023 3次関数の接線の本数

023_3次関数の接線の本数
3次関数の接線の本数
3
2
3 次関数 f ( x) = ax + bx + cx + d ( a > 0) につい
て
f ′( x) = 3ax 2 + 2bx + c , f ′′( x) = 6ax + 2b
y = f ( x)
A
1本
3本
⎛
b
b ⎞⎞
, f ⎛⎜ −
⎟ ⎟ である.
⎝ 3a ⎠ ⎠
⎝ 3a
このとき,変曲点における接線を A とすると,
平面上の点 P を通る曲線 y = f ( x) の接線の本数
より,変曲点 A の座標は ⎜ −
は次のように場合分けされる.
⎧ 接線 A と曲線 y = f ( x) で挟まれた領域 "3本
⎪ 接線 A または y = f ( x) 上
⎪
⎨
⎪ (ただし,変曲点を除く)"2本
⎪⎩ それ以外
"1本
1本
2本
3本
2本
例題.曲線 y = − x + 3 x の接線で,平面上の点 P を通るものは何本あるか.その本数を
点 P の位置によって場合分けせよ.
3
2
f ( x) = − x 3 + 3 x 2 " ① とおくと,
f ′( x) = −3 x 2 + 6 x = −3 x( x − 2)
f ′′( x) = −6 x + 6 = −6( x − 1)
f ′′( x) = 0 となる x の値は, x = 1 であるから,変曲点 ( 1 , 2 ) における接線の方程式は,
y − 2 = 3( x − 1) ゆえに y = 3x − 1 " ②
3
2
曲線上の点 ( t , − t + 3t ) における接線の方程式は,
y − (−t 3 + 3t 2 ) = (−3t 2 + 6t )( x − t )
s
整理して
y = (−3t 2 + 6t ) x + 2t 3 − 3t 2 " ③
この③の式の見方を変えて,t について整理すると
2t 3 − 3( x + 1)t 2 + 6 xt − y = 0 " ④
この t についての 3 次方程式の実数解の個数が,接点の個数,すなわち接線の本数を表すこ
とになる.
そこで, g (t ) = 2t − 3( x + 1)t + 6 xt − y とおくと,
3
2
g ′(t ) = 6t 2 − 6( x + 1)t + 6 x = 6 {t 2 − ( x + 1)t + x}
= 6(t − 1)(t − x)
x = 1 のとき, g ′(t ) = 6(t − 1) 2 0 0 となり, g (t ) は単調増加となるから④の実数解の個
(ⅰ)
数は 1 個である.
(ⅱ) x'1 のとき, g ′(t ) = 0 を満たす t の値は t = 1 , x の異なる 2 つの値があるから,増減表
をかくと下表のようになる.
−1−
http://www.geocities.jp/ikemath
x < 1 のとき
…
t
x
g ′(t ) +
0
g (t )
9
極
大
…
−
1
0
…
+
:
極
小
9
1 < x のとき
…
1
t
g ′(t ) +
0
g (t )
9
極
大
…
−
x
0
…
+
:
極
小
9
いずれの場合も極値は g ( x) と g (1) である.
g ( x) = 2 x 3 − 3 x 2 ( x + 1) + 6 x 2 − y = − x3 + 3 x 2 − y
g (1) = 2 − 3( x + 1) + 6 x − y = 3 x − 1 − y
から,④の実数解の個数は
g ( x) g (1) < 0 すなわち (− x 3 + 3x 2 − y )(3 x − 1 − y ) < 0 のとき 3 個
g ( x) g (1) = 0 すなわち y = − x 3 + 3x 2 または y = 3x − 1 のとき 2 個
g ( x) g (1) > 0 すなわち (− x 3 + 3x 2 − y )(3 x − 1 − y ) > 0 のとき 3 個
(ⅰ),(ⅱ)より,求める範囲を図示すると下図のようになる.図の斜線部分が,接線が 3 本あ
る点 P の存在範囲で,直線 y = 3 x − 1 または,曲線 y = − x + 3 x 上(点 ( 1 , 2 ) は除く)が 2
本,その他は 1 本である.
3
2
y = 3x − 1
1本
3本
3本
1本
y = − x3 + 3x 2
−2−