電子デバイス II 課題 解答例 清水大雅 2014 年 12 月 11 日出題分 課題 フォトダイオードに負荷抵抗 R を接続した場合、その等価回路は光電流に対応した電流源 Iph に逆バイアスされた pn 接合の容量 C と負荷抵抗 R が並列接続された回路となる。この等価回 路のインピーダンスを求め、そのカットオフ周波数を求めよ。 浜松ホトニクス社製 Si フォトダイオード S1133 のカタログによれば、端子間容量 C は 700 pF である。負荷抵抗 R = 1 kのとき、カットオフ周波数を計算せよ。 同じ Si を用いたフォトダイオードでも感度の立ち上がり波長が異なる製品が見受けられる。原 因を考察せよ。 解答例 上記回路はローパスフィルタである。 電流 I、インピーダンス Z、電圧 V の関係 V ZI 及び、 1 1 jC より、 Z R R Z 1 2C 2 R 2 カットオフ周波数は fc 1 2RC と求められる。カットオフ周波数を改善するには、空乏層容量 C を小さくする必要がある。 C S 、S:受光面積, d:空乏層幅 d より、受光面積を小さくし、空乏層幅を大きくするといった d 改善が必要である。 C = 700 pF, R = 1 kのとき、fc = 2.2 x 105 Hz と求められる。 10 月 16 日出題の課題の通り、Si の光吸収係数はエネルギーギャップ付近では 102~103 cm-1 であるのに対し、波長 400 nm では 105 cm-1 となり、大きな波長依存性をもつ。すなわち光の侵 入長が波長によって大きく異なる。フォトダイオードで励起された電子正孔対を光電流として取 り出せる領域は pn 接合の空乏層付近であることを考えてほしい。感度が波長 1 m 付近から立ち 上がる S1133-01 に対して、波長 700 nm 付近から立ち上がる S1133 は pn 接合を表面近くに形成 し、長波長側の光を空乏層付近で十分に吸収していないものと推測される。 以上 1
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