Viewpoint - みずほ投信投資顧問株式会社

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チーフ・エコノミスト シェーン・オリバー
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2016 年 6 月 7 日
豪州準備銀行が政策金利を 1.75%に据え置き
豪州準備銀行(RBA)は、6 月 7 日(火)に開かれた定例理事会において、市場予想通り政策金利を引き続き 1.75%に据え
置く決定を行いました。
RBA は 5 月の利下げ効果について「さらなる情報」を確認したいという意向を持っており、先日発表された堅調な GDP 成長
率と、シドニーやメルボルンの住宅価格が上昇していること等を考慮すると、今月の再利下げの可能性は見当たりませんでし
た。
今回の金利据え置きの決定と同時に出された RBA の声明では、ただ単に最近の経済の回復について述べてあるだけで、
金利の方向性については極めて中立的な内容となりました。しかしながら、今後のイベントリスクについては触れており(おそ
らく近く行われる米連邦準備制度理事会(FRB)の理事会、Brexit(英国の EU 離脱問題)、豪州の総選挙を念頭に置いてい
るものと思われる)、また今後もインフレ率は低下傾向が続き、豪ドル高が経済の調整を複雑にすることについて懸念してい
ることを繰り返し言及しています。一方で、最近の住宅価格の上昇についてはそれほど懸念していないことも合わせて触れて
います。声明の最後では、「今回の金融政策会合」において金利の据え置きを決定したことは、5 月の金利を引き下げた事実
を考慮に入れたものであったことを示唆しています。
今回の声明で緩和バイアスについては読み取れませんでしたが、弊社では今年後半には再び利下げを行うという見通しに変
化はありません。世界的なデフレ圧力と、豪州の賃金の伸びが記録的な低水準となっていることから RBA はすでにインフレ・
ターゲットを下回る見通しを出しており、インフレ率の低下リスクがあります。FRB による政策金利引き上げのさらなる先送り
によって豪ドル高が続く恐れがあり、ひいては経済成長と物価上昇期待への悪影響となります。実際 FRB の金利引き上げ
先送りと RBA が緩和バイアスを示さなかったことで、豪ドルは再び上昇基調となっています。
弊社では、RBA が年内に 0.25%の利下げを 2 回行うと予想しており、その第一弾は 4-6 月期の消費者物価指数(CPI)発表
と、次の経済予測の見直しが行われる 8 月に行われると考えています。
当資料は、投資の参考となる情報の提供を⽬的として、AMP キャピタル・インベスターズ・リミテッド(オーストラリアにおける登録番号:
AMP キャピタル・インベスターズ株式会社
ABN 59 001 777 591; AFSL 232 497)から提供された情報をもとに AMP キャピタル・インベスターズ株式会社が作成したものであり、特定の
登録番号: 関東財務局⻑(⾦商)第 85 号
有価証券への投資を勧誘する⽬的で作成したものではございません。当資料は、各種の信頼できると考えられる情報に基づいて作成されており
加⼊協会: ⽇本証券業協会、⼀般社団法⼈⽇本投資顧問業協会
ますが、情報の正確性、完全性が保証されているものではありません。当資料中のいかなる内容も将来の投資成果及び将来の市況環境の変動等
を保証するものではありません。当資料の記述内容、数値、グラフ等は作成時点のものであり、予告なく変更される場合があります。
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債券利回りについて:
豪州 10 年債利回りは、先月の RBA による利下げをきっかけに低下したのに加え、5 月の非農業部門雇用者数の大幅な低
下に反応した米国債利回りの低下につられるかたちで今週 2.16%と最低水準を記録しました。
10 年債利回りは、一般に投資家が期待する今後 10 年間の政策金利の平均を反映したものであり、現在の市場環境は将来
の政策金利に対する期待を表していることから、政策金利が低位(もしくはさらなる引き下げが見込まれる)にある期間が長
ければ長いほど、米国債の 2%割れやドイツ国債や日本国債のさらに低い利回りにつられる形で、豪州債券は最低利回りを
更新するリスクが大きくなります。弊社では、年末までに債券利回りは若干上昇すると見ていますが、なお下振れするリスク
があります。
(出所:Global Financial Data, RBA, Bloomberg, AMP Capital)
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