酒田市農業再生協議会水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状

酒田市農業再生協議会水田フル活用ビジョン
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地域の作物作付の現状、地域が抱える課題
当該地域は庄内平野の北部に位置し、全耕地面積に占める水田の割合が 92.5%で、基
盤整備率が 93.6%と整備が進んでおり、土地利用型農業の生産性向上等をより一層進め
ていく必要がある。65歳以上の農業従事者が約半数となっていることから、今後、後
継者・担い手減少対策の方策が急がれる。
既存の機械等を利用した新規投資のない生産ができる飼料用米、米粉用米等の新規需
要米に取り組んできているが、価格が低いことが増産への課題となっている。
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作物ごとの取組方針
(1)主食用米
売れる米作りの徹底によって米の主産地としての地位を確保する。前年の需要動向
や集荷業者等の意向を勘案しつつ、米の生産を行う。また、中食・外食のニーズに対
応した業務用米の生産と安定取引の推進を図るとともに、産地間競争に勝ち抜く良質
米生産にも力を入れていく。
(2)非主食用米
ア 飼料用米
主食用米の需要減が見込まれる中、飼料用米を転作作物の中心に位置付ける。飼
料用米の生産を生産者の所得向上につなげるため、生産性の向上を図っていく。
また、本市においては飼料用米の生産拡大にあたって、「飼料用米プロジェクト」
「食料自給率向上モデル事業推進会議」等を始めとし、消費者、畜産業者、関係団
体とともにその仕組みづくりを模索しながら進めてきたところである。
これまで培ってきた実需者との結びつきを大切にしながら、国からの産地交付金
(追加交付枠を含む)を活用した多収性専用品種の導入推進及び団地化を推進し、
面積の拡大を図る。
イ 米粉用米
当市では、米粉利用推進協議会を設置し、米粉の利用普及を進めてきた。その中
で市内企業へのサンプル提供、商品開発等につなげ、その定着を図ってきている。
現在、米消費拡大推進協議会でその事業を引き継いでいるが、その中で市内企業
が開発した小麦アレルギーフリーの米粉 100%パンの学校給食への提供にも取り組
んだ。アレルギーをもつ児童生徒も他の児童生徒と同様、安心して同じパンを食す
ることができるようになったことは、事故防止の観点からも注目をされている。今
後学校給食への提供範囲を拡大していくことから需要の増が見込まれる。
これまで培ってきた実需者との結びつきを強化し、産地交付金を活用した複数年
契約を推進することで作付面積の拡大を図り、また米粉製品の普及の一層の拡大と
定着を図る。
ウ WCS 用稲
地域の実需者との契約に基づき、栽培面積を維持していく。
エ 加工用米
これまで培ってきた実需者との結びつきを強化し、生産の拡大を図っていくこと
とし、3年後には、現在の2倍以上の契約数量を目指す。
オ 備蓄米
米穀の生産量の減少に備える趣旨にのっとり、可能な範囲で取り組んでいく。
カ 輸出用米
現在、香港へ年間16トン輸出している米について、新たに東南アジア等への輸
出にも取り組み、3年後には7.5倍の120トンの輸出を目指す。
(3)大豆
大豆については、近年、飼料用米や加工用米の作付の増加に伴いその面積が減少
してきているが、需要があることからその面積の回復に努めていきたい。そのため
には、産地交付金を活用し団地化を進め、新技術の導入、飼料用米等とのブロック
ロ-テーションによる連作障害防止に努めながら、特に土壌改良に取り組み、品質向
上と生産性向上を図る。
(4)そば
そばについては、中山間地を中心に振興してきており、ようやく作付及び実需の
定着がみられてきているところである。地域の実需者との契約に基づき、現行の栽
培面積を維持し、収量の安定化に努めるほか、戦略枠を活用して高品質化を図る。
(5)野菜、果樹、花き・花木
農業経営の多角化を推進するために、山形県の重点プロジェクトの対象品目のう
ち、市が特に販売力を維持するために産地強化を図る「産地強化振興品目」として
ネギ、メロン、ストック、ユリを重点的に振興していく。
また、山形県の重点プロジェクト及び庄内広域園芸振興協議会で定めた振興品目
のうち、更なる産地拡大を図る「産地拡大振興品目」として、パプリカ、トマト、
娃々菜、ふきのとう、アスパラガス、小菊、枝豆を振興していく。
更に、市として振興を図る「振興品目」として、ニンジン、タマネギ、ジャガイ
モ、ウルイ、ブロッコリー、モロヘイヤ、ホウレンソウ、オクラ、みず菜、キュウ
リ、ニンニク、カボチャ、カブ、マコモダケ、キャベツ、トルコキキョウ、サツマ
イモを振興していく。
将来的には、
「産地強化振興品目」及び「産地拡大振興品目」に振興策を集中して
いく予定であるが、5年後までの早期移行を促す必要があることから、その目的、
これまでの経過に応じた高めの単価設定をし、生産者の作付意欲を高め、作付誘導
を図っていく。
また、果樹については、和梨、桜桃、柿、梅、いちじくを振興作物とし、水はけ
のよい適地とされるほ場に作付するものとする。
(6)不作付地の解消
不作付地については、これまでも加工用米及び飼料用米の作付により、順次解消
してきた。今後も同様の作付により現行の不作付地 160ha について3年後には2割
減の約 30ha の解消を図る。
3
作物ごとの作付予定面積
作物
主食用米
飼料用米
米粉用米
WCS用稲
加工用米
備蓄米
輸出用米
麦
大豆
飼料作物
そば
なたね
その他地域振興作物
メロン
ネギ
パプリカ
トマト
娃娃菜
ふきのとう
アスパラガス
枝豆
ニンジン
タマネギ
ジャガイモ
ウルイ
ブロッコリー
モロヘイヤ
ホウレンソウ
オクラ
ミズ菜
キュウリ
ニンニク
カボチャ
カブ
マコモダケ
キャベツ
サツマイモ
その他野菜
ストック
ユリ
小菊
平成 25 年度の作付面積
平成 26 年度の作付予定面積
平成 28 年度の目標作付面積
(ha)
(ha)
(ha)
7,040.7
495.0
118.2
70.6
533.2
300.5
2.6
1.4
918.2
75.2
163.2
2.5
493.2
21.4
42.2
0.2
8.0
2.7
1.0
4.7
57.6
3.5
1.5
6.0
4.3
4.9
1.9
3.4
2.7
1.4
3.6
2.5
3.3
10.7
2.9
6.3
1.5
202.5
4.9
0.1
6.1
6,755.0
580.0
120.7
70.6
1,092.0
7.1
15.0
1.2
850.0
75.2
163.2
0.0
504.2
22.4
42.6
0.5
8.1
5.0
1.5
6.7
57.8
3.5
1.7
6.0
5.3
4.9
2.0
3.4
2.7
1.4
3.6
2.5
3.3
10.7
2.9
7.4
1.5
201.3
4.9
0.4
6.4
6,146.4
835.2
125.0
70.6
1,416.5
7.0
19.4
1.2
830.0
75.2
163.2
0.0
515.3
24.4
43.6
1.5
8.2
5.0
2.0
7.2
57.9
3.5
1.7
6.0
5.3
4.9
2.0
3.4
2.7
1.4
3.6
2.5
3.3
10.7
2.9
7.4
1.5
206.0
4.9
0.4
6.9
1.0
19.5
36.7
1.7
13.7
8.8
トルコギキョウ
その他花き・花木
果樹
地力増進
景観形成
その他
4
1.5
21.3
36.8
1.7
13.7
8.8
1.5
21.8
37.0
1.7
13.7
8.8
平成 28 年度に向けた取組及び目標
取組
対象作物
番号
1
大豆
取組
有機物、土壌改良
資材の施用
分類
※
指標
平成 25 年度
平成 26 年度
平成 28 年度
(現状値)
(予定)
(目標値)
イ
実施面積(ha)
433.9
700.0
800.0
イ
実施面積(ha)
147.2
153.1
160.0
イ
実施面積(ha)
0.0
120.7
125.0
農産物検査法に
2
そば
基づく等級検査
を受けること
3
米粉用米
多収性品種以外
の3年契約
※「分類」欄については、要綱(別紙 11)の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入して下さい。
(複数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組の記号をいずれか 1 つ記入して下さい。
)
ア
農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組
イ
生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組
ウ
地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物
を生産する取組