マイナス金利の先輩、スイスに学ぶ

2016年
2月12日号
Vol.288
マイナス金利の先輩、スイスに学ぶ
 史上初!長期国債もマイナス
1月29日に日銀から発表されたマイナス金利
導入について、マーケットでは各所でその影
響が出ています。日経平均株価は2月に入っ
てから下落が続き、2月10日には1年3ヵ月ぶ
りに16,000円割れとなりました。米ドル・円の
為替レートも当初は円安が進んだもののそ
の後円高が進行し、2月11日には一時110円
台にまで突入しました。
また、ニュースなどでも大きく取り上げられた
のが、長期金利が史上初のマイナス金利に
突入したことです。長期金利の代表的な指
標である10年もの国債の金利が2月9日の終
値でマイナス0.03%程度にまで低下しまし
た。この背景は、マイナス金利の導入と世界
的にリスクを避けたい気持ちが高まったため
と考えられます。
 スイスは先輩
長期金利までもがマイナスになるということ
は世界的に珍しいことですが、唯一スイスが
経験済みの先輩です。2014年12月、スイス
はマイナス金利の導入を発表し、日銀と同
様に民間銀行から資金を預かる際の預金の
一部にマイナス金利を適用しました。原油安
やロシア経済への不安からスイスフラン高と
なっていたため、それを抑制するためです。
マイナス金利を受けて、長期金利もマイナス
となりました。これが世界で初めて長期金利
がマイナスとなる事例でした。
では、スイスではマイナス金利によって何が
起きたのでしょうか。日本のようにスイスでも
当初はこの政策に疑問を持つ声が出ていま
したが、結果的には輸出産業が盛んなスイ
ス経済に打撃を与えるスイスフラン高を抑制
する効果をもたらしました。スイスの例を踏ま
えると、今回の日本の政策の狙いのひとつ
は投機的な円買い圧力を抑えることもあるよ
うに考えられます。
 こんな資産が人気に
預金金利が下がるなどいいことばかりでは
ないマイナス金利ですが、ではこの環境では
どの資産に投資をするのがよいのでしょう
か。今度は、2014年6月から政策金利の一
部にマイナス金利を導入している先輩、欧州
中央銀行(ECB)の例を参考にしましょう。
2015年年間の欧州で人気を集めたファンド
では、様々な資産に分散投資し機動的に資
産配分を変更するアセット・アロケーション・
ファンドや高配当株式ファンドでした。
学校や職場などでは、「分からなければ経験
豊富な先輩に聞くのがよい」と教えられませ
んか?こんな教えが資産運用でも当てはま
るかもしれません。
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