真室川町農業再生協議会水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状、地域が抱える課題 本町の基幹産業は農業であり、これまで生産基盤の整備や担い手への農地集積、環 境保全型農業の推進等、担い手が意欲をもって農業に取り組める条件整備を進めてき たが、農産物価格の低迷、農業従事者の高齢化、後継者不足などにより、経営は弱体 化し本町における農業は厳しい環境に置かれている。 農業産出額の推移をみると平成 2 年から減少傾向にあり、園芸作物の推進による、 にら・ねぎ・枝豆等の土地利用型野菜、周年農業の振興による、たらの芽、うるい、 根みつば等の山菜等は増加傾向にあるものの、依然として米に依存する割合が高くな っているため、「減農薬・減化学肥料栽培」など特色ある売れる米づくりを推進して いく必要がある。 農業就業者数は 1980 年センサスで 1,879 人であったが、1990 年に 1,298 人、2000 年には 843 人へと急激に減少しているため、今後いかに農業を魅力ある産業として再 生し、地域の活性化を図っていくかが課題となっている。 2 作物ごとの取組方針 (1)主食用米 本町農業の基幹品目の一つである米を巡る環境は、少子化や人口減少、食生活の多様 化等により、将来的に米の消費量の減少が見込まれるため、主食用米は、生産数量目標 に沿った作付面積の確保を大前提としつつ、環境王国のネームバリューを活用しながら 品質、良食味米の産地として食味の向上と低コスト生産を推進する。 (2)非主食用米 ア 飼料用米 自給飼料の安定確保を図るため、町内畜産農家など実需者の需要動向を踏まえ ながら、省力・低コスト生産となる生籾出荷によるソフトグレインサイレージの 生産拡大を推進する。 イ 米粉用米 全国的に消費者の認知度は向上しているものの、米粉の消費は伸び悩んでい る状況であるため、実需者の需要動向を踏まえ対応していく。 ウ WCS 用稲 町内畜産農家やコントラクター組織の需要動向等を踏まえ、団地化など生産 コストの低減を図りながら生産拡大を推進する。 エ 加工用米 主食用米の生産数量目標が減少傾向にあることから、今後も生産者の所得を 維持確保していくためには重要な品目であるため、実需者との複数年による販 売契約の取組みの推進と併せて生産を振興していく。 オ 備蓄米 主食用米の生産数量目標が減少傾向にあることから、今後も生産者の所得を 維持確保していくためには重要な品目であるため、政府備蓄米の買入動向等を 踏まえ生産を振興していく。 (3)麦、大豆、飼料作物 大豆については、排水対策を講じて実需者の求める均一で高品質な生産に取組むとと もに、連作障害を回避するため、他作物作付けによるブロックローテーション等による 輪作体系の導入を推進し振興していく。 飼料作物については、自給飼料の安定確保を図るため、畜産農家と耕種農家の耕畜連 携の取組みや、低コスト生産となる団地化の取組みを進めながら、生産拡大を推進して いく。 (4)そば、なたね そばについては、単位収量が少ない状況であるため、排水対策など生産性向上の取 組みを進めながら、製粉・製麺業者等の実需者ニーズに応える高品質生産を振興して いく。 (5)野菜 野菜などの地域振興作物については、町全域において適地適作を基本としながら農 業者・集落の土地条件・労働条件等に応じ、複数の作物を組み合わせての長期安定出 荷を図り、園芸主業農業者を育成する。特に、町戦略作物となるにら、枝豆、ねぎ、 タラの芽、みつぱ、うど、うるい、かぼちゃについては、収益性が高く地域特性を生 かせる周年農業の核として、また大規模経営も可能なことから、団地化や品目拡大を あわせて産地交付金を活用して生産拡大に努め、ブランド化を推進する。 (6)不作付地の解消 自己保全や調整水田等の不作付地については、水田の有効活用や生産者所得の増加 に向けて、担い手への農地集積や農地中間管理事業等により積極的な活用を推進して いく。 3 作物ごとの作付予定面積 作物 平成 25 年度の作付面積 (ha) 平成 26 年度の作付予定面積 (ha) 平成 28 年度の目標作付面積 (ha) 主食用米 1,114.0 1,096.8 1,048.0 飼料用米 53.8 68.4 90.0 米粉用米 0.0 0.0 0.0 WCS 用稲 16.2 16.5 20.0 加工用米 14.1 12.6 13.0 備蓄米 21.7 22.2 23.0 0.0 0.0 0.0 麦 大豆 飼料作物 そば なたね その他地域振興作物 野菜 ・にら ・枝豆 ・ねぎ ・タラの芽 ・みつぱ ・うど ・うるい ・かぼちゃ 90.2 87.0 95.0 123.6 131.6 140.0 28.3 26.4 28.0 0.4 0.2 0.5 183.3 185.4 190.0 28.7 7.1 20.2 33.2 1.5 4.5 13.6 9.8 29.7 7.1 20.2 33.2 2.1 4.5 14.8 11.1 33.0 10.0 24.0 33.5 2.5 5.0 17.0 11.5 4 平成 28 年度に向けた取組及び目標 取組 対象作物 番号 取組 分類 指標 ※ 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 28 年度 (現状値) (予定) (目標値) 1 にら 27.3 28.2 30.0 2 枝豆 5.7 5.7 7.0 3 ねぎ 20.0 20.0 22.0 4 タラの芽 25.8 25.8 26.0 1.5 2.1 2.5 2.6 2.6 3.0 11.8 12.9 15.0 3.0 4.4 5.0 生産拡大、ブラン ド化のための作付 5 みつぱ 6 うど 7 うるい 8 かぼちゃ ウ 作付面積 (出荷・販売用) 拡大 ※「分類」欄については、要綱(別紙 11)の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入して下さい。 (複数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組に該当するものをいずれか 1 つ記入して下さい。) ア 農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組 イ 生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組 ウ 地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物 を生産する取組 5 産地交付金の活用方法の明細 別紙のとおり
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