人民元取引の現状(PDF/538KB)

人民元建て決済規制緩和の変遷
 2009年以降、段階的に人民元建てクロスボーダー決済について規制緩和が行われています。
 2012年に、試行企業管理制度が撤廃され、重点監督企業制度(※)の運用が開始されました。
これにより対象企業地域・企業の制限なく(重点監督企業を除く)決済取引が出来るようになりました。
 2013年には上海自由貿易試験区の運用が開始され、人民元のさらなる利便性向上が予想されています
。
(※)人民銀行が公布する『重点監督管理リスト』に該当する企業との取引については、取引の妥当性が確認できない場合、
取扱不可となる可能性があります。
規制緩和の流れ
2009年
2009年7月
中国元決済解禁
対象取引
対象地域
対象企業
貿易決済
解禁
国内:第一次試行
地域5都市
国外:香港・マカオ・
ASEAN10ヵ国
第一次
試行企業のみ
(365社)
中国企業の
海外直接投資
解禁
試行地域拡大
国外は全世界で
可能に
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
順次規制
緩和
↓
取扱拡大
試行企業
制度撤廃
重点監督
管理制度
運用開始
2013年7月
上海自由貿易
試験区 運用開始
第二次
試行企業追加
(67,724社)
国外企業による
人民元建て
直接投資解禁
試行地域拡大
中国全土で
取引可能に
輸出入資格を有する
すべての企業で
取引可
2014年11月
人民元クロスボーダー
集中管理を全国解禁
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人民元建て取引の拡大
資料 1
 人民元建ての決済取引量は年々増加傾向にあります。
 全世界の決済取引における人民元の取引量は、全通貨中第7位。 資料 2
 また、全世界の貿易金融(LC取引・取立等)における取引量は全通貨中第2位となっています。 資料 3
資料 1
単位:億元
09年から段階的に規制緩和。
12年の自由化により取引量は
大幅に増加。
09年下期
10年1Q
10年2Q
10年3Q
10年4Q
11年1Q
11年2Q
11年3Q
11年4Q
12年1Q
12年2Q
12年3Q
12年4Q
13年1Q
13年2Q
13年3Q
13年4Q
14年1Q
14年2Q
18000
16000
14000
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
全世界の人民元建てクロスボーダー貿易決済額の推移
直近の2年間では約2倍近い
伸びを見せています。
(出典:中国人民銀行 貨幣政策執行報告 より作成)
資料 2
全世界の決済における
使用通貨ランキング
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
11位
12位
2013年8月 2014年8月
USD
USD
EUR
EUR
GBP
GBP
JPY
JPY
AUD
AUD
CAD
CAD
CHF
CNY
HKD
CHF
SGD
HKD
SEK
SGD
THB
THB
CNY
SEK
資料 3
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
全世界の貿易金融における
使用通貨ランキング
2012年1月 2013年10月
USD
USD
EUR
CNY
JPY
EUR
CNY
JPY
AED
SAR
SAR
AED
GBP
CHF
KRW
GBP
AUD
PKR
HKD
IDR
決済通貨においては、
13年から14年にかけて
大幅ランクアップ
貿易金融においては、
EUR・JPYを
上回る水準
(出典:SWIFT RMB TRACKERより作成)
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利便性の向上する人民元
 規制緩和により、各種取引において人民元の使用が可能となり、利便性が向上しています。
試行企業管理制度により、取引可能な企業が限定されていましたが、2012年6月の重点監督管理リスト
制度(※1)の導入により、中国で輸出入資格を有する企業の人民元建て貿易決済が可能になりました。
※1
『重点監督管理リスト』:過去に納税等で問題があった企業等を当局が選定。
対象企業には取引の制限や審査・手続きの厳格化が課されます。
人民元建て内外直接投資・外債の取り扱いは09年7月の試験的な解禁以降、徐々に規制が緩和され、
2014年現在、人民元建て直接投資の取扱額も増加傾向にあります。
※2
資本取引:国際収支中の対外資産及び負債に変化をもたらす取引項目です。
(詳細は、別紙『人民元建てクロスボーダー決済』をご参照ください。)
 現在では、オフショア人民元(CNH)の活用により、幅広い取引が可能となっています。(※3)
経常取引
資本取引
貨物
サービス
出資・増資
外債
その他
オンショア人民元(CNY)
◎
×
×
×
×
オフショア人民元(CNH)
◎
◎
◎
◎
◎
※3
オンショア人民元(CNY) とは 中国本土で流通している人民元を指し、
オフショア人民元(CNH)とは主に香港等、中国本土以外で流通している人民元を指します。
(詳細は、別紙『人民元の二重相場』をご参照ください。)
 また、2013年より上海自由貿易試験区の運用が開始され、同区において、従来困難であった
クロスボーダープーリングや資金の集中・ネッティング決済が可能になるなど、注目が高まっています。
(詳細は、別紙『中国(上海)自由貿易試験区』をご参照ください。)
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