パラベン類は抗菌作用を有し、 食品、 化粧品、 医薬品等に保存料として

30pmE197
保存料パ ラベ ン類 の ラ ッ ト肝 お よび小腸 ミク ロ ソー ムでのエ ステル交換反応
(1日本薬大 )
○ 藤野 智恵里 1,渡部 容子 1,滴丸 直人 1,北村 繁幸 l
【目的】パ ラベ ン類 は抗菌作用 を有 し、食 品、化粧 品、医薬 品等 に保存料 として
2のパ ラベ ン
広 く使用 されている。本研究では、アル キル側鎖 の炭素数 clか ら C1
類 を取 り上げ、各種 アル コール の存在下での ラッ ト肝お よび小腸 ミクロソー ムに
よるアル キル側鎖のエステル交換反応 について検討 した。
2のパ ラベ ン類 を各種 アル コール (
Cl
C1
2)存在
【
方法】側鎖の炭素数 clか ら C1
下、ラ ッ ト肝お よび小腸 ミクロソーム と 0.
1M phos
pha
t
ebufe
r中で反応 させた.生
-ヒ ドロキシ安息香
成 したアル キル側鎖が交換 したパ ラベ ンお よび加水分解産物 4
酸 を HP
LCで測定す ることで、エステル交換活性お よび加水分解活性 を求 めた
【
結果お よび考察】1
)ラ ッ ト肝お よび小腸 ミクロソームは C1か ら C1
2のパ ラベ ン
類 に対 し、エ タノール あるいはメタノール存在下で、加 水分解活性 の他 にアル コ
ール交換活性 を示 した。 2)エ タノール存在下 にお けるエステル交換活性 はラ ッ ト
肝 においては短鎖 (
C24) のパ ラベ ン類 で高かった。 これ に対 して、小腸 におい
C58) において、高い活性 を示 した。 3)これ らの活性 はカル ボキシル
ては中鎖 (
s
(
4ni
t
r
ophe
nyl
)
phos
pha
t
eで阻害 され た。4)次に、各種 アル コ
エステ ラーゼ阻害剤 bi
ール存在下にお ける肝 ミクロソームの pr
opyl
pa
r
a
be
nに対す るエステル交換活性 を
検討 した。その結果 、250mM のエ タノール存在下において最 も高い交換活性 を示
し、e
t
hyl
pa
r
a
be
nが生成 された。小腸 ミクロソームでは、oc
t
yl
pa
r
a
be
nに対 して 、1
-ブタノール存在下で最 も高い活性 を示 し、he
pt
yl
pa
r
a
be
nが生成 された。
以上の結果 よ り、パ ラベ ン類 はカル ボキシルエステ ラーゼ に よって、加水分解
反応 と同時に、エステル交換反応 が起 こるこ とを見出 し、それ らの活性 は肝 と小
腸では、異 なった基質特異性 を示 した。
。
-