PdAu合金の水素吸放出におけるCOキャップ効果の解明 [小倉]

PdAu合金の水素吸放出におけるCOキャップ効果の解明
INTRODUCTION
COキャップ効果
昇温脱離スペクトル(TDS)
COキャップ効果
吸蔵水素の安定化
Pd70Au30(110)には水素が吸蔵されるが
CO吸着により脱離温度が変わる
S. Ogura et al., J. Phys. Chem. C 117, 9366 (2013)
COの吸着サイトとキャップ効果の詳細は未解明
本研究の目的
COキャップ効果のメカニズムを明らかにする
300 Kで脱離するCOがキャップに寄与?
赤外吸収分光法によりCO吸着サイトを解明する
RESULTS
反射型赤外吸収分光 (RAIRS)
RAIRSスペクトル
a
表面構造
b
B1 B2
CO被覆率依存性 (a,b)
Pd
A1
Au
B2 : 2067-2077 cm-1
Auの多い表面では
A1のみ強度が増加
B1 : 2079-2087 cm-1
A1 : 2110-2121 cm-1
A2
TA = 600 K
(1×1)
表面Au~50%
C
A1 : 表面Auサイト由来
その他 : 表面Pdサイト由来
A2 : 2095-2106 cm-1
C : 1955-1981 cm-1
TA = 800 K
(1×2)
表面Au~90%
加熱によるAuの表面偏析・表面再構成
c
COのTDSスペクトル
d
基板温度依存性 (c,d)
E
D
340 Kで加熱でのみ現れる新たなピーク
D : 1930-1938 cm-1
E : 1897-1908 cm-1
CO誘起表面再構成
H. Y. Kim et al., ACS Catal. 3, 2541 (2013)
A1
A2
A1
B1
B2
C
D
E
B1,B2とA2,Cとの間で強度が移る
DISCUSSION
過去の研究と比較
A1
A2
B1
B2
C
D, E
cm-1
: ~2116
: ~2100
: ~2087
: ~2077
: ~1955
: ~1930,1900
CO吸着サイトの被覆率依存性
CO吸着サイト
CO吸着サイト
A1
A2 B1,B2
~2080 cm-1
Z. Li et al., Surf. Sci. 601, 1898 (2007)
Auオントップ (Au隣接)
(Pd隣接)
〃
Pdオントップ (Au隣接)
(Pd隣接)
〃
Pd-Auブリッジ
Pd-Pdブリッジ (再構成表面)
表面Pd原子を含むサイトに吸着したCOが
水素吸放出をブロック
COブロック効果の温度依存性を取り入れた
TDSシミュレーションにより実験結果を再現
~2116 cm-1
~1955 cm-1
吸着
C
170 K
D, E
225 K
300 K
360, 420 K
脱離
~1930,1900 cm-1
Hの拡散とCOによる脱離サイトのブロック効果を考慮したTDSシミュレーション
CO被覆率によりサイトが移動するモデルで
実験結果を説明可能
COキャップダイナミクス
~2110 cm-1
拡散による水素濃度
Ciの変化を計算
COが吸着したサイト
からは脱離できない
Ci Ddif Ci 1  2Ci  Ci 1 

2
t
dLz
dN des
D S C1  C0 
 C Pd 1  C B CO  des
dt
2dLz
COブロック効果
 E

d CO
  CO 0,CO exp  CO ,des 
dt
 k BT 
360 Kで脱離するCOによる
ブロックで実験結果を再現
CBの温度依存性を考慮すると
低CO被覆率の結果も再現
CONCLUSIONS
結論
高CO被覆率
表面Pd原子を含むサイトに吸着したCOが吸着
サイトを変えながら水素の吸放出をブロックする
T < 200 K
200 K < T < 260 K
T < 260 K
260 K < T < 340 K
260 K < T < 340 K
低CO被覆率
COの光脱離・導入圧力変化による
水素吸放出の制御の可能性
T > 340 K
水素の会合サイトのブロック / 電子状態や水素吸放出時の基板原子の動き方の変化
Institute of Industrial Science / The University of Tokyo / Fukutani Laboratory
Shohei Ogura