、フィルタは圧力損失が高くて使えない、ス ペースがなくて使えないところでも、設置可能 • 回転フィルタの応用特許取得のため、様々な分野で 粒子の分離・捕集で課題を抱える企業との共同研究 を希望 あらゆる分野の粒子の分離、捕集に適用可能! 10 本技術に関する知的財産権 • • • • 発明の名称:微粒子捕集装置 出願番号 :特願2014-081553 出願人 :金沢大学 発明者 :大谷 吉生、瀬戸 章文 11 お問い合わせ先 金沢大学ティ・エル・オー ライセンシング アソシエイト 木下 邦則 TEL 076-264-6115 FAX 076-234-4018 e-mail [email protected] 12
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