通貨レポートVol.3 オーストラリアドル

通貨レポート Vol.3
ポイント① 豪ドルは5月以降下落
2月以降、対米ドルで上昇基調で推移していた豪ドルは、
5月3日に豪州準備銀行(中央銀行、RBA)が利下げ
を発表すると、5月末にかけて大きく下落しました。その後は、
米国の早期利上げ観測が後退したことなどから上昇に転じ
ましたが、足元では、英国の国民投票で予想外にEU離脱
票が過半数を占めたことから、投資家のリスク回避姿勢が
強まり、豪ドルは軟調に推移しています。なお、対円相場は、
オーストラリアのファンダメンタルズとは関係なく大幅な円高米
ドル安の影響を受け、下落幅が大きくなりました。
ポイント② RBAは低インフレを懸念
RBAが5月に約1年ぶりの利下げを決定した背景には、
想定以上にインフレ圧力が低下していることがあります。
2016年1-3月期の総合CPI(消費者物価指数)は、
前年同期比+1.3%となりました。また、RBAがコアCPIとし
て重視する指標のひとつであるCPIのトリム平均値もRBAの
インフレ目標レンジ(同+2~3%)を下回りました。
RBAは「金融政策報告書(5月)」においてインフレ見通し
を下方修正し、インフレ率が2017年にかけても同+1.5%
~2.5%と目標レンジの下限を下回るリスクを示唆しました。
また近年、利下げの副作用として住宅価格が高騰していた
ものの、規制強化などの対応が図られたことから住宅市況
は鈍化しており、利下げ決定を後押ししたものとみられます。
RBAは引き続き住宅市況に留意しつつ、インフレ目標を意
識した利下げを継続するものと考えられます。
ご参考資料
2016年6月
図1:為替レートの推移
期間:2014年12月31日~2016年6月28日、日次
オーストラリアの対英輸出比率は1.5%(2015年)と小さ
く、英国民投票の結果がオーストラリア経済に与える直接
的な影響は限定的とみられます。豪ドルの対米ドル相場は、
英国のEU離脱をめぐる金融市場の不透明感や国内外の
金融政策の影響などを受けつつも、堅調な経済環境を背
景に安定的に推移すると考えられます。
対円レート(左軸)
95
対米ドルレート(右軸)
0.85
90
0.80
85
0.75
豪ドル高
80
0.70
75
0.65
豪ドル安
70
14/12
15/3
15/6
15/9
15/12
16/3
0.60
(年/月)
図2:インフレ率の推移
5
(%)
期間:2010年10-12月期~2017年10-12月期、四半期
総合CPI
4
(参考)トリム平均値
3
2
1
網掛けは、豪州準備銀行のインフレ目標レンジ
0
10/12
11/12
12/12
13/12
14/12
15/12
16/12
17/12
(年/月)
2016年1-3月期まで実績値。2016年4-6月期以降は、RBA見通しの中央値。
トリム平均値はCPI全項目を四半期の価格変動順に並べ、中央の70%の値を加重
平均して算出。
ポイント③ 経済は堅調な成長を維持
一方、オーストラリア経済は引き続き堅調な成長を維持し
ています。2016年1-3月期の実質GDP(国内総生産)
成長率は前年同期比+3.1%と市場予想を上回りました。
鉱業関連の設備投資の減速は引き続き懸念材料ではあ
るものの、個人消費が高い伸びを維持するなど、底堅さを
みせました。輸出の内訳をみると、鉄鉱石や石炭などが全
体を下押しした一方で、豪ドル安を背景とした旅行者増な
どによるサービス輸出の大幅増加がプラスに寄与しました。
オーストラリアは鉱業中心からサービス業などより多様化した
産業構造へ移行を進めつつあります。
(米ドル/豪ドル)
0.90
(円/豪ドル)
100
図3:実質GDP成長率
5
(%)
期間:2010年10-12月期~2017年10-12月期、四半期
4
3
2
1
0
10/12
11/12
12/12
13/12
14/12
15/12
16/12
17/12
(年/月)
2016年1-3月期まで実績値。2016年4-6月期以降は、RBA見通しの中央値。
(出所)RBA、Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成
当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向
の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、
当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客
様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
1
【ご参考】各国の為替レート(対米ドル、対円) 期間:2013年12月31日~2016年6月28日、日次
南アフリカ
トルコ
(円/トルコリラ)
60
(トルコリラ/米ドル)
1.5
50
2.0
40
2.5
3.0
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
トルコリラ安
14/6
14/12
15/6
15/12
3.5
(年/月)
メキシコ
(円/メキシコペソ)
9
(メキシコペソ/米ドル)
12
8
14
7
16
(南アフリカランド/米ドル)
10
10
12
9
14
8
トルコリラ高
30
20
13/12
(円/南アフリカランド)
11
16
南アフリカランド高
対円(左軸)
7
6
13/12
14/6
14/12
ブラジル
15/6
(円/ブラジルレアル)
50
6
メキシコペソ安
5
13/12
14/6
対円(左軸)
18
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/12
15/6
15/12
インド
20
(年/月)
(インドルピー/米ドル)
50
ルピー高
1.8
ルピー安
1.6
1.2
13/12
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/6
14/12
(ブラジルレアル/米ドル)
2.0
45
2.5
ブラジルレアル安
35
30
25
13/12
15/6
15/12
対円(左軸)
55
14/6
20
15/6
(円/100インドネシアルピア)
1.1
15/12
4.5
(年/月)
(インドネシアルピア/米ドル)
11,000
ルピア高
1.0
60
0.9
65
0.8
70
(年/月)
人民元安
18
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/12
14/12
12,000
ルピア安
(人民元/米ドル)
6.0
人民元高
14/6
4.0
対米ドル(右軸、逆目盛)
0.7
13/12
13,000
14,000
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/6
14/12
15/6
15/12
15,000
(年/月)
オーストラリア
(円/人民元)
22
14
13/12
3.0
3.5
中国
16
(年/月)
インドネシア
(円/インドルピー)
2.0
1.4
20
15/12
ブラジルレアル高
40
メキシコペソ高
18
対米ドル(右軸、逆目盛)
南アフリカランド安
15/6
15/12
(出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成
6.2
(米ドル/豪ドル)
1.0
豪ドル高
(円/豪ドル)
110
100
0.9
豪ドル安
6.4
90
6.6
80
6.8
(年/月)
70
13/12
0.8
0.7
対円(左軸)
対米ドル(右軸)
14/6
14/12
15/6
15/12
0.6
(年/月)
当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向
の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、
当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客
様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
2
【野村アセットマネジメントからのお知らせ】
■投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし
投資元本が保証されていないため、当該資産の市場における取引価格の変動や
為替の変動等により投資一単位当たりの価格が変動します。
したがって投資家の皆様のご投資された金額を下回り損失が生じることがあります。
なお、投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投
資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リス
クの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては投資信託説明書(交付目
論見書)や契約締結前交付書面をよくご覧下さい。
■投資信託に係る費用について
2016年6月現在
ご購入時手数料
《上限4.32%(税込み)》
投資家が投資信託のご購入のお申込みをする際に負担する費用です。販売
会社が販売に係る費用として受け取ります。手数料率等については、投資信
託の販売会社に確認する必要があります。
投資信託によっては、換金時(および償還時)に「ご換金時手数料」等がかか
る場合もあります。
運用管理費用(信託報酬)
《上限2.1816%(税込み)》
投資家がその投資信託を保有する期間に応じてかかる費用です。委託会社
は運用に対する報酬として、受託会社は信託財産の保管・管理の費用として、
販売会社は収益分配金や償還金の取扱事務費用や運用報告書の発送費用
等として、それぞれ按分して受け取ります。
*一部のファンドについては、運用実績に応じて報酬が別途かかる場合があ
ります。
*ファンド・オブ・ファンズの場合は、一部を除き、ファンドが投資対象とする投
資信託証券の信託報酬等が別途かかります。
信託財産留保額
《上限0.5%》
投資家が投資信託をご換金する際等に負担します。投資家の換金等によって
信託財産内で発生するコストをその投資家自身が負担する趣旨で設けられて
います。
その他の費用
上記の他に、「組入有価証券等の売買の際に発生する売買委託手数料」、
「ファンドに関する租税」、「監査費用」、「外国での資産の保管等に要する諸費
用」等、保有する期間等に応じてご負担いただく費用があります。運用状況等
により変動するため、事前に料率、上限額等を示すことができません。
上記の費用の合計額については、投資家の皆様がファンドを保有される期間等に応じて異なります
ので、表示することができません。
《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、野村ア
セットマネジメントが運用するすべての公募投資信託のうち、投資家の皆様にご負担いただく、それぞれの費用における最高の料
率を記載しております。投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前
によく投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面をご覧下さい。
投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、
ご自身でご判断下さい。
当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を目的とした資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向
の上昇または下落を示唆するものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に示された意見等は、
当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益を示唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客
様ご自身でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
3