外部要因への懸念を主な背景として

楽読
(ラクヨミ)
2016年1月14日
Vol.
1,053
外部要因への懸念を主な背景として、
大きく下落した日本株式相場
2016年の日本の株式相場は、1月12日までの6営業日連続での下落により、年初からの連続安の最長記録
を更新しました。さらに、13日は反発したものの、14日には大幅反落となり、日経平均株価が一時、1万7,000
円の大台を割り込む場面もありました。こうした相場の軟調は、①中国で、一部の経済指標の悪化や人民元お
よび株価の下振れなどを背景に景気の先行き懸念が強まったこと、②原油価格の下落が止まらないこと、と
いった、外部要因の悪化などを背景として、投資家がリスク回避の動きを強めたことが主な要因と考えられます。
中国については、年初に発表された民間集計のPMI(購買担当者指数)の低下が材料視されました。ただし、
2013年後半から悪化傾向だった景気先行指数が、15年8月に底をつけた後、3ヵ月連続の改善となっており、
景気鈍化が目先、一服する可能性を示唆しています。また、13日発表の貿易統計(米ドル・ベース)では、輸出・
輸入とも、前年同月比で減少が続いたものの、減少率の鈍化が確認されました。なお、中国政府は昨年12月、
インフラ整備や企業減税などの財政出動を拡大する方針を示しており、必要となれば景気下支えを強化すると
期待されます。当面は、19日発表の10-12月期GDPおよび12月の主要経済指標などが注目されます。
原油については、イランに対する欧米の経済制裁がまもなく解除され、同国産原油が市場に出回ると見込ま
れるなど、足元では供給過剰が意識され易い状況となっていることなどから、価格下落が続いています。ただし、
米EIA(エネルギー情報局)が12日に発表した見通しでは、今後、供給過剰が徐々に和らぎ、17年には需給が
ほぼ均衡するとされています。
このように、外部要因には悪材料が目立つものの、明るい材料が無い訳ではありません。足元の相場の軟調
ぶりは、悪材料の織り込みが進んだことを示唆しているとみられ、今後、さらなる悪材料が無ければ、相場は次
第に落ち着きを取戻し、徐々に明るい材料にも反応しだすと期待されます。
中国の景気先行指数とGDPの推移
(2010年1月~2015年11月*)
103
原油の世界需給および平均価格の推移
(万バレル/日)
(%) 14 10,000
*GDPは四半期ベースで2015年10-12月期予想まで
102
101
(2014年~2017年予想)
(万バレル/日)
500
9,600
12
OECD景気先行指数
(左軸)
10
400
9,200
生産量(左軸)
8,800
消費量(左軸)
8,400
100
8
99
6
8,000
0
在庫増減量(右軸)
7,600
4
GDP(前年同期比、右軸)
97
市
場
予
想
2
96
0
10年 11年 12年 13年 14年 15年
信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
120
90
60
30
0
200
100
-100
7,200
98
300
-200
EIAの予想
(米ドル/バレル)
WTI原油の価格(四半期平均)
103.35
53.29
36.36
14年
15年
16年
17年
米EIAのデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。
■当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘
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