高分子化学Ⅱ 平常テスト⑩(H26.06.19)標準解答 1 次のポリマー合成について、二量体形成までの反応式を正確に与えよ (1) 尿素とフォルムアルデヒドの酸触媒存在下での付加縮合重合。酸触媒が出発物質にどのように 働きかけて活性化するのかをまず示せ。 CH2=O + H+ ⇄ CH2=O+-H ⇄ +CH2-OH H2NC(=O)NH2 + +CH2-OH → H2NC(=O)NH-CH2-+OH2 → H2NC(=O)NH-CH2+ + HOH ――(+H2NC(=O)NH2)―→ H2NC(=O)NH-CH2-+NH2C(=O)NH2 → H2NC(=O)NH-CH2-NHC(=O)NH2 + H+ (2) ピロールの FeCl3 による酸化重合。電子授受にかかわる中間段階を示すこと。 略 (3) 4,4’-ジアミノビフェニルから、還元重合可能なモノマーへ変換する反応式を先ず示せ。次に、 電子授受にかかわる中間段階を示すこと。 φ=p-フェニレン基とする H2N-φφ-NH2 + 2NaNO2 + 2HCl → Cl−・+N2-φφ-N2+・Cl− ――(+FeCl2)―→ Cl−・+N2-φφ* ――(2 分子カップリング)―→ Cl−・+N2-φφ-φφ-N2+・Cl− + N2+ + FeCl3 2 ジカルボン酸とジオールの等物質量混合物から重縮合を行う際の反応速度に関して、次の問い に答えよ。なお、立式に必要な各パラメータは、自分で定義して用いよ。 (1) 官能基初濃度を C0,重合中の官能基濃度を C とするとき、酸触媒存在下で行った重縮合の数 平均重合度 Xn を重合時間tの関数として表すべく、式を導け。 反応速度定数を k,酸触媒濃度を[H+]とすると、 −dC/dt=k[H+]C2 ,−(1/C2)dt=k[H+]dt よって、1/C=k[H+]t + A(A は積分定数) t=0 のとき C=C0,1/C0=0 + A → A=1/C0 1/C=k[H+]t + 1/C0,C0/C=C0k[H+]t + 1,また C0/C=[最初の分子数]/[重合後の分子数]=Xn だか ら、Xn=C0k[H+]t + 1// (2) 上記と同様の重縮合を酸触媒を外界から加えずに行った時の Xn∼tの関係を導け。 反応速度定数を k’とする。-COOH の解離部分が自触媒となるので、解離度をαとするとき酸触媒 濃度は[-COOH]・α=Cα −dC/dt=k’ Cα・C2=k’α・C3 これを解いて A=1/C0 を代入して整理すれば、Xn2=2C02k’αt + 1
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