産業アウトルック 2016年4~6月期 8.機械 長島 潤 トピック: 円高による業績へのマ イナスインパクトが想 定される 日本の機械メーカーは、国内での生産比率が高く、足元の円高を受けた2016年 度業績へのマイナスインパクトが想定されています。各社では、斯かる為替影 響の軽減に向けて現地生産・現地調達の比率引上げが進められています。 需要: 産業機械・工作機械共 に国内は増加ながら、 海外は落ち込み 2015年4月~2016年2月の国内機械需要は、電力自由化をにらんだ発電設備への 投資が好調であった他、政府の補助金施策の効果等もあり、堅調な推移となり ました。一方で、海外を見れば、産業機械において、中国の経済減速を発端と した新興国での建設機械需要減、並びに前年にロシア、東欧で大型化学プラン ト案件があった反動等から前年同期比▲約3割、工作機械についても、中国の スマートフォン向け設備投資の一服等により▲約2割の大幅減となりました。 今後の見通し: 国内、海外共に需要の 先行きには不透明感あ り 今後の動向については、国内需要は補助金効果の剥落等により前年割れとなる 可能性があり、海外についても、新興国向け建設機械は低調な推移が続くと見 られる等、先行きの不透明感は払拭されていません。 国内メーカー業績: 2015年度業績は主要扱 い品によって業績の方 向に差が生じる見通し 2015年度のメーカー各社の業績を見れば、堅調であった国内需要の取り込みや 大型M&Aの影響等で増収増益とする企業がある一方、スマートフォン向けを主 体とする工作機械メーカーや建設機械メーカーは減収減益の着地とするところ もあり、主要扱い品によって差が生じていると見られます。2016年度も同様の トレンドから不透明な需要環境や円高進行による業績影響が想定されます。 産業機械需要 工作機械需要 外需 内需 前年度比 (兆円) 外需 内需 (前年度比) (兆円) +120% +120% 2.0 8 +90% 1.6 +80% 6 +60% 1.2 +40% 4 +30% 0.8 +0% 2 +0% 0.4 -40% 10 0 08 09 10 11 12 13 14 -30% 14年 15年 (年度) 4-2月 4-2月 (出所)日本産業機械工業会、日本建設機械工業会より弊行作成 (注) 産業機械受注額と建設機械出荷額の合計値 0.0 08 (兆円) 売上高(左軸) 営業利益(右軸) 12 10 (十億円) 1,400 6 600 4 400 2 200 0 14 15(予) 14 15 (年度) 3Q 3Q (注) (出所)各社有価証券報告書、決算短信、プレスリリース資料より弊行作成 主要7社:三菱重工業、コマツ、ダイキン工業、クボタ、IHI、 日立建機、住友重機械工業 (注) クボタは2015年度より決算期を3月から12月に変更しており、 2015年度の同社数値は1~12月の実績 10 11 12 13 13 14 -80% 14年 15年 (年度) 4-2月 4-2月 0.8 (兆円) 売上高(左軸) (十億円) 80 1,200 800 09 12 営業利益(右軸) 1,000 08 11 工作機械メーカー主要5社合算の連結業績 8 0 10 (出所) 日本工作機械工業会より弊行作成 産業機械メーカー主要7社合算の連結業績 14 09 0.6 40 0.4 0 0.2 -40 0.0 08 09 10 11 12 13 14 15(予) (注) 14 3Q 15 3Q -80 (年度) (出所) 各社有価証券報告書、決算短信より弊行作成 主要5社:大阪機工、オークマ、ツガミ、DMG森精機、 牧野フライス製作所 (注) DMG森精機は2015年度より決算期を3月から12月に変更しており、 2015年度の同社数値は1~12月の実績 本資料は、情報提供を目的に作成されたものであり、何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません。本資料は、作成日時点で弊行が一般に信頼できると思われる資料に基づい て作成されたものですが、情報の正確性・完全性を弊行で保証する性格のものではありません。また、本資料の情報の内容は、経済情勢等の変化により変更されることがありますので、ご了承 ください。ご利用に際しては、お客さまご自身の判断にてお取扱いくださいますようお願い致します。本資料の一部または全部を、電子的または機械的な手段を問わず、無断での複製または転 送等することを禁じております。 Copyright © 2016 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved.
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