米国 マーケット・コメント (15/2/20~15/03/05)

2015/03/06
大和証券・債券部
米国 マーケット・コメント (15/2/20~15/03/05)
◇ これまでのポイント
○
インフレ期待低下の最悪期を脱したとの見方により米金利は長期ゾーン主導で上昇
2.20
2 月 24 日に行われたイエレン FRB 議長の上院銀行委員会での証言は、2 月 18 日に公開さ
2.15
2.10
れた 1 月 FOMC 議事録と同様の内容となり、米金融政策に対する FRB の姿勢にこれまでと
2.05
2.00
大きな変化がないことが確認された。強い米 1 月雇用統計や原油安・米ドル高の一服感か
1.95
1.90
ら市場では早期利上げが意識されていただけに、米国 10 年債利回りは 2.0%を下回った。
その後 2 月 26 日に発表された米 1 月消費者物価指数は変動の大きい食品やエネルギー価
格を除くコア指数が前月比+0.18%となり、予想の同+0.1%を上回るとともに昨年 10 月以来
の伸び幅となった。また、2 月 27 日に発表された独 2 月消費者物価指数は前月比+0.9%と
米国国債10年金利(2/2~3/5)
%
議事録・イエレン議長の議会
証言がハトなトーンとなり、
月末まで金利低下
1.85
1.80
1.75
1.70
堅調なコアCPIと欧州の
景気回復期待で、インフ
レ期待主導で長期金利
上昇
1月雇用統計は12月の
弱さを否定する強さで、
長期金利が大調整
1.65
1.60
02/02
02/11
02/20
なり、予想の同+0.6%を上回るとともに 2004 年 12 月以来の伸び幅となった。原油価格が
03/03
出所:大和証券債券部作成
下げ止まっている中、市場では「低インフレの最悪期が過ぎたのではないか」との見方が
台頭し、世界的にインフレ期待値の上昇を伴いながら米金利は長期金利主導で上昇した。
%
米国10年国債利回りと米国10年インフレ期待 (14/11/3~15/3/05)
2
2月末以降、インフレ期待
主導で長期金利上昇
2.4
◇ 今後の注目点
インフレ期待反発 vs 中銀による緩和的措置の綱引きか
%
2.5
1.9
2.3
2.2
1.8
2.1
米国とドイツの 10 年インフレ期待値は既に昨年 11 月の水準まで上昇しているものの、
2.0
各 10 年債利回りは依然として同時期の水準を下回っている。米国の場合は早期利上げ
1.9
懸念の後退、ドイツの場合は ECB による量的緩和策の実施が影響していると言え、い
1.8
ずれも中央銀行による緩和的措置がそうさせているものと伺える。
1.7
3 月 6 日には米 2 月雇用統計が発表される。1 月分に続き賃金上昇が確認された場合、
1.6
11/3
米国の早期利上げ観測が復活し、出遅れ分の長期金利上昇が起きる可能性がある。
1.7
1.6
米10年国債利回り(左軸)
米10年インフレ期待(右軸)
この資料は、投資判断の参考になる情報提供を目的としたものです。投資判断に関する最終決定はお客様御自身の判断でお願い申し上げます。
1.5
12/1
12/29
1/26
2/23
出所:大和証券債券部作成
大和証券
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