3‐6 りん除去メカニズムからみたA2O法のりん処理対策について 流域下水道本部 北多摩二号水再生センター 1.調査目的 本調査は、浅川水再生センタ−の A2O 系列について、従来の水質分析項目に加えりん蓄積菌のりん 処理能力を高めるりん蓄積菌内の PHA(ポリヒドロキシルアルカノエイト)濃度を測定することにより、りん除去対 策としての生汚泥投入の有効性について明らかにすることを目的とした。 2.調査内容 A2O 系列の運転状況、水質状況、改善対策の実績などの実態把握をおこない、生汚泥を投入した平 成 15 年度と投入しなかった平成 14 年度を比較し、PHA 等の測定結果から生汚泥投入によってりん処 理が改善した要因を明らかにした。 3.調査結果と考察 図1に平成 15 年度の A2O 系列の処理水りん濃度の結果を示した。生汚泥の投入により、豪雨時と異 常流入事故時以外は、すべて高度処理基準値である 1mg/l 以下であった。そのメカニズム解明のため に PHA を測定し(図2に結果を示した)、従来の水質測定項目である嫌気槽でのりん放出濃度や、無酸 素槽での脱窒状況等とあわせて解析し以下の結果が得られた。 (1) 生汚泥投入により、MLSS 濃度の増加や嫌気槽でのりん放出量の増加があった。 (2) りん放出量の増加にともない嫌気槽でのりん蓄積細菌の PHA の蓄積量が増えた。 (3) 菌体内の PHA の蓄積量増加により、好気槽末端で消費されずに菌体内に残留する PHA の量が増 加した。 (4) 残留する PHA 量の増加によって、流入負荷変動時や降雨時にも良好なりん除去ができた。 PHA(mg・C/l) T - P(mg/l) 12 y = 0.6104x + 0.0467 R2 = 0.9755 10 8 6 11月13日 11月26日 12月10日 12月17日 2月4日 4 2 0 0 図1 平成 15 年度処理水りん濃度 2 図2 (キ−ワ−ド)A2O 法、PHA、生汚泥投入 15 4 6 8 10 12 14 PO4-P(mg/l) 嫌気槽りん濃度と PHA 16
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