簡易取付型の水量測定メーター (スマートメータ水量版)の開発 お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科 自然応用科学系 教授 大瀧 雅寛 1 従来技術とその問題点 流水量を測定する方法としては, ・水道メーター, ・ドップラー流量計 などが実用化されているが,それぞれ ・既存の管への取付には,管の切断が必要 ・流体の中に粒子が混入している必要 等の問題があり,水道へ簡易に取付け,取り外 しが可能なものではない. 2 水道メーター <http://www.aichitokei.co.jp/produ cts/02_water/02_dry/> 取付,取り外しには管の切断 を伴う工事が必要 超音波ドップラ流量計 <http://www.betep.jp/products/measurement/supersonic/doppler/index.html#dfx> 流体の中にある程度の微細粒子 が混入している必要がある 3 新技術の特徴・従来技術との比較 • 取付部が小型であり,容易に取付け,取り外し が簡単な技術である. • 流体が浄水のような清水であっても測定が可能 • 瞬時流量データと長期間の積算流量データの どちらも取得が可能である. 4 新技術の特徴・従来技術との比較 本技術の特徴 • 水流の発生する音響を集音し,音響データを記 録する. • 音響データを解析することにより,瞬時流量およ び積算流量を算定,表示することが可能 • 流水音以外のノイズデータは,音響データからノ イズ除去のプログラムを適用すれば,除去可能. 5 新技術の特徴・従来技術との比較 • 音響データを流水管から取得し,データを基に 瞬時流量,積算流量を算定 6 新技術の特徴・従来技術との比較 • 音響データ積算値と積算流量は比例関係 • 連続使用,断続使用に関わらず相関性あり 7 新技術の特徴・従来技術との比較 流量の二乗と音響値は比例関係 → 音響値から瞬時流量を算定可能 8 新技術の特徴・従来技術との比較 6000 積算流量換算値/mL 5000 4000 3000 2000 流量 小 流量 大 1000 0 0 2000 4000 6000 積算流量実測値/mL 二段階の流量において,集積データからノイズデー タを排除した結果の実測値と算定値の関係 9 想定される用途 • 本技術の仕組みは簡単であることから,さら なる小型化も可能. • 水使用用途毎に取り付けることで,用途毎の 使用量の把握ができる. • 取付け,取り外しを簡易にすることが出来るの で,水利用機器への取付が可能. • 使用水量を,可視化するスマート流量メータと しての応用が可能となる. 10 電力使用におけるスマートメータの例 (日経BP社HP<http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD/20081110/161031/?SS=imgview&FD=518673678> 使用毎に把握できる水使用のスマートメータの可能性 11 実用化に向けた課題 • 現在、検出データの解析方法を確立させたとこ ろ(ノイズの除去方法,流量と音響の相関式等) • 取付ける流水管によって,異なる相関式をどう やって取り込ませるかの方法論の確立中. • 測定誤差を数%以内に抑えるための,検出部の 防音方法を検討中 • 今後、様々な形状の水道栓,水道管について実 験データを取得し,適用出来る範囲を探る. 12 企業への期待 • 現在のプロトタイプは,装置の小型化を狙った ものではないが,検出部およびデータ集積部, データ表示部に関しては,小型化を実現させ たいと考えている. • そのためデジタルデータボックスの小型化技 術を持つ、企業との共同研究を希望。 • また節水型水利用機器を開発中の企業には、 本技術を導入することにより,節水効果の可 視化が可能になると思われる。 13 お問い合わせ先 お茶の水女子大学 研究協力・社会連携チーム 高木 TEL 03-5978 - 5162 FAX 03-5978 - 2732 e-mail s-kenkyo@cc.ocha.ac.jp 14
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