微分積分学および演習Ⅱ 演習問題 10 2014 年度後期 工学部・未来科学部 1 年 担当: 原 隆 (未来科学部数学系列・助教) ※ 本演習問題は、講義の時間中の問題演習用に使います。 問題 10-1. (条件付き極値問題) 以下の 2 変数関数 f (x, y) について、 (a) 与えられた束縛条件下での臨界点を全て求め、(b) 各臨 界点が極大値となるか極小値となるかを判定しなさい。 (1) f (x, y) = x + y (2) f (x, y) = xy (3) f (x, y) = x2 + y 2 (束縛条件: x2 + y 2 = 3) (束縛条件: x2 + 2y 2 = 1) (束縛条件: xy = 4) (4) f (x, y) = −x log x − y log y (5) f (x, y) = x2 + y 2 (6) f (x, y) = x3 + y (束縛条件: x + y = 1, x > 0, y > 0)*1 (束縛条件: x3 − 3xy + y 3 = 0) (束縛条件: 4x2 − y 2 = 4) 問題 10-2. (条件付き極値問題の応用Ⅰ: 点と直線の距離) x, y 平面上の点 (x0 , y0 ) と直線 ax + by + c = 0 との距離が |ax0 + by0 + c| √ で与えられることを a2 + b2 証明しなさい。 [ヒント] 直線 ax+by+c = 0 上の点 (x, y) と (x0 , y0 ) との距離は f (x, y) = √ (x − x0 )2 + (y − y0 )2 なので、束縛条件 ax + by + c = 0 の下での f (x, y) の最小値が点 (x0 , y0 ) と直線 ax + by + c = 0 の 距離となります。実際には h(x, y) = f (x, y)2 = (x − x0 )2 + (y − y0 )2 の最小値を求めて平方根を とった方が圧倒的に計算しやすいでしょう。 問題 10-3. (条件付き極値問題の応用Ⅱ: 効用最大化問題) スティーヴくんのお財布の中には現在 1, 000 円入っています。今、スティーヴ君はスミスおじさ んのお店で 50 円のコーラと 100 円のピザをいくらか購入しようと考えています。コーラを x 本、 ピザを y 枚購入した際にスティーヴ君が感じる満足度 u(x, y) が*2 1 1 u(x, y) = x 3 y 2 で与えられるものとするとき、スティーヴ君はコーラを何本、ピザを何枚購入すれば最も高い満足度 を得られるか答えなさい。また、そのときの満足度の値を求めなさい。 *1 情報理論では、事象 A1 , A2 , . . . , An が確率 p1 , p2 , . . . , pn で発生するとき、p1 , . . . , pn に関する n 変数関数 H(p1 , p2 , . . . , pn ) = −p1 log p1 − p2 log p2 − . . . − pn log pn をエントロピー entropy と呼ぶ。エントロピーはあ る事象が発生した際に得られる情報量の尺度として非常に重要な役割を演じる (そうです)。 *2 ミクロ経済学ではこのような関数 u(x, y) を 効用関数 utility function と呼びます。 1
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