産業アウトルック２０１６年１～３月期８．機械トピック：新興国での建設機械需要が減少長島国内の機械需要は、景気回復による設備投資マインドの改善に加え、政府の補助金施策などの効果もあり、堅調な推移が見られます。一方で海外を見れば、産業機械において、中国の経済減速を発端とした新興国の建設機械の需要減、並びに前年にロシア、東欧で大型化学プラント案件があった反動等を受けて、足元2015年4～10月の需要が前年同期比▲3割程度の大幅減となりました。工作機械についても、中国のスマートフォン向け設備投資の一服等から減少しており、近時拡大傾向にあった海外需要が何れも足元マイナスに転じた格好です。需要：産業機械・工作機械共に国内需要は堅調ながら、海外需要は落ち込み今後の見通し：国内は堅調、海外は新興国需要の回復に不透明感あり今後についても、国内では円安等を背景にユーザー企業の設備投資意欲は引き続き底堅く、機械需要も堅調に推移すると期待されますが、海外では、新興国需要の動向に不透明感も指摘される状況にあります。国内メーカー業績：販売地域や主要扱い品によって業績に濃淡。海外需要の捕捉やコストコントロールがポイント 2015年度のメーカー各社の合算業績を見れば、堅調な国内需要の取り込みや大型M&Aの影響等から、通期業績は増収で計画されていますが、販売地域や主要扱い品によって減益を余儀なくされる企業も見られ、また足元2015年度上期実績では合算で減益を喫しており、計画達成に向けて、海外での需要捕捉やコストコントロールの重要性が高まっていくと考えられます。産業機械需要工作機械需要外需内需前年度比 (兆円) 外需内需前年度比 (兆円) +120% +120% 2.0 8 +90% 1.6 +80% 6 +60% 1.2 +40% 4 +30% 0.8 +0% 2 +0% 0.4 -40% 10 潤中国の経済減速等を受けて、建設機械を中心に新興国での機械需要に落ち込みが見られ、メーカー各社の海外事業の業績を悪化させる一因となっています。 0 08 09 10 11 12 13 14 -30% 14年 15年 (年度) 4-10月4-10月 0.0 08 (出所)日本産業機械工業会、日本建設機械工業会より弊行作成 (注) 産業機械受注額と建設機械出荷額の合計値 (兆円) 売上高(左軸) 営業利益(右軸) 12 10 8 (十億円) 1,400 -80% 14年 15年 (年度) 4-11月4-11月 (兆円) 売上高(左軸) (十億円) 営業利益(右軸) 0.9 100 80 60 40 800 0.6 20 0.5 0 0.4 -20 0.3 -40 0.2 -60 0.1 -80 200 0 0 14 15 (年度) 上期上期 13 14 0.7 2 12 13 1,000 400 11 12 0.8 4 10 1.0 1,200 600 09 11 工作機械メーカー主要5社合算の連結業績 6 08 10 (出所) 日本工作機械工業会より弊行作成産業機械メーカー主要7社合算の連結業績 14 09 0.0 08 14 15(予) (注) (出所)各社有価証券報告書､決算短信､プレスリリース資料より弊行作成主要7社：三菱重工業、コマツ、ダイキン工業、クボタ、ＩＨＩ、日立建機、住友重機械工業 (注) クボタは2015年度より決算期を3月から12月に変更しており、 2015年度の同社数値は1～3月の実績に4～12月の計画値を合算 09 10 11 12 13 14 15(予) (注) -100 14 15 (年度) 上期上期 (出所) 各社有価証券報告書､決算短信より弊行作成主要5社：大阪機工、オークマ、ツガミ、DMG森精機、牧野フライス製作所 (注) DMG森精機は2015年度より決算期を3月から12月に変更しており、 2015年度の同社数値は1～3月の実績に4～12月の計画値を合算本資料は、情報提供を目的に作成されたものであり、何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません。本資料は、作成日時点で弊行が一般に信頼できると思われる資料に基づいて作成されたものですが、情報の正確性・完全性を弊行で保証する性格のものではありません。また、本資料の情報の内容は、経済情勢等の変化により変更されることがありますので、ご了承ください。ご利用に際しては、お客さまご自身の判断にてお取扱いくださいますようお願い致します。本資料の一部または全部を、電子的または機械的な手段を問わず、無断での複製または転送等することを禁じております。 -1- Copyright © 2016 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved.