Title Successful Peripheral Nerve Homotransplantation by Use of

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Successful Peripheral Nerve Homotransplantation by Use of
High-Voltage Electron Irradiation( Abstract_要旨 )
Ikeda, Kimiyuki
Kyoto University (京都大学)
1966-11-24
http://hdl.handle.net/2433/212013
Right
Type
Textversion
Thesis or Dissertation
none
Kyoto University
【113 】
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氏
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田
公
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いけ
だ
きみ
ゆき
学 位 の 種 類
医
学
博
士
学 位 記 番 号
医
学位授与 の 日付
昭 和 41 年 11 月 24 日
学位授与 の要件
学 位 規 則 第 5 条 第 1 項 該 当
研 究 科 ・専 攻
医 学 研 究 科 外 科 系 専 攻
学位論文題 目
S u ccessfu l P erip h eral N erve H om otran sp lan tation by
U se of H ig h -V oltag e E lectron Irrad iation
博
第 273 号
(高圧電子線照射 による末梢神経同種移植)
(主 査)
論文調査委員
教 授 半 田
論
文
肇
教 授 木 村 忠 司
内
容
の
要
教 授 本 庄 一 夫
旨
末 梢神経損傷の修復 は現在 に至 るまで外科治療の困難 な問題 の一つであ り, 多種多様な手術方法ない し
神経移植の方法が試 み られている。 この うち異種神経移植 heterograft は これ まで成功例 の報告がな く,
また 自家神経移植 autograft は graft を とる ことに制限があ り, 神経損傷部が大 きい時 には利用で きる
とは限 らない。 そ こで同種神経移植 hom ograft が最 も見込 みがあると思われ る。 H om ograft では動物
実験 である程度の成功が認 め られているが, この場合 には免疫反応を十分 に抑制す る必要 がある。
この 目的のために著者 らは先 に ラッテおよび犬の末梢神経 に ドライアイスアル コール浴中で 200万 R E P
の電子線照射 を行 な って移植す ると著明に移植免疫を抑制す ることが可能で, 同種移植が成功す る事実を
報告 した。
本文 は雑種成犬75 頭 に照射神経片を同種移植 して長期観察を行 な った14例の神経再生を, 組織学的およ
び電気生理学的に検討 した結果 と, 末梢神経同種移植時 に全身的免疫抑制療法 を行 な った際の免疫抑制効
果 およびその副作用 につ いて述べ , さらに本法 を臨床的 に応用 した 2 例の術後経過を明 らかに した。
動物実験では, 術後 180 日以上観察 した14例 中手術操作が未熟 なため 2 例 に術 後 縫 合 不全を きた した
が, 成功例 12例では再生神経線維は神経線維束 を形成 して移植神経片 を貫通 し遠位神経端 に達 してお り,
また全例で神経活動電位の伝達が認め られ た。 この時期 には髄鞘形成 はかな り成熟 していたが, 個 々の再
生神経線維の直径 は全体 と してやや細 く, かつ個 々の太 さにかな りのば らつ きが認め られ た。 また活動電
位の刺戟間借 の上昇 , 不応期の延長 および伝達速度の遅延等が認 め られ たが, これ らは カ リウム溶液の局
所使用 によ り一部正常化 され , 再 生神経線維が神経 と しての特性 を もっているもの と考 え られ た.
M ethotrexate, actinom ycin -C および 61m erCaPtOPurine 等 の代謝括抗剤 を全身的 に授与 した結果 ,
actinom ycin -C は使用 に耐えるがいずれ も同時 に神経再生を も抑制す る効果 を示 した。
2 例 の臨床例はいずれ もなお観察期間が短 いが, 著 明な知覚喪失部仲の縮小 と運動麻坪 の快復の傾向を
示 した。
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一
以上 の結果 よ り臨床 的応用 は可能 と考 え られ , 高圧電子線照射 と低温保存法 を併用す る方法 は, 容易 に
graft を入手で きかつ保存性 もす ぐれていることか ら有用 な神経補燥法 と考 え られ るo
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
末 梢神経移植 には異種 神経移植 , 自家神経移植 , 同種 神経移植 の 3 梓 があ る。 この うち, 同種神経移植
が最 も応用の可能性 が大で あ る。
しか し動 物 実 験 で は あ る程度の成 功報告例 はあ るが, 人 間で は免疫反
応が強 く破壊 吸収 され るため用 い られていない。 まず ラッテおよび犬の末 梢神経 に ドライア イスアル コー
ル浴 中で
200万 R E P (roentgen equivalent physicals) の電子線照射 を行 ない移植す ると, 移植 免疫反
応が著 明に抑制 され同種移植 が可能 で あることを兄 いだ し, 雑種成 犬75頭 に照射神経片 を同種移植 し, う
ち14例 に 180 日以上 の長期観察 を行 ない, この神経再 生を組織学的および電気生理学的 に検討 し, さ らに
末 梢神経同種移植時 に全身的免疫抑制療法 を行 な った際の抑制効果 およびその副作用を調べ , これ らの結
果 よ り 2 例 の臨床 例 に応用 し, その術後経過 よ り臨床応用 の可能性 を明 らか に した。 ( 1 )
180 日以上観察
した14例 中12例 に成功 した。 す なわ ち再 生 神 経 線 維 は 線維束 を形成 し移植神経片 を貫通 し遠位神経端 に
達 してお り全例で 神 経 活動電位 の伝達 が認 め られ神経 と しての特性 を もっていた。
(2 ) M ethotrexate,
A ctinom ycin-C および 6-M ercaptopurine などの代謝捨抗剤 を全身 に投与 した結果 A ctinom ycin-C は
使用 に耐え るがいずれ も同時 に神経再 生を も抑制 した。
( 3 ) 2 例 の臨床 例では, 知覚喪失部位 の縮小 と
運動麻痔の回復 の傾 向を示 した。
以上本論文 は学問的 に有益で あ って医学博士 の学位論文 と して価値 あ る もの と認定す る。
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