ウィークリー市場経済レポート Weekly market economic update

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ウィークリー市場経済レポート
Weekly market & economic
update
2012 年 4 月 20 日(金)現在
主要経済指標
経済指標
単位
変化
グローバル
3月
米国 小売売上高
4月
米国 NAHB 住宅市場指数
2月
ユーロ圏 経常収支
前回
前月比
+0.8%
+1.0%
-
25
28
-5.9
-10.1
10 億ユーロ
豪州
3月
豪州 新車販売台数
トレンド
直近
前月比
直近
前回
+4.0%
+0.2%




金融市場・原油・為替
4 月 20 日(金)
時点
4 月 13 日(金)
時点
前週比
2011 年 4 月 20 日
時点
前年比
4,366.50
4,323.31
+1.0%
4,859.00
-10.1%
847.5
837.5
+1.2%
855.2
-0.9%
1,378.53
1,370.26
+0.6%
1,330.36
+3.6%
232.27
230.96
+0.6%
285.56
-18.7%
5,772.15
5,651.79
+2.1%
6,022.26
-4.2%
811.94
815.48
-0.4%
837.17
-3.0%
S&P/CITIC300 指数
2,196.81
2,160.80
+1.7%
2,777.39
-20.9%
MSCI (除く豪州 現地通貨建て)
900.074
893.195
+0.8%
928.012
-3.0%
4.17%
4.23%
-6bps
4.85%
-68bps
指数等
S&P/ASX 200 指数
S&P/ASX 200 不動産投信
米国 S&P 500
ダウ・ユーロ株価指数
英国 FTSE 100
日本 TOPIX
豪州 90 日バンクビル利回り
豪州債券 10 年物利回り
3.84%
3.83%
+0bps
5.52%
-168bps
米国債券 10 年物利回り
1.96%
1.98%
-2bps
3.41%
-145bps
原油スポット価格(WTI)
103.05 米ドル
102.83 米ドル
+0.2%
110.85 米ドル
-7.0%
豪ドル 円
84.64
83.94
+0.70
88.45
-3.81
豪ドル 米ドル(セント)
103.80
103.70
+0.10
107.14
-3.34
76.6
76.8
-0.2
77.5
-0.9
豪ドル TWI
今週の注目点
日付
4 月 26 日
指標イベント
4月
米国 FOMC 金利誘導目標
単位
前回
市場予測
-
0.25%
0.25%
1/2
先週の主な話題
 先週も引き続き欧州が不安材料となりましたが、多少なりとも希
望の持てる展開も見られました。イタリアの財政黒字化が 1 年
遅延する見通しであること、スペインの銀行の不良債権比率が
8%を突破し 94 年以来の高水準となったこと、そしてフランスに
社会党政権が誕生する可能性が高まったことなどが投資家心
理を冷やしました。一方、スペインおよびフランス国債入札が滞
りなく行われたことや、週末の 20 カ国財務相・中央銀行総裁会
議(G20)でIMFの資金基盤を 4,300 億米ドル以上増強すること
が表明されたことなどが好感されました。新設される欧州安定メ
カニズム(ESM)の融資枠(5,000 億ユーロ)を合わせると支援
可能な総額は約 1 兆 5,000 億米ドルとなり、スペインおよびイタ
リア危機回避がひとまず可能となったようです。
 豪州では、来年度(2012 年 7 月–2013 年 6 月)に財政黒字を達
成するという現政権の公約について活発な議論が見られました。
景気減速で税収が落ち込む恐れが出ていることから、公約実
現には現行の約 400 億豪ドルの歳出削減目標に更に 50 億豪
ドル上乗せする必要が出てきた模様です。非鉱業セクターがい
まだ非常に脆弱であることを考慮すると、歳出削減実行には相
応しくない時期であり、政府には細心の注意を払うことが求めら
れます。マクロ的な観点から言えば、財政黒字化が 2012 年
/2013 年に実現されようと 1 年遅れようと、大した差はありませ
ん。しかしながら私は、政府は公約を死守するべきと考えます。
その理由は第一に、公約が達成されない場合豪州国債の 75%
を保有する外国人投資家に失望感を与えてしまう点が挙げられ
ます。これにより、国民の借入れコストが長期間上昇する恐れ
があります。第二に、緊急の場合に備え今から財政を立て直す
必要があります。商品高と低失業率(5%近辺)という絶好の環
境を活 か さず して、いつ財 政黒字化 を達 成す ると言う ので
しょう。
 但し、非鉱業セクターの苦闘を考えると、豪州経済に部分的調
整が必要であることは明らかです。これに関しては、連邦政府
より豪州中央銀行(RBA)のほうが有効な方策を打ち出せる可
能性があります。まず、高すぎる金利の引き下げが必要になる
と思われます。400 億豪ドル(GDP 比で約 2.4%)、もしくはこれ
を超える緊縮財政が今後 1 年間で実現されようとしていますが、
これにより追加利下げの必要性が飛躍的に高まることになるで
しょう。
世界経済指標
 先週発表された米国の経済指標はおしなべて不調となり、失望
感から景気の二番底懸念が再燃しました。NAHB(全米住宅建
設業者)住宅市場指数、住宅着工件数、そして中古住宅販売件
数がすべて予想を下回りました。但し、建設許可件数と小売売
上高が好調だったほか、企業四半期決算は明らかにポジティブ
な内容でした。現在までのところ、25%の企業が決算発表を終
えており、そのうち約 81%が予想を上回る業績を発表していま
す。
 欧州圏経済指標はまちまちでした。貿易黒字は縮小、建設工事
支出および消費者信頼感が下落となった一方、ZEW 景気期待
指数(独)、IFO 景気動向指数(独)とも期待を大きく上回る結果
となりました。

ブラジルとインドの中央銀行が追加利下げを実施しました。これ
までのところ、利下げはインドの株価にプラスに働いているよう
です。
豪州経済指標
 先週発表された豪州の経済指標は引き続き低調でした。ウェス
トパック・メルボルン研究所発表の先行指数は依然潜在成長率
を下回る数値を示し、1-3 月期の交易条件も 7%の大幅下落と
なりました。住宅協会(HIA)と豪不動産調査会社 RP データの
共同リサーチも豪州の住宅建設見通しが引き続き低調であるこ
とを示しています。
市場概観
 先週の世界の株式市場は値動きの荒い展開となりました。下
落要因となったのは欧州懸念と予想を下回った米国の主要経
済指標ですが、米国市場、欧州市場及び一部のアジア市場は、
予想を上回った米国小売売上高と好調な企業決算、IMF の資
金増強などのニュースにより上昇しました。中国市場も追加金
融緩和期待から上昇しました。
 豪州株は世界の株式市場が弱含んだ場合にも弾力性を持つこ
とが証明されました。ASX200 は、週を通して直近高値の 4,300
ポイントを上回りました。ここ 2 年間相対的に不調だった豪州地
方経済に対して投資家がその価値を再認識しだしたことが主な
好調要因のようです。RBA による金利追加引き下げが確実視
されていること、追加金融緩和期待から中国株が上昇したこと、
また豪ドルが弱含んだことなども上昇を後押ししました。
 国債利回りは米国・日本・ドイツ・豪州で横ばいか下落、フラン
スとイタリアで上昇しました。
相場見通し
 好調だった 1-3 月期を終え、今後の相場展開が少々荒くなるこ
とが予想されます。欧州危機懸念の再燃と不安定な米国経済
指 標 の 動 向 によ り 、 株 価 が 4 月 頃 に ピ ーク を 付け た 後に
15~20%下落した過去 2 年間と同じことが起こるのではないか
と投資家が警戒するのは自然なことだからです。
 但し、調整があるとしてもそれは 15~20%ではなく、むしろ 5~
10%幅でしょう。かつ、年末までという期間で見れば、株式相場
は上昇を記録すると見られます。バリュエーションは、特に債券
利回りと比較すると割安で、ユーロ圏の金融システム崩壊のリ
スクは後退、世界の経済指標は好転しています。さらに、世界
各国で金融緩和策が取られ、大量の待機資金が存在していま
す。中国が積極的な金融緩和政策に乗り出した場合、中国市
場を筆頭とする新興国の株式市場は上昇することでしょう。
 豪州市場は相対的に好調ですが、今後 RBA による政策金利引
き下げが実施され、中国経済のハードランディング(硬着陸)懸
念が払拭された場合、更に上昇する可能性もあります。
 既に利回りが非常に低い水準にある国債は、欧州債務危機が
悪化しない限り、低い収益率しかもたらさないと思われます。
 現在の豪ドルの調整局面は、低調な豪州経済指標や世界の株
式市場の変動により、しばらく続く可能性があります。しかし、長
期的には豪ドルは堅調基調を維持すると見られます。世界経済
見通し改善が商品市況を押し上げ、豪州の金利が米国のそれ
に比べ依然として高いためです。
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