Page 1 Page 2 学位(専攻分野) 博 士 (医 学) 学位授与の日付 平 成

KURENAI : Kyoto University Research Information Repository
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Immunohistological Studies of Metabotropic Glutamate
Receptor Subtype 6-Deficient Mice Show No Abnormality of
Retinal Cell Organization and Ganglion Cell Maturation(
Abstract_要旨 )
Tagawa, Yoshiaki
Kyoto University (京都大学)
1999-07-23
http://hdl.handle.net/2433/181247
Right
Type
Textversion
Thesis or Dissertation
none
Kyoto University
氏
名
占
j
l
ll
'
義
士
(
医
美
学位 (
専攻分野)
博
学)
学 位 記 番 号
論 医 博
学位授与の 日付
1年 7 月 2
3日
平 成 1
学位授与の要件
学 位 規 則 第 4条 第 2項 該 当
学位論文題 目
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第 1
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(
代 謝 型 グル タ ミン酸 受 容 体 サ ブ タイ プ
6欠損 マウスを用いた網膜神経回路形成
の形態学的解析)
論文調査委員
許 諾 )
金
子武嗣
論
教 授 本 田孔士
文
内
容
の
要
教 授 中西垂忠
旨
明暗の識別 は網膜 における基本的な情報処理であ り, ON反応 と OFF反応が分離 して処理 されることによって成立す る。
網膜 において,視覚情報 は ON型双極細胞 と OFF型双極細胞 によ って分離 して処理 され,それぞれ ON型神経節細胞,
OFF型神経節細胞 に伝え られ る。代謝型 グルタ ミン酸受容体サブタイプ 6は ON型双極細胞 に特異的に発現 し,ON反応 に
mGl
uR6欠損 マウ
必須のグル タ ミン酸受容体である。我 々が作製 した代謝型 グルタ ミン酸受容体サブタイプ 6欠損 マウス (
ス)は,OFF反応 は正常なまま ON反応のみが消失する。従 って,mGl
uR6欠損 マウスは視覚系における ON反応の役割を
明 らかにす る格好のモデルマウスである。
成熟 した網膜神経回路 において,ON型及 び OFF型神経節細胞 はそれぞれ固有 の層で シナプスを形成す る。すなわち,
ON型神経節細胞 は ON型双極細胞 と内網状層 b亜層 において シナプスを形成 し,OFF型神経節細胞 は OFF型双極細胞
と,内網状層 a亜層において シナプスを形成す る。 一方,未成熟な時期の神経節細胞 は内網状層全体 に樹状突起を伸ば して
OFF経路が分離 した神経回路が形成 され る。網膜神経回路形
おり,生後成熟するにつれて b亜層又は a亜層 に限局 し,ON/
uRに特異的なアゴニス トである LAP4によ って神経節細胞樹状突起の ON/
OFF経
成過程 において, グループ 3の mGl
路の分離が阻害 されるという報告があ り,双極細胞か ら放出され るグルタ ミン酸 による神経活動が網膜神経回路形成 に必要
であると想定 されている。
本研究は, mGl
uR6を介 した ON反応が網膜神経回路形成に必要であるかを明 らかにす るため, mGl
uR6欠損 マウスを
以下の形態学的方法によって解析 した ものである。
1)我々が以前作製 した トランスジェニ ックマウス (
La
c
Zマウス)は,mGl
uR6プロモーター下 に La
c
Zを発現 させたマ
c
Zを発現 している。 双極細胞軸索の ON/
OFF経路の分離を解析す るため, Lac
Z
ウスであり, ON型双極細胞特異的に La
マウスと mGl
uR6欠損 マウスをか けあわせ,新 たなマウスを作製 した (
mGl
uR6欠損 /La
c
Zマウス)0 Ⅹgal染色及 び
La
c
Zに対す る免疫染色の結果,mGl
uR6欠損 /La
c
Zマウスの ON型双極細胞 は内網状層 b亜層 に正 しく軸索を伸ば して
いることが明 らかになった。
2)特異的な免疫染色の結果, コ リン性及び ドーパ ミン性 アマク リン細胞の分布, 2つのカル シウム結合蛋白質 (カル ビ
ンジン, カル レティニ ン)陽性細胞の分布 に異常がないことが明 らかにな った。
3)mGl
uR6欠損 により他のサブタイプの mGl
uRの発現が変化 していないかをサブタイプ特異的な抗体 による免疫染色
によって解析 した結果,mGl
uRl, 2, 4, 5, 8には変化がな く,mGluR7の分布 に変化を認めた。
4)ルシファーイエローの細胞内色素注入 と ドーパ ミン性 アマク リン細胞の免疫染色を組み合わせてアルファー型, デル
OFF経路の分離 を正確 に解析 した結果,mGl
uR6欠損 /La
c
Zマウスの成熟 した神経節細
タ型神経節細胞樹状突起の ON/
-1
5
1
5
-
胞樹状突起の ON/
OFF経路の分離 に変化がないことが明 らかにな った。
5)未成熟 な神経節細胞樹状突起の解析の結果,一部のアルファー型,デルタ型神経節細胞が複数の層に樹状突起を伸ば
していること,その頻度が野性 マウス, mGl
uR6欠損 マウスの間で差がないことが明 らかになった。
uR6欠損 マウスは ON反応を著 しく阻害 されているにも関わ らず,網膜神経回路形成 に異常がないことが明
従 って,mGl
らか とな った。
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
本研究 は,視覚情報伝達 において明 るさと暗 さの情報をあ らわす ON反応 と OFF反応において,ON反応が阻害 された変
異 マ ウスを用 い,網膜神経回路形成 における ON反応の役割を明 らかに しようと した ものである。
まず, ON反応が阻害 された代謝型 グル タ ミン酸受容体サブタイプ 6 (
mGl
uR6)欠損マウスと,ON型双極細胞のみに
Lac
Zを発現す る トランス ジェニ ックマウスをかけあわせたマウスを用い, Ⅹ-gal染色,免疫染色 によって,mGl
uR6欠損
マ ウスの ON型双極細胞の分布,軸索投射 に変化がないことを明 らかに した。次 に,免疫染色により数種のアマクリン細胞
の分布 に変化がないこと, さ らに,細胞内色素注入法 と免疫染色を組み合わせ,成熟 したアルファ型及びデルタ型神経節細
胞 の樹状突起 の層形成 に変化が ない こと,一部 の未成熟神経節細胞が複数の層 に枝 を伸 ば しているが,成熟度 において
mGl
uR6欠損 マウスと正常 マウスで差が見 られないことを明 らかに した。
以上の結果 は,網膜神経回路形成のメカニズムにおける神経活動の役割を明 らかにするうえで重要 な情報を与えるもので
ある。
したが って,本研究 は博士 (
医学)の学位論文 として価値のあるものと認める。
なお,本学位授与 申請者 は,平成 1
1年 6月 4日実施の論文内容 とそれに関連 した研究分野並びに学識確認のた吟の試問を
受 け,合格 と認め られた。
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51
6
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