本科 / Z Study 解答解説編 / 難関国公立 理系数学 発展 見本 XMFJ1A-Z1C2-01 n は 3 以上の整数とする。このとき,次の各問いに答えよ。 n n¡1 n¡2 +x (25点) ⑴ 等式 x = (x ¡ 1)(x ⑵ 整式 xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1 を (x ¡ 1)(x ¡ 2) で割ったときの余りを求めよ。(13点) + Ý + x + 1) + 1 が成り立つことを示せ。(4点) ⑶ 整式 xn を (x ¡ 1)2 (x ¡ 2) で割ったときの余りを求めよ。(8点) 整式の除法についての問題。 ⑴ 示すべき等式に含まれている (x ¡ 1)(xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1) を展開してみればよい。 ⑵ 整式の余りを求めるときは,実際に割り算をすることが基本であるが,本問ではこれができ ないので,他の方法を考えよう。一般に,整式 f( x ) を整式 g( x ) で割ったときの商を Q( x ), 余りを R( x ) とすると f( x ) = g( x )Q( x ) + R( x ) …………………………………………………* が成り立つので,本問でもこれをうまく用いることを考えるとよい。g( x ) の次数がわかってい るので,次数に着目して R( x ) のおき方を考えてみよう。 ⑶ ⑵と同様に,商と余りの関係に着目するという方針でよい。うまく⑴,⑵を利用することを考 えよう。 n =x ¡1 であるから,等式 xn = (x ¡ 1)(xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1) + 1 …………① (証終) が成り立つ。 ⑵ 整式 xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1 を (x ¡ 1)(x ¡ 2) で割ったときの商 を Q( x ),余りを ax + b (a,b は定数) とおくと xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1 = (x ¡ 1)(x ¡ 2)Q( x ) + ax + b ………………………② と表せる。ここで,②に x = 1,2 をそれぞれ代入すると 1n¡1 + 1n¡2 + Ý + 1 + 1 = a + b () a + b = n 2n¡1 + 2n¡2 + Ý + 2 + 1 = 2a + b 2n ¡ 1 () 2a + b = = 2n ¡ 1 2¡1 であるから,これらを連立して解くと xn¡1 + xn¡2 + Ý + x2 + x がキャンセルされる。 ▲ = (xn + xn¡1 + Ý + x2 + x) ¡ (xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1) 2 次式 (x ¡ 1)(x ¡ 2) で割ると, 余りは 1 次式 または 定数 となるので,余りをこのように おくことができる。 ▲ = x(xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1) ¡ (xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1) ▲ (x ¡ 1)(xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1) 「着眼」の*を用いている。 2n¡1 + 2n¡2 + Ý + 2 + 1 を初項 1,公比 2 の等比数列の 初項から第 n 項までの和と捉 えている。 ▲ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ⑴ (2n ¡ n ¡ 1)x ¡ 2n + 2n + 1 ⑶ (答) ②を①に代入すると xn = (x ¡ 1) f(x ¡ 1)(x ¡ 2)Q( x ) + ax + bg + 1 2 2 = (x ¡ 1) (x ¡ 2)Q( x ) + ax + (b ¡ a)x + 1 ¡ b よって,求める余りは,⑵の結果より ax2 + (b ¡ a)x + 1 ¡ b = (2n ¡ n ¡ 1)x2 + (¡2n+1 + 3n + 2)x + 2n ¡ 2n (答) XMFJ1A-Z1C2-02 3 次式 (x ¡ 1)2 (x ¡ 2) で割った ▲ したがって,求める余りは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ a = 2n ¡ n ¡ 1,b = ¡2n + 2n + 1 余りは 2 次式以下 または 定数 と な る の で,求 め る 余 り は, 「着眼」の*より ax2 + (b ¡ a)x + 1 ¡ b とわかる。 ⑴ ⑴の等式の一般化 1 本問では,等式 xn ¡ 1 = (x ¡ 1)(xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1) が成り立つことを示したわけであるが,一般に xn ¡ yn = (x ¡ y)(xn¡1 + xn¡2 y + Ý + xyn¡2 + yn¡1 ) …………………………③ が成り立ち,これは「解答」と同様に③の右辺を展開すれば証明できる。あるいは,x Ë y のとき xn ¡ yn xn¡1 + xn¡2 y + Ý + xyn¡2 + yn¡1 = …………………………………④ x¡y を示してもよく(x = y のとき③は明らかに成立する),y Ë 0 のとき左辺を 初項 yn¡1 ,公比 xy¡1 の等比数列の初項から第 n 項までの和 とみて xn y¡1 ¡ yn¡1 yn¡1 f(xy¡1 )n ¡ 1g = = (右辺) xy¡1 ¡ 1 xy¡1 ¡ 1 と示すこともできる(y = 0 のとき④は明らかに成立する)。 (左辺) = ⑵ ⑶と同様に考えると… 2 ⑶では,xn を x ¡ 1 で割ったときの商 xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1 を,さらに (x ¡ 1)(x ¡ 2) で割っ て,xn を (x ¡ 1)2 (x ¡ 2) で割ったときの余りを求めていることを確認しよう。ここでは,これと 同じ方針で⑵を処理してみよう(本質的には「解答」と同じであるが…)。 整式 xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1 を x ¡ 1 で割ったときの商を S( x ),余りを s (定数) とおくと xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1 = (x ¡ 1)S( x ) + s と表せる。ここで,x = 1 とすると ∴ s=n 1n¡1 + 1n¡2 + Ý + 1 + 1 = s であるから xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1 = (x ¡ 1)S( x ) + n …………………………………⑤ そして,S( x ) を x ¡ 2 で割ったときの商を T( x ),余りを t (定数) とおくと S( x ) = (x ¡ 2)T( x ) + t とおけるから,これを⑤に代入して xn¡1 + xn¡2 + Ý + x + 1 = (x ¡ 1)(x ¡ 2)T( x ) + t(x ¡ 1) + n ここで,x = 2 とすると 2n¡1 + 2n¡2 + Ý + 2 + 1 = t + n ∴ t = 2n ¡ n ¡ 1 であるから,⑥より求める余りは t(x ¡ 1) + n = (2n ¡ n ¡ 1)x ¡ 2n + 2n + 1 となり, 「解答」と同じ結論を得る。 ……………⑥
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