2枚

半導体工学
名城大学 理工学部 材料機能工学科
岩谷 素顕
12-1
本日の内容
回数
12-2
項目
内容
1
電子統計1
次元の制御と状態密度 真性半導体
2
電子統計2
不純物半導体 n型 p型
3
電気伝導
移動度 ホール効果 拡散係数 アインシュタイン関係式
4
ダイオード1
ポアソン方程式 バンドダイヤグラム 空乏層 空間電荷層
拡散電位 階段接合 キャリア寿命
5
ダイオード2
傾斜接合 接合容量 逆方向飽和電流 温度特性 電子雪崩
6
バイポーラトランジスタ1
エミッタ効率 ベース輸送効率 ベース接地電流増幅率
7
バイポーラトランジスタ2
エミッタ接地電流増幅率 アーリー効果
8
バイポーラトランジスタ3
周波数特性
9
サイリスタ
ターンオン条件 GTO
10
金属と半導体の接触
ショットキー障壁 オーム性接触 リチャードソン定数
11
FET1
MESFET 静特性 高周波特性
12
FET2
MOSTFETのバンドダイアグラム 静特性 Nチャネル Pチャネ
ル
13
FET3
エンハンスメント ディプレッション CMOS
14
IMPATT、PD、太陽電池
IMPATT
PD 太陽電池
LED、LD
衝突イオン化、光吸収、量子効率、フィルファクター、タンデム
衝突イオン化
光吸収 量子効率 フィルファクタ
タンデム
セル 直接遷移、間接遷移、発光色とバンドギャップ、反転分
布、キャリア閉込、光閉込、ファブリ・ペロー共振器
TTL
本日の内容
1 光電効果の復習
1.
2. 半導体光導電素子
3 太陽電池&フォトダイオード
3.
太陽電池&フォトダイオ ド
12-3
光電効果
二極真空管
12-4
光電管に関する以下の問題について考
えてみましょう
光電管は、
(a)飛び出す光電子の数は、光の強さに比例する。
(b)光電管が反応するためには、光の限界振動数があり、振動数がそれより小さいと、いく
ら光が強くても反応しない。(限界振動数は、金属により異なる。)
(c)光電子の最大のエネルギー(qV
(c)光電子の最大のエネルギ
(qV0)は、光の強度には関係なく、光の振動数が高いほど
)は 光の強度には関係なく 光の振動数が高いほど
大きい。
という特徴がある。
光電管
光
光電子
A
V
電 流 I
*上にかかれた現象(b),(c)を、エネルギー図を用いて説明しなさい。その時、真空準位、仕
事関数、光の速度c、プランク定数hを用いなさい。
12-5
*赤外線でも紫外線でも反応する陰極をもつ光電管と紫外線のみ反応する陰極を持つ光電
管では、陰極を形成している金属のどのような物性が異なるのか答えなさい。
解答例
光子エネルギ
光子エネルギー
h   h
c

6.626 10 34 [ J  s ]  2.998 108 [m / s ]

1.602 10 19 [ J / eV ]  [m]
1,240

[eV ]
[nm
[nm]
12-6
解答例
運動エネルギ
運動エネルギー
h W
h-W
光電子
エネルギー
真空準位
h
(b) h   W
が光電子発生の条件
仕事関数W
(c)光電子の最大運動エネ
ルギーは
ギ は h   W
電子
Ef
陰極表面
陰極金属
12-7
解答例
エネルギー
エネルギ
タングステン(W)のW=4.6
テン(W)のW 4 6 [[eV]
V]
真空準位 タング
セシウム(Cs)のW=2.14 [eV]
仕事関数W
Ef
電子
12-8
W陰極の場合の光電子発生の
最長波長:270 [nm]
Cs陰極の場合の光電子発生
の最長波長:579 [nm]
受光機構
光エネルギ
光エネルギー
電気エネルギーに変換
半導体(固体)
12-9
設問 入射した光のうちどれくらいが固
体
体内に入るかは、固体の何によって決
体
まるか?またその量を定式化しなさい。
光
半導体(固体)
12-10
設問 解答例
反射率R
光
空気(n1=1)
n2
半導体(固体)
 n 1 
R   2 
 n2  1 
従って透過率Tは
T  1 R
n1,n2は屈折率
2
 n 1 
 1   2 
 n2  1 
4  n2

(n2  1) 2
2
例
n2=3のとき
T=0.75
n2=2のとき
とき
T=0.89
12-11
設問 n=3の半導体表面にn=1.5の薄膜がコーティングしてある
場合 半導体への透過率はどのようになるか? ただし薄膜は光
場合、半導体への透過率はどのようになるか?
吸収がないと仮定する。また多重反射の影響は無視する。
光
n=1.5
n2=3
半導体(固体)
n1,n2は屈折率
12-12
設問 解答例
光
4 1.5
(1.5  1) 2
6

6.25
 0.96
T1 
T1
n=1.5
T2
n2=3
4  3 1.5
 0.96
(3  1.5) 2
 0.853
T2 
cf. 薄膜がない場合 T=0.75
12-13
固体内の光吸収
固体内の光吸収・・・吸収係数α
吸収係数
光
光強度
x
半導体
Exp(-・x)で減衰
I=I0・Exp(-・x)
I0:表面での光強度
:吸収係数[cm-1]
12-14
半導体の種類と吸収係数α
吸収係
係数[cm-1]
105
103
急峻
だらだら
1
10
101
12-15
波長[m]
SiおよびG のE k関係
SiおよびGeのE-k関係
伝導帯下端と価電子帯上端のkが異なる。
12-16
G A のE k関係
GaAsのE-k関係
伝導帯下端と価電子帯上端のkは同じ
12-17
直接遷移と間接遷移
直接遷移
12-18
間接遷移
直接遷移
光の波数
k
2
ex. =500[nm]のとき
k=1.26×105[cm-1]

半導体中の電子の波数
例えば、ブリルアンゾーンの端では
k

a
 6.28 107 [cm 1 ] (a=5Åのとき)
12-19
電子による光の吸収と運動量保存
光の運動量は電子の運動量に比べ小さいので、kの変化は殆どない。
→直接遷移
12-20
間接遷移の場合
Ph
Phonon=格子振動の量子化
格子振動の量子化
12-21
間接遷移の場合の運動量保存則
12-22
半導体受光素子その1
体
素
・・・ 光導電素子
素
動作原理による分類
*光導電素子
実際の素子概観
12-23
http://www.hpk.co.jp/Jpn/products/ssd/si_pd/general/Visible.htm
光導電素子の動作原理
光 
L
光電流 Iph=qA×g=qgwL
電極
w
t
量子効率
g:利得
q:素電荷
A 受光面積
A:受光面積
またIphは
I ph
12-24
wtV qn e wtV
V
 

R
L
L
光導電素子の動作原理
光照射により生成される過剰キャリアnは 寿命とすると
光照射により生成される過剰キャリアnは、寿命とすると
定常状態では
dn   n


dt
t

  n

t

従って 利得gは g 
 eV
L2
12-25
光導電素子の動作原理
ド
ドリフト速度v
速度 dは
vd   e E   e
V
L
L2
電極間を走行する平均時間ttは tt 
 eV
最終的に利得gは
g
eV
L2


tt
→ キャリア寿命が長く、電極間走行時間ttの短い、即
ち電極間距離Lが短い素子ほど感度が高い。
ち電極間距離Lが短い素子ほど感度が高い
12-26
半導体受光素子その2
体
素
・・・ 光起電力素子
起
素
pn接合のように内蔵電界を有する素子は、光照射により光電流
を生じる。これらを総称して光起電力素子と呼ぶ。太陽電池も含
まれる。一般にはセンサとして使う場合をフォトダイオードと呼ぶ。
pn接合型Siフォトダイオード概観
12-27
http://www.hpk.co.jp/Jpn/products/ssdpro.htm#
太陽電池に い
太陽電池について
12-28
http://www.cqpub.co.jp/toragi/trsample/2002/tr0211/0211toku.pdf
太陽電池に い
太陽電池について
単結晶Si
多結晶Si
アモルファスSi
12-29
フォトダイオードの構造
トダイオ ドの構造
光
p電極
反射防止膜
絶縁膜
p層
層
n層
層
n電極
電極
pn接合フォトダイオードの断面
pn接合フォトダイオ
ドの断面
12-30
太陽電池の動作原理
光
p層
n層
12-31
フォトダイオードの動作原理
トダイオ ドの動作原理


qV
I  I s exp(
)  1
k BT


光
 qDe  ni 2  qDh  ni 2


 
I s  {
} A
L
N
L
N
 e  A  h  D
p層
予め、逆バイアスを
かけて置く。
12-32
n層
光照射により生成された過剰
キャリアによりIsが増加する。
太陽電池と
太陽電池とフォトダイオードの比較
トダイオ ドの比較
フォトダイオードとして
の動作領域
=
太陽電池としての動作領域
12-33
Si フォトダイオードの分光感度特性
トダイオ ドの分光感度特性
12-34
Si フォトダイオードの分光感度特性
トダイオ ドの分光感度特性
h・
この分の ネルギ は無駄になる
Ec この分のエネルギーは無駄になる。
Eg=1.1eV
EV
一光子につき、一電子正孔対
が生成
12-35
まとめ
 受光素子の動作原理
12-36