高度な物質·情報変換機能を目指した分子材料の創製と集積化 - ヒスチジンを含むペプチド銅(II)錯体とDNAとの相互作用 2002年度 中央大学理工学研究所 共同研究第3類 ( 研究代表者: 芳賀正明 教授 ) どのような研究? NH O NH2 + H2N NH O N N H2 2+ Cu NH N N NH O N OO Arg-Gly-His-His ヒスチジンの位置の違い による構造の違い どのような特徴? NH2 NH HN N+ H O- O H2N N Cu2+ H2O N NH NH O pH による NH O + NH2 H2N N HN 構造の変化 Arg-His-Gly-His - O O NH O O H H2N N N Cu2+ N N O N H N O N 2+ N Cu H2N N N H O O NH H O- O NH O N NH2 H2N アミノ酸の1つであるヒスチジンを含んだペプチドと,銅イオン の錯体について研究しています.ヒスチジンは,イミダゾール と呼ばれるものを持っているため,特異な挙動を示します. 例えば,左の図のように,ペプチド中でのヒスチジンの位置 やpHを変えることにより,その構造が大きく変化します. どのような効果? 図のような構造の違いは,DNAとの相互作用にも反映されま す.つまり,錯体の構造を変化させることにより,DNAの特異 的な部位での相互作用を可能にし, DNAの機能の発現を制 御することが出来るようになります. + H2N DNAと金属錯体の相互作用,主に結合構造の解析を行って います. DNAと特異的に相互作用する物質は,抗がん剤や 化学療法剤として働くことが期待されます.この研究は,そ のような作用を示す要因を解明し,効果的な金属錯体を開 発することを目的としています. 中央大学 大学院理工学研究科 応用化学専攻 後期課程 5 年 長根亮一
© Copyright 2025 ExpyDoc