限定版 2015/01/26 今週のドル円相場見通し 今週のドル円はもみ合いとなりそうだ。1ドル=115.50-121.00円を想定している。今週はFOMCの金融政策発表が控えているが、イエ レン米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見などは予定されておらず、重要な政策変更はない見込み。日米金融政策の方向性の違 いが改めて意識されるような展開にはなりにくい。引き続き原油先物相場や各国株式相場の動向をにらみながらの動きとなるだろう。一 方、週末には10-12月期米GDP速報値の発表が控えているため、米経済のしっかりとした成長が確認できればドル買いが強まる場面 も見られそうだ。テクニカル的には12月8日高値の121.86円を起点とする三角保ち合いを形成し始めており、16日安値の115.85円や12月 16日安値の115.565円などの目処を下抜けると売りが強まる可能性がある。半面、12月8日高値からのレジスタンスラインを上抜けた場 合は12月23日高値の120.82円や12月8日高値を目指す展開となるだろう。依然として市場は値動きが荒くなりやすい不安定な状況が続 いているため、保ち合い相場をブレイクした方向についていくなど柔軟な姿勢で臨みたい。 今週のGI24コメンテーターの一言 コメンテーター 通貨ペア 予測 一言 荻野金男 ドル円 週末のギリシャ総選挙で急進左派連合が大勝したためユーロドルへの売 り圧力が残存するなか、今週の注目は28日の米連邦公開市場委員会(F OMC)と30日の10-12月期米GDP速報値となるだろう。世界的にディスイ ンフレの傾向のなかFOMCの利上げ開始時期を探る展開。テクニカル的に ドル円の上値目処は一目均衡表基準線が位置する118.33円や雲の上限 が位置している118.46円で、これらの水準を抜けないと上値を試す展開は 難しい。下値は一目均衡表転換線が位置する117.35円を終値で維持でき なければ116円台半ばへのリスクはあるものの、引き続き本邦実需勢の買 いも控えており、117.00-119.00円のレンジトレードが続く展開となりそうだ。 和田仁志 ドル円 今週のドル円は引き続き不安定な動きが続くものの、ユーロドル中心にド ル買いの流れが強まっていることもあり、底堅い動きとなりそうだ。下値で は、21日の安値117.18円が目先の目処として意識されているほか、19日の 安値116.925円がサポートレベルとなっている。16日の安値115.85円も重要 なポイントだ。上値では、12日の高値119.32円がとりあえずの目処となって いるが、8日の高値119.97円がレジスタンスレベルとして意識されている。 また、日足の一目均衡表雲上限が118円台半ばに位置しており、終値ベー スでこの水準を上回るかどうかも、目先の方向性を探る上で注目している。 ユーロドルも、ECBの大規模な量的緩和を受けて売られやすい状況。下値 を試す動きが続きそうだ。 今週の経済指標 日付 時刻 曜 通貨 指標名 比 月 前回値 26日 18:00 月 DEM IFO企業景況感指数 27日 18:30 火 GBP 27日 22:30 火 28日 9:30 28日 改定値 * 1月 105.5 106.5 GDP速報値 前期比 10-12月期 0.7% 0.6% USD 耐久財受注 前月比 12月 -0.7% 水 AUD CPI 前期比 10-12月期 0.5% 0.3% 28:00 水 USD FOMC政策金利 * * 0-0.25% 0-0.25% 29日 5:00 木 NZD RBNZ政策金利 * * 3.50% 3.50% 30日 22:30 金 USD GDP速報値 前期比年率 10-12月期 5.0% 3.1% -0.9% 予想値 0.6% 一言コメント・・・各国中銀で予想外の利下げが相次いでおり、FOMC声明を受けて米利上げ観測が後退したり、RBNZで 予想外の利下げが決定されれば市場が荒れそうです。また、米耐久財受注や米GDP速報値にも注目が集まります。 ピックアップ・テクニカル 『USD/JPY ・ EUR/JPY』 先週末NY Close (テクニカルは一目均衡表) 12月8日高値(A) 121.86 先週高値 118.87 先行スパン1 118.64 基準線 118.33 NY Close 117.74 転換線 117.35 先週安値 116.925 先行スパン2 113.52 10月15日安値(B) 105.195 USD/JPY Daily chart A B Source: CQG, Inc. © 2006 All rights reserved worldwide. テクニカル コメント 先週のドル円は方向感が定まらなかった。一目均衡表雲上限に概ね上値を抑えられており、 引き続き雲の中でのもみ合いが続きそうだ。ただ、目先のレジスタンスである20日の高値 118.87円を上抜け、ここがサポートとして機能すれば底堅く推移しそうだ。 先週末NY Close (テクニカルは一目均衡表) EUR/JPYD aily chart A 12月8日高値(A) 149.79 先行スパン1 147.01 先行スパン2 141.95 基準線 139.06 先週高値 137.645 転換線 135.71 NY Close 131.89 先週安値 130.91 13年6月13日安値 124.94 Source: CQG, Inc. © 2006 All rights reserved worldwide. テクニカル コメント 先週のユーロ円は軟調だった。重要なサポートとして意識されていた10月16日の安値134.15 円を下抜けて売りが加速した。134.15円を目処に戻りを売っていきたい。 先週の今井雅人相場の「視点」 1月23日投稿記事 『ユーロの下落傾向は変わらない』 先週、スイス中銀が3年間以上守り続けていたユーロスイスの為替レートを1.2000の水準で下限維持する政 策を放棄した。既に色々なところで話題になっていると思うが、市場からユーロスイスのレートが消え、一瞬に して30%近くも下落した。どれぐらい凄いか感覚がわからない人は、一瞬でドル円が30円下落したことを想像 してみるとよい。それぐらいの歴史的な衝撃が起きたわけだ。スイス中銀はこれまで、この水準を守るために ユーロ買いスイスフラン売りを続けてきたが、それが限界に来たということだろう。スイス中銀は今月ECBが大 幅な量的緩和政策を打ち出すことを知って、こういう決断をしたのだと思っている。更にデンマークが緊急に 利下げを実施した。これもECBの利下げを見込んでのことだ。このコラムを皆さんがご覧になるころには、 ECBの緩和政策が発表されていると思う。短期的に市場がどういう反応をしているかは、予測が難しいのだ が、中期的にはユーロの下落要因であるので、やはりユーロドルの売りを推奨しておきたいと思う。この週末 にはギリシャの総選挙が予定されている。野党が勝利するとの見方が強いようであるが、この結果の影響に ついては来週考えてみたいと思う。ただ、どういう方向になったとしても、ユーロの下落傾向は変わらないと考 えている。 先週のエマージングウオッチ 1月21日投稿記事 『トルコ中銀は利下げも引き締め維持、政権からはゼロ金利の声も』 トルコ中銀は20日、政策金利を現行の8.25%から7.75%に引き下げたと発表。市場の据え置き予想に反し た結果となった。声明では「持続的なインフレ低下に対する慎重な取り組みが必要」「商品や特に原油価格 がインフレの低下傾向を支えている」「インフレは2015年半ばに目標と一致する水準に近づく」「引き締め政 策はインフレ見通しが著しく改善するまで維持される」などの見解が示された。 12月トルコ消費者物価指数(CPI)は前年比8.17%と昨年2月以来の水準まで低下しており、足もとのイン フレ低下に利下げで対応した格好だ。また、トルコ中銀は16日、1月時点の年末までのインフレ見通しを前月 の9.02%から6.82%に下方修正している。急速なインフレ低下に注意しつつも、年内に目標の5.0%へ近づく よう引き締め的な金融政策を維持する姿勢だ。 一方で、トルコ中銀は6月に議会総選挙を控えて利下げを要求する政治圧力に屈したとの見方も根強い。 エルドアン大統領は16日に「世界中で利下げが行われているがトルコの中銀は動いていない。この状態が 続くことはあり得ない」と発言していた。また、利下げ決定後、ウシュク科学産業技術相は「より大胆な利下 げを期待していた」「ゼロ金利を望む」などと発言。クルトゥルムシュ副首相も「政策金利はさらに引き下げら れるべき」「0.50%の利下げでは経済に恩恵がない」との考えを示した。トルコ中銀とエルドアン政権の溝は 依然として深いようだ。 情報提供元:グローバルインフォ グローバルインフォ株式会社より提供している情報(以下「情報」といいます。)は、情報提供を目的とするものであり、特定通 貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最 終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注 意ください。商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三 者に譲渡または使用させることは出来ません。情報の内容によって生じた如何なる損害についても、グローバルインフォ(株)は 一切の責任を負いません。
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