田舎館村農業再生協議会水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状、地域が抱える課題 当該地域は、全耕地の61%が主食用米で、転作作物に占める面積については、備蓄 米が最も多く、次いで大豆・アスパラガス・トマト等が多い。しかしながら、主食用米 の需要が減少傾向にあるため、主食用米から大豆・野菜といった転作作物への転換を促 進していく必要がある。加えて大豆生産については、輪作体系を確立させ、連作障害を できるだけ少なくする等の対策が必要になっている。 また、農家の高齢化による後継者問題のため、農家戸数の減少や不作付地の拡大が懸 念されている。そのため、営農組合も含めた担い手農家への農地集積や、新規就農者の 確保などによる不作付地の抑制が課題となっている。 2 作物ごとの取組方針 村内に8%ほど存在する不作付地の拡大を抑制しつつ、産地交付金の活用により、大 豆や野菜等、転作作物への転換を促進する。また、集落営農や大規模農家への集積を進 め、非主食用米(特に加工用米や飼料用米)への取組を推進する。 (1)主食用米 今後の主食用米生産については、需要に応じた生産を基本としつつ、食味に重点を 置いた米づくりを進め、ブランド化を図る。また、直播栽培の推進など、生産コスト の削減を図る取組みを進めていく。 (2)非主食用米 ア 飼料用米 主食用米の需要が見込まれる中、需給調整実施上において、重要な取組であると 位置づける。しかしながら、備蓄米や加工用米に比べ単価が安く、生産面でも制限 があり、なかなか定着しないのが現状である。今後は多収性品種の導入や農地の利 用集積といった飼料用米作付の取組を推進する。 イ 加工用米 主食用米の需要が見込まれる中、需給調整実施上において、重要な取組であると 位置づける。備蓄米による需給調整が達成されない場合、生産調整用の作物として 活用を図る。今後は、備蓄米に次ぐ転作作物として活用されるように環境整備を進 めていく。 ウ 備蓄米 備蓄米については、津軽みらい農協が生産調整に活用したことから、平成25年 度から大幅に増加した。今後は備蓄用米を転作の柱として位置づけると同時に、契 約した数量分が確実に出せるよう、生産指導を行っていく。 (3)麦、大豆 大豆については、村内にある3つの集落営農組織を中心に生産が行われており、全 農への販売委託をしながら生産面積を増やしている。今後は、産地交付金を活用し、 集落営農組織への農地集積を活用して団地化を推進すると共に、適正な栽培管理をす るよう指導し、生産量増加と捨てづくり防止を図っていく。 また小麦は、中華めん用として全農に販売委託する形で生産されており、25年度 から出荷が始まった。今後は、全量を全農への販売委託しながら、産地交付金を活用 し、農地集積による徐々に生産面積を増やしつつ、生産指導などの体制を強化してい く。 (4)野菜・花き 村では、イチゴ、ニンニク、アスパラガス、ネギ、夏秋トマト、ミニトマト、トル コギキョウら花き全般等を振興作物として推進している。特にイチゴは、新規就農者 が積極的に生産していることから、村の転作作物の中心になりつつある。また、夏秋 トマトやミニトマト、アスパラガスのほか、トルコギキョウ、シクラメンといった花 きの生産も盛んである。 今後は、トマトやアスパラガスについては、中心作物である水稲やりんごに頼らな い「複合型農業」を促進する作物として推進する一方、ニンニクやイチゴ、花き等、 専門化している作物についても、取組農家の増加を図る。 (5)地力増進作物 24年度から始まった藤崎町徳下地区の区画整理事業以降、地力増進作物の作付面 積が増加している。26年度からは、不作付地の改善につながるため、振興作物の一 つに位置付け、翌年度以降、水稲や野菜、花き等作付の促進を図る。 (6)不作付地の解消 現状における不作付地面積は、村全体の 8.4%に当たる 102.4ha で、このうち 27 年 度までに改善する予定の面積は、14.7ha となっている。不作付地の解消については、 ソルゴーなどの地力増進作物や野菜等を作付することで改善を図る。また、農地の貸 借等により、農地を面積の大きい農家に集積するなどの活動を推進していく。 3 作物ごとの作付予定面積 作物 平成 25 年度の作付面積 平成 26 年度の作付予定面積 平成 28 年度の目標作付面積 (ha) (ha) (ha) 主食用米 737.27 730 720 飼料用米 0.91 1 1 3.11 5 10 182.44 197.56 200 1 1.5 米粉用米 WCS用稲 加工用米 備蓄米 麦 大豆 2 38.21 40 45 40.61 44.7 49.5 31.20 35 35 花き・花木 6.36 7 7 果樹 0.11 0.4 0.5 地力増進作物 3.67 5 7 飼料作物 そば なたね その他地域振興作物 野菜 4 取組 番号 平成 28 年度に向けた取組及び目標 対象作物 1 大豆 1 麦 5 取組 担い手による土地 の集積利用の取組 分類 ※ 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 28 年度 (現状値) (予定) (目標値) イ 取組実施面積 38.21ha 40ha 45ha イ 取組実施面積 1ha 1.3ha 2ha 産地交付金の活用方法の明細 別紙のとおり 指標
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