人民元週間レポート

人民元週間レポート
民元週間 ポ
2015年1月16日発行
みずほ銀行(中国)有限公司
中国為替資金部
【人民元為替概況】
■今週(1月12日~1月16日)の回顧
・海外市場でのドルの上昇が一服している中、12月中国貿易収支の黒字金額が予想比大きいものとなったことから、今週のPBOC仲値はドル安元高方向での設定と
なり6.11~6.12台で推移。
・今週のドル人民元実勢相場は全体として先週末のドル安元高を引継ぎ6.20を割り込み6.19台を推移。一方石油会社のドル買い等実需のフローは拮抗しており、
需給は均衡した状態で、人民元が一方的に上昇する地合いとはなっておらず変動幅は小さい。週初のドル人民元は6.19台で始まったものの、実需のドル買いフロ
ーが膨らむにつれて6.20台を回復。その後13日に発表された中国貿易収支では依然として貿易黒字が高水準であることが示され、人民元買いのサポートとなり
6.19台まで小幅に反落。週末が近づくと中資系銀行の人民元買いが強まり一時6.1878まで下落。15日海外時間にはスイス中銀がフランの上限撤廃を発表したこと
でユーロドルが軟調となり、オフショアでドル人民元が買われる動きにオンショアドル人民元も6.20台後半まで切り返した。
民
民
■来週の見通し
・来週のドル人民元実勢相場は6.1800~6.2100のレンジ内でのもみ合いを予想。
・第4四半期の中国貿易収支が強いものとなった上米国経済指標もとりたてて良いとは言えない中、ドルの上昇は抑えられており、中資系銀行のドル買い意欲が
旺盛であるもののここ最近はドル安元高圧力が比較的強い。一方、原油価格が6年ぶりの低水準で推移しており石油会社とみられるドル買いフローが人民元売
り材料となり得る。また、20日に発表されるGDPが今後の方向を決めることになる可能性にも注意が必要。
【人民元為替相場の推移】
Bloombergより当行作成
1
【人民元金利概況】
■今週(1月12日~1月16日)の回顧
・今週は22件のIPOが実施され、凍結資金は2兆元に上り週前半にピークを迎えた。しかし、PBOCが期日到来分のMLF(中期貸出ファシリティー)2,800億元をロー
ルしたとの報道もあり人民元資金市場の流動性は引続き潤沢な状況で、週後半には凍結資金が市場に回帰。レポ金利についてはIPOを見越した7日物の需要が旺
盛で、長期のものは財政納付や春節に備えた資金確保の動きから1~3か月物に需要が集中。ただ資金供給は十分で、21日物が依然5%近辺にあることを除くと各
期間とも週後半にかけて金利は低下。15日の準備預金追加預入がやや流動性をタイトにしたが金利の上昇には至らず。
·今週の公開市場操作は引続き動きはなく5週連続でオペは実施されず、期日到来分へのレポも無し。13日に500億元の国庫定期預金の期日が到来したのみ。
■来週の見通し
・15日に発表された12月マネーサプライ(M2)は12.2%と伸びがやや鈍化。通年の目標である約13%よりも低いことや外国為替預金が大幅に減少していることから
15
発表された12月 ネ サプ イ(M2)は12 2%と伸びがやや鈍化 通年 目標 ある約13%よりも低
とや外国為替預金が大幅 減少
る とから
外貨流動性を吸収し人民元のベースマネーを供給する従来のやり方を変えてきていることが分かる。MLFの継続は中長期的に見ると外国為替預金の一層の減少に
つながることが予想される。またPBOCは2015年も緩和的な金融政策を継続することを表明しており的を絞った調整が引続き実施されるとみられるが、MLFのよう
なツールを機動的に運用することは金融における「新常態」の後ろ盾となろう。政策面では15日にPBOCが発表した通告で、銀行が有する銀行以外の金融機関の
貯蓄は預金に分類され、また銀行が銀行以外の金融機関に融通している資金は融資に分類される、とした。預金·貸金の項目を修正することで統計の正確性を高
めると同時に、金融政策伝達の実効性と有効性を強化することが狙いと見られる。
・ 19日には10件のIPO資金凍結解除があり、20日には凍結されていた全ての資金が市場に戻るため、来週の市場流動性は比較的潤沢な状況が継続するだろう。
一方準備預金預入や企業納税の影響には留意が必要。
が
Bloombergより当行作成
2
【各マーケットデータ】
【USDCNY Daily】
DATE
OPEN
1/12
6.1957
1/13
6.2035
1/14
6.1950
1/15
6.1945
1/16
6.1939
【CNY MARKET】
HIGH
6.2045
6.2052
6.1981
6.1968
6.2138
LOW
6.1941
6.1980
6.1934
6.1878
6.1925
【USDCNH Daily (Reference value from Bloomberg)】
DATE
OPEN
HIGH
LOW
1/12
6.2118
6.2118
6.1958
1/13
6.1973
6.2050
6.1943
1/14
6.1964
6.1987
6.1928
1/15
6.1942
6.2183
6.1878
1/16
6.2107
6.2197
6.1988
CLOSE PBOC FIXING
6.2036
6.1233
6.1983
6.1195
6.1957
6.1205
6.1881
6.1193
6.2066
6.1188
USD/CNY
100JPY/CNY
EUR/CNY
HKD/CNY
GBP/CNY
CLOSE
6.1973
6.1964
6.1942
6.2107
6.2161
【MAJOR CURRENCY (Reference value from Bloomberg)】
OPEN(TKY6:00)
HIGH
USD/JPY
118.50
119.32
EUR/USD
1.1836
1.1871
EUR/JPY
140.38
140.88
GBP/USD
1.5182
1.5269
AUD/USD
0.8205
0.8295
Fixing*
6.2020
6.2011
6.1958
6.1982
6.2074
OPEN
6.1957
5.2373
7.3491
0.79926
9.4047
HIGH
6.2138
5.3458
7.3574
0.80115
9.4435
LOW
6.1878
5.2238
7.2036
0.79812
9.3775
CLOSE
6.2066
5.3231
7.2267
0.80077
9.4425
LOW
116.07
1.1568
135
1.5078
0.8068
CLOSE(NY17:00)
116.17
1.1633
135.13
1.5183
0.8217
*CNH (HK) Fixing published at 11:15 A.M.
A M by Hong Kong Tresury Markets Association
【SHIBOR FIXING】
ON
1M
3M
6M
1Y
1/9
2.8050
4.7810
4.9250
4.7470
4.7490
【USD LIBOR / JPY LIBOR】
LOW
2.6310
4.7820
4.8890
4.7479
4.7500
~
~
~
~
~
HIGH
2.7530
4.7990
4.9061
4.7612
4.7521
1/16
2.6330
4.7930
4.8890
4.7612
4.7521
1M
3M
6M
12M
USD Libor
Rate (at wednesday) Change (bp)*
0.16825
15
0.25360
-5
0.35890
-30
0.62240
-40
JPY Libor
Rate (at wednesday) Change (bp)*
0.07357
0
0.10286
0
0.14729
-28.5
0.26829
42.9
Bloombergより当行作成
より当行作成
3
【TOPICS】増加する中国企業の海外IPO~調達資金の元転が進む?~
 年初から中国国内でのIPOが活発となっているが
年初から中国国内でのIPOが活発となっているが、中国企業による海外でのIPOも政府
中国企業による海外でのIPOも政府
による「⾛出去」(積極的な海外進出)戦略の下、2014年は大幅に増加している。
 2014年末にはIPOにより海外で調達した資⾦を⼈⺠元転する際の外管局による審査を
不要とする規制緩和(汇发[2014]54号)が実施される等、規制面でも後押しを受けて
いる。
 今後も海外でのIPOが増加するとともに調達した外貨の⼈⺠元転意欲が⾼まることが予
想され、⻑期的に⼈⺠元⾼圧⼒となろう。
2014年中国国内企業の海外でのIPOは
前年比大幅増加
社数
金額
2013年
83
約1,200億元
2014年
80(第3Qまで)
約2,440億元
2014年に
海外でIPOを
実施した
主な企業
社名
金額
阿里巴巴
1,350億元
万达商业
265億元
京东商业
191億元
「海外での上場における外国為替管理に関連する問題についての通達」(汇发[2014]54号)概要
◎国内企業が海外で上場した場合の外国為替業務について簡素化を図るもの。
◎国内企業が海外で上場した場合の外国為替業務について簡素化を図るもの
国外で調達した資⾦を国内に送⾦し⼈⺠元転する際の外管局による審査を不要とする。業務登記証明に
基づき、銀⾏にて直接両替することができる。
国内企業、国内投資家は⼝座を分別管理し、当該資⾦の両替や振替を⼀括して処理する。
国内企業による株式買戻しや国内投資家による株式買い増し等の送⾦後の剰余⾦について、国内への送
還 ⼈⺠元転 振替は自由に⾏うことができる
還、⼈⺠元転、振替は自由に⾏うことができる。
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ご留意事項・本資料に関するご照会先
当資料は情報提供のみを目的として作成したものであり、特定の取引の勧誘を
目的としたものではありません。
目的としたものではありません
当資料は信頼できると判断した情報に基づいて作成されていますが、その正確
性、確実性を保証するものではありません。
ここに記載された内容は事前連絡なしに変更されることもあります。
ここに記載された内容は事前連絡なしに変更されることもあります
投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願い申し上げ
ます。
また、当資料の著作権はみずほ銀行及びみずほ銀行(中国)に属し、その目的を
問わず無断で引用または複製することを禁じます。
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本資料に関するご照会先:
みずほ銀行(中国) 中国為替資金部 カスタマーチーム
(
(Tel:3855-8888
Ex:1320~1329 & 1371~1378))
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