平成 26 年度 有機化学 II 小テスト 第 9 回 【問題 9

平成 26 年度 有機化学 II 小テスト 第 9 回
【問題 9-1】次の化合物を命名せよ。
1) 2)
trans-5-ethynyl-2-decen-8-yne
cis-1-ethynyl-3-(3-pentynyl)cyclopentane
【問題 9-2】末端アルキンのプロトンの酸性度が高い理由を「S 軌道」という語句を用いて記せ。
s 軌道は p 軌道よりもエネルギーが低く、正に荷電した原子核に近い。sp 混成軌道をもつアセチ
リドアニオンは電子対が占めている軌道の s 性が大きいため、負電荷が安定化される。そのため、
末端アルキンのプロトンの酸性度は驚く程高くなる。
【問題 9-3】次のアルキン合成法の反応機構を示せ。また、塩基である NaNH2 を3当量用いなけ
ればいけない理由を答えよ。
1) 3当量� NaNH2, 液体アンモニア
Br
Br
2) H2O
反応機構:
1
2
Na
H
NH2
Na
Br
pKa 25
NH2
H
Br
Na
H
H
H
H
NaBr, NH3
Br
NaBr, NH3
Na
NH2
NH3
3
2) H2O
H
+ NaOH
理由:
本反応で生成する末端アルキンのプロトンは酸性プロトンであり、最初の E2 脱離より早く、使
用する塩基により引き抜かれる。故に反応系内にはアルキニルアニオンとして存在している。
最終的に本反応を完結させるためには3当量の塩基が必要となる。
学籍番号 名前