環境熱流体工学 Environmental and Thermal Fluid Engineering 空間・環境デザイン工学専修 佐藤春樹 棚橋隆彦 講義日程と評価 4月8日から5月20日までの6回:佐藤春樹 5月27日予備日 6月3日から7月 8日までの6回:棚橋隆彦 前半の佐藤は、7月16日(金)までに混合流体の 気液平衡計算をレポートとして提出することを最 終試験に代える。 棚橋先生の評価方法(テスト)は棚橋先生から 環境熱流体工学とは? 流体力学はCFDなど何でもできるように感 じられるかもしれないが、物質に固有な熱 物性を取り込んだ計算はまだまだの段階で ある。 ほんの僅かな物性の違いで現象が大きく異 なってくることがある。(小温度差エネルギーの 利用:排熱回収;太陽熱利用;海洋温度差発 電) 環境熱流体とは? 地球環境 地球温暖化(グローバル気象:空気、二酸化炭素、海水、水、・・・) ヒートアイランド(ローカル気象) 水資源の確保(砂漠などで水がない;水はあっても飲めない) エネルギー資源 化学工学 石油化学(石油精製):化学平衡 化石燃料の輸送(LNGパイプライン) エネルギー利用 エネルギー供給(動力) 電池燃焼(水素、空気および炭化水素系物質) 蒸気タービン(水) 燃料電池(アルコール、水素) 排熱回収、海水温度差発電(有機流体, NH3+H2O ) エネルギー消費(ヒートポンプ) 空調(圧縮式:フロン;吸収式:LiBr+H2O, NH3+H2O) 給湯(二酸化炭素、フロン) 冷蔵・冷凍(フロン、炭化水素) 環境熱流体(造語?)英語ではEnvironmental and Thermal Fluid Engineering 地球環境に関係する流体および熱エネルギー変換装置の作動流体を呼ぶこととする。 (理想気体ではなく実在流体) 環境熱流体とは? 1990年頃までの熱エネルギー利用は、基本的に純粋流 体を作動流体として用いていた。 最近は混合物を利用することで応用の幅が広がってきて いる。 火力・原子力発電所:水、水蒸気H2O+NH3 空調:R22R410A(R32+R125) 冷蔵庫:R12R134aisobutane? カーエアコン:R12R134a? 給湯器:ガス電気ヒートポンプ(CO2, R410A) 以上の応用分野は気液平衡 最近はメタンハイドレートなど固体との相平衡も視野に入ってきて いる。 環境熱流体物性の最先端 熱エネルギー利用の高度化が本質的に地球環境 問題を解決する方法である。 熱力学の体系は素晴らしいがいざ使おうとすると 理想的過ぎて現実的で内面があった。 熱力学を使えるようにすること =熱流体物性を使えるようにすること 実在流体の物性を数式で表現することは自然現 象をモデリングすることでもある。 分子からのアプローチ、実測データからのアプ ローチ両面から最新の情報を解説したい。 熱流体物性の物理的アプローチ 熱流体物性 熱力学性質(平衡性質) 輸送性質(非平衡性質) 分子の振る舞いが、どのようにマクロな物 性となって現れるのか? 分子動力学 分子間ポテンシャルモデルと統計物理 創発的アプローチ(複雑系) 熱流体物性のモデリング 熱力学状態方程式の紹介 気相 液相 飽和状態(気液平衡) 臨界点と超臨界域 混合流体 熱流体物性データベース http://physics.nist.gov/cuu/index.html http://webbook.nist.gov/chemistry/fluid/
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