M - 和歌山大学

品質設計特論 No. 8
和歌山大学システム工学研究科
鈴木 新
木曜日 4限目 A203教室
要求される品質
• 品質管理学会にてグローバル化の話-日本の
拘りとグローバル感の相違について
日本は高度成長期のものづくりにおいて高品質
と多機能化に拘る(バブル崩壊後もずっと)
2008年リーマンショック後,世界は過剰品質より
低コスト化,顧客志向の要求品質に転ずる
新興国の追い上げによる新しいグローバル化=
それなりの品質とコスト削減による低価格化
本質的にはCDQ
1
1次式をもとに機能性評価
ケトルはどんな水量に対して沸騰時間が長くな
る
y
cT
t
m
W
原点を通る!
を入出力関係に注目し書き直す

y  M
一次式(原点比例式)の関係
→ この一般化どんな水量でも評価が可能
M
動的SN比の考え方
• バネはかり
– 測りたいもの(測定対象)とバネの伸びの関係
→ 比例関係
良いはかりは
• 同じ対象は同じ:誤差が小さい
• 違う対象は違う:伸び(感度)が大きい
1kg
どのようなはかりが良いか?
2kg
2
おもりと伸びの関係
伸び
𝑦
大きく
小さく
𝛽
おもり 𝑀
おもさの違いは
大きく現れた方が
良い
𝑦 = 𝛽𝑀
各おもりにおいて
測定のばらつきは
小さい方が良い
産業的に有効と考えられるばねはかり
伸び
先ほどと比べて
明らかに差が大きい
𝑦
𝛽
おもり 𝑀
3
有効かどうか?定量的に評価
カメラのときに考えた誤差
(条件の違い)は考えない
y
t
M1
傾きは
M2
cT
m ( y  M )
W
M 1 : m  0.5[ kg]
M 2 : m  1.0[ kg]
M3
M 3 : m  1.5[ kg]

のとき
y
はどうなる?
実測値と1次式のずれ
y  M より
e
y
y  M  0 となる.
しかし,実際は誤差,
e  y  M (ex : y1  M 1 )
M1
M2
M3
が存在
つまり

最小2乗法
e
を最小にする
が直線の傾き
(以前に説明したもっとも平均
的なところを通る)
4
最小二乗法
y  M
1次式
の形で表現
e  y  M の2乗和(正負で相殺されないため)
n
S e    yi   M i 
2
を最小にする係数
i 1
最も少ない直線 →

Se
を


が各点からの誤差が
で微分し0とおけば求まる
三乗法でも四乗法でもない
で微分
n
d
d
 y
i 1
i  M i   0

2
M y
M
i
i
2
i
最小二乗法cont’d
n
  y  M 
2
i
i 1
n
i
 y12  2M 1 y1   2 M 12  
n
  y  2   M i yi  
i 1

2
i
i 1
2
n
M
i 1
2
i
 Se
で微分
n
n
d
S e  2 M i yi  2  M i2  0
d
i 1
i 1

M y
M
i
i
2
i
5
動特性SN比の重要な特性(前提条件)
𝑦
𝛽
𝑀
• 因果の向き:Mから y へ
対象システムに M を入力して得られる出力 y を評価する
誤差は各 M における推定値と実測値の差(2乗の)
• ゼロ点比例式
入力されるエネルギー M が理想とする出力 y に変換され
たかを評価する
理想関係に近い=利点
y
y
M1
M2
M3
M1
M2
M3
どちらが良いデータ(システム)か?
機能が理想関係に近いと
設計しやすい,ロバスト,省エネ,・・・
6
定量評価へ向けて再びおもりと伸びの関係
伸び
𝑦
大きく
小さく
𝛽
おもり 𝑀
𝑦 = 𝛽𝑀
• おもさの違いは大きく現れた方が良い
𝛽 が大きく
• 各おもりにおいて測定のばらつきは小さい方が良い
𝑦 − 𝛽𝑀 が小さく
正負で相殺されないように2乗で扱う
信号(感度):SN比のS (Signal)
y
e3
y2
y1
𝛽
M1
y3
M2
M3
傾き 𝛽 が大きければ良い
相関が負の場合はマイナス
に,エネルギーは2乗で扱う,
信号とノイズの分離・・・2乗
和の分解
傾きの2乗を信号とする
 M y 
 2    i 2 i 
  Mi 
2
7
ノイズ(誤差):SN比のN (Noise)
y
e3
y3
積算時に正負で相殺されな
いように,エネルギーは2乗
で扱う,信号とノイズの分
離・・・2乗和の分解
y2
y1
𝛽
実測値 𝑦 と推定値 𝛽𝑀 の
差が小さければ良い
M1
M3
M2
誤差の2乗(分散と同じ)をノ
イズとする
  y  M 
2
i
i
n 1
動特性SN比(誤差条件無し)
 My 
 2    i 2 i 
  Mi 
信号
ノイズ
2
  y  M 
2
i
i
n 1
信号とノイズの比に足し算の関係を成立させるため
2
にlog化
  M i yi 


2 

2
Mi 



  10 log
 10 log
2
Ve
  yi   M i 
n 1
8
動特性SN比の2乗和を考える
y
e3
M1
M2
yi
の2乗和は
ST   yi2
y2
y1
𝛽
y3
全ての出力
これはどんな成分に分解で
きるか?
M3
直線上の点,そこからの誤差。つまり,
全2乗の積算値=直線上の積算値+誤差の積算値
y
 2  M i2
2
i
2


y


M
 i
i
2乗和の分解
全ての出力
yi
の2乗和は
ST   yi2  S   Se
S  は比例項変動
S e は誤差変動
理想値の2乗の項と
ばらつきの2乗の項に分解
ST  S   S e
  2  M i2    yi  M i 
2
9
2乗和の分解を利用してSN比を表現
ST  S   S e   2  M i2    yi  M i 
2
  M i yi 
S


 M 2 
M i2
2
i 


  10 log
 10 log
 10 log
2
ST  S 
Ve


y


M
 i
i
n 1
n 1
2
SN比(不偏推定値補正)
•
𝛽 は平均的に大きくも小さくもない推定値
 
期待値をみると E  2   2  V (  )
V (  ) の不偏推定値は
Ve
 M i2
正のバイアス有
正のバイアスを引いてあげるとSN比は
  10 log
S
Ve

2
 M i  M i2
Ve
 10 log
S   Ve
 M i2
Ve
10