KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL Polymerization Process of Biopyribole in Metasomatism at the Akatani Ore Deposit,Japan( Abstract ) Akai, Junji Kyoto University (京都大学), 1983-05-23 1983-05-23 http://hdl.handle.net/2433/86332 Right Type Textversion Thesis or Dissertation author Kyoto University 山一 5 7 1 学 位 記 番 号 論 理 博 第 6 2 8 学 位 の 種 類 治 じ士 守 い学 旦 ∵ 井 名 赤 紗理 氏 学位授与 の 日付 昭 和 5 8年 5 月 2 3日 学位授与 の要件 学 位 規 則 第 5条 第 2項 該 当 学位論文題 目 Po l yme r i z a t i o nPr o c e s so fBi o pyr i bo l ei nMe t a s o ma t i s m att heAkat aniOr eDe po s i t ,J apa n ( 赤谷 鉱床におけ る交代 作用 の中で み られ る バイオパイ リボールの 重合過程) ( 主 査) 論文調査 委員 教 授 森 本 信 男 論 バイオ′ り リボ-ル 文 内 教 授 坂 野 昇 平 容 の 要 教 授 笹 嶋 貞 雄 旨 ( Bi o p y r i b o l e s )はけい酸塩鎖を 単位 とす る輝石 ・角閃石 ・雲母を含む 一連 の鉱物 群のことであるO このバイオパイ 1 )求-ルには,最近,けい酸塩 3重鎮を含む新 しい構造 タイプが見出さ れ,その安定性や生成条件などについての研究が さかんになっている。 申請者は赤谷鉱床で単斜輝石が交代変質作用 に よ りバイオパイ リボールに変質 している現象を見出 し, ( 1 ) これ まで 3重鎮を含む鉱物は Mg と Feを含むけい酸塩 について その重合過程を次の 目的で研究 した: 2) 赤谷鉱動 ま輝石か ら滑 のみ知 られていたが,それ以外の組成の ものに存在す る可能性についての検討 ,( 3 )3重鎮 石へ と交代変質を示す典型的な鉱床であるo ここでの一連の変質試料の記載 と重合過程 の検討 ,( 鉱物お よび交代作用過程で生 じた微細組織 の観察 とその成因の考察。 新潟県赤谷鉱床か ら採集 した試料について,それ らの組成,構造,微細組織の変化をⅩ線デ ィフラク ト メーター,EPMA,電顕などを用いて詳 しく検討 したO交代作用に よ り単斜輝石は角閃石様鉱物, さ らに 滑石- と重合 し変化す る。 この変質の程度は,鏡鉄鉱の鉱体か らの距離に関連 し, これに近い ところほ ど 強 く変質 している。 重合過程を示す試料を主に高分解能電顕を用いて検討 し, とくに次にのべ る新 しい結果を得た。 1 . 角閃石様鉱物は( a )2重鎖鉱物 ( 角閃石), ( b )3重鎖鉱物, お よび( C )2重鎖, 3重鎮の無秩序配列を もつ鉱物,の混合か らなっている。 2 . Ca系 3重鎮鉱物 (理想化学式 :Ca 虫Mg8 Si 12 03 2(OH)4 )を初めて確認 したO これは C a系単斜 輝石の交代変質に よ り生成 した。 3. 組成 と構造が 2重鎖鉱物 と滑石の中間に位置す る 3重鎮鉱物は変質の弱い試料に多 く含 まれ,単斜 輝石 と深い関連を もっている。 4 . 交代作用での重合過程を示す微細組織が,単斜輝石お よびその他のバイオパイ リポールに見出され た。 とくに単斜輝石中の 3重鎮の生成機構は構造の トポタクテ ックな関係に支配 され ることを示 している。 ー2 0 3- 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 bi o pyr i bo l e s ) とよばれる 新 しい鉱物 グループに 本論文はけい酸塩 3重鎖を 含むバイオパイ リボ-ル ( 関す る研究成果である。 このグループは Ve bl e n と Bur nham ( 1 9 7 5 )により Mg 角閃石の変質鉱物 と して初めて記載 されて以来,角閃石か ら雲母状層構造への変質過程を明 らかにす る上で重要 と考え られて 研究が行われてきた。 申請者は, はや くよりバイオパイ 1 )ポール ・グループのけい酸塩鉱物学における重要性を認識 し, Ve - bl e n らとほ とんど同時に, その存在の可能性を変質輝石の研究か ら予見 した。 本論文はその延長線上に あるもので,Ca に富んだ輝石 より導かれた 3重鎖バイオパイ 1 )ボールについて, その鉱物学的特性や成 田についての研究を行い,バイオパイ リボールに関するこれ までの研究を著 しく進めた ものである。 申請者は新潟県赤谷鉱床において, Ca に富む単斜輝石が交代変質作用により,けい酸塩 3重鎖を含む バイオパイ 1 )ボールに変質 していることを見出 し,交代変質作用 とけい酸塩鎖の重合過程の関連を考察 し た. まず, この鉱床での変質作用に伴 う化学組成変化は Ca,Fe,お よび Mn が溶脱 し,Mg とHB Oが 付加す る傾 向を もつ ことを明 らかに し,変質の程度を構成鉱物である単斜輝石,角閃石様鉱物,滑石の量 比で 7段階にわけた。 さらに角閃石棟鉱物について,高分解能電顕および分析電顕で組成 と組織を しらべ, それが 3種の鉱物 ; ( a ) 2重鎖鉱物 ( 角閃石),( b )3重鎖鉱物,お よび( C ) 2重鎖 と3重鎖の無秩序配列の鉱物, の混合物か ら構成 されていることを明 らかに した。その上で,角閃石様鉱物の重合過程 と交代変質の関連 を明 らかに した。 以上の申請者の研究は,Caを含むけい酸塩 3童顔鉱物 ( Ca 虫Mg8Si 12 03 3 ( OH) 4 ) の存在を確立 し, その鉱物が単斜輝石か ら滑石に変化する重合過程で生成 した ことを明 らかにすると共に,その重合過程を 単斜輝石にみ られ る欠陥構造の解析により論 じた ものである。 これ らの結果は,鎖状および層状構造を含むけい酸塩鉱物学におけるきわめて重要 な貢献であると共に, 高分解能電顕や分析電顕などの研究方法を駆使 して微細な鉱物の欠陥構造を解明 した新 しいタイプの研究 として も高 く評価 される。 よって本論文は理学博士の学位論文 として価値あるもの と認める。 ー2 0 4-
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