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種の多様性(Species diversity)
生態学では,厳密には種の多様性と言ったとき,種数
(species richness)と各種の個体数の配分を元にして計算
された指数を示す.
Shannon-Weaberの種多様度指数
S
H' 

i 1
ni n i
ln
N N
ここで,niは種iの個体数,Nはサンプル中の
総個体数,Sはサンプル中の総種数を表す。
この指数は,すべての個体数に差が少ない
ほど高くなり,全ての個体数が等しい時,lnS
を取る
I.種数と個体数の関係
元村の等比級数則
log10 Nx = b – ax
ここで,Nxは順位x番の個体数,
a,bは定数である
個体数の多い順
サンプル数が少ないときは良くあう.
Fisherの対数級数則
S1  x
S2 
S3 

2

3
x
2
x
3
x
r
Sr 
x 1
r
x = N / (α + N )
N はサンプル中の全種
の個体数の合計


Sr: r 個体得られた種数
α: パラメーター(多様度指数)
Sr = αx r/r
(7.1)
→ log Sr = logα + r logx - log r
x = N / (α + N )
Nはサンプル中の全種の個体数の合計
x,αはパラメーター
上記の関係が成立する時,サンプル中の総種数Sと総個体
数Nの間には次の関係が成り立つ。
S = αln(1 + N /α)
log Sr =
logα + r logx
- logr
logSr
小,中サンプルに良く合う.
数式の性質上,以下のこと
が期待されるが,そうでな
い場合もある.
・1個体からなる種数が常
に一番多くなる.
・サンプル数が多くなると
種数も限りなく増大する.
Log r
3.Prestonの対数正規則
(Law of Preston's log-normal series)
オクターブ
x=1
x=2
x=3
x=4
個体数
1,2
2, 3, 4
4, 5, 6, 7, 8
8, 9, 10, 11, 12, 13, 14,
15 16
種
数
個体数
大サンプルのデータに対して用いられる.
対数を取ると,数が多い順
に並べたときのn番目の
種の個体数の対数値Xn
は,
Xn =logk +(n-1)log(1k)
等比級数則は,次のような仮定を設けたとき得られ
る。1)一つの重要な資源の獲得量に応じて個体数
が決まる。2)その資源の配分が,一番数の多い種
がそのk(0<k<1)倍利用,2番目に多い種が,残りのk
倍だけ利用,以下も同様にn番目の種が,残っている
資源のk倍を利用する。
対数級数則も同じように,種が数の多い順に資源を
利用し,下位の種は残りの資源を定められた割合で
利用すると考えられたとき得られる。
また,異なる仮定を設けても同じ種数―個体
数の関係が得られることが知られている。
対数正規則は,個体数に影響を与える要因が多数あ
り,それが独立的に働き,その働きが積の形で集積
されるとき得られる。
マレーシアの鳥群集
a 対数正規則
b 対数級数則
伐採なし
6年前選択伐採
II.種数と面積の関係
ハワイ諸島土着の
陸鳥と淡水の鳥
アゾレ諸島(ポルトガルはるか沖)の
維管束植物(シダ植物と種子植物)
ソロモン諸島の鳥
西インド諸島の
両生類と爬虫類
北米グレートベースン
山岳地帯の哺乳類
イリノイ州の孤立した
森で繁殖する鳥
オーストラリア・
ビクトリア州
南海岸の潮溜まり
のイガイの群れに
すむ無脊椎動物
オーストラリアの砂漠の
泉に住む魚
英国の被子植物
オークにつくタマバチ
オーク各種の分布面積
カカオの害虫
横軸は各国のカカオ栽培面積
a.生息地の多様性(Lack
1969,1976)
b.MacArthur-Wilsonの平衡理論
MacArthur and Wilson (1967)
カナリア諸島(アフリカ
北西岸沖)の甲虫群集
西オーストラ
リア沿岸の
島々の鳥群集
島の種数が大陸の同じ面積をもった区画の種数を上回ることはない。
→島の種数は生息地の多様性だけで決まっているのではない
モルッカ諸島(インドネシア)
とメラネシア諸島(南太平洋)
のハリアリ亜科
南オーストラリア沿岸の
島々の爬虫類
大陸(または大陸相当)から300km
以上はなれた島の陸生の鳥について
の種数―面積関係(▲)と300km未
満の島の種数―面積関係(●)
鳥,Ch
シダ,Ch
シダ,A
鳥,A
Azores諸島(ポルトガルのはるか
沖)とChannel諸島(フランスの北,
すぐそば)の陸生と淡水性の鳥群集
とシダ群集