M2 吉田 悠一 [Szemerediの定理] 任意のkとd>0に対して、ある N0が存在して、任意のn>N0に対して、任意のA[n], |A|dnは長さkの等差数列を持つ。 Szemerediの定理のk=3の場合に対するRothの証明を 紹介する。 ここでは[n]の代わりにFpn上で証明する。 [定理6.2.1] 任意のd>0に対して、あるN0が存在し、 任意のn>N0に対して、任意のAFpn , |A|d|Fpn|に して、あるa,bFpnが存在し、a,a+b,a+2bAを満たす。 以下のどちらかが成り立つことを示す。 ◦ Aが等差数列を多数持つ(ランダムに選んだa,b Fpnに対して、 a,a+b,a+2b Aである確率が正) ◦ AがFpn の(n-1)次元のアフィン部分空間において密度d+d2/4 関数f, g: Fpn Cの内積 f , g xEF [ f ( x) g ( x)] フーリエ変換用の正規直交基底を|Fpn|=pn個作る。 t Fpnに対してct:Fpn Cをct(x)=wt xと定める。但し w=e2pi/p。 n p tx t , t E [ tx ] E [1] 1 xFpn xFpn tx s , t E [ ] E [ ( s t )x ] E [ ( s t ) x ] 0 ( s t ) s x xFpn i xFpn i i i xi Fp フーリエ変換: f ( x) fˆ (t ) t ( x) where fˆ (t ) f , t tFpn ct(x)=wt 集合A Fpn , |A| d|Fpn|とすると以下のどちらかが成 立することを示す。 ◦ Aに少なくともd3|Fpn|2/2-|A|個の等差数列が存在する。 ◦ Fpnの(n-1)次元の部分空間Hが存在してAのH上での密度が d+d2/4以上。 A(x)=(x Aの時1、そうでないとき0)と置く。 A( x) Aˆ (t ) ( x) where Aˆ (t ) E[ A( x) ( x)] t x tFpn t Â(0 ) 2 2 ˆ A(t ) A, A E[ A( x) ] t x 最後の等式はA(x)=0 or 1による x ct(x)=wt x E=Ex,y[A(x)A(x+y)A(x+2y)]と置く。 EはA中の等差数列の割合とみなせる。 E Ex, y Aˆ (a) ( x) Aˆ (b) ( x y) Aˆ (c) ( x 2 y) a a b b c c a ,b ,c Aˆ (a ) Aˆ (b) Aˆ (c)E x , y a ( x) b ( x y ) c ( x 2 y ) a ,b ,c Aˆ (a ) Aˆ (b) Aˆ (c)E x a ( x) b ( x) c ( x)E y b ( y ) c ( y ) c ( y ) a ,b ,c Aˆ (a ) Aˆ (b) Aˆ (c)E x a b c ( x)E y b 2 c ( y ) a+b+c=0かつb+2c=0の時だけ非0になる。 ◦ c=a, b=-2a E a Aˆ (a ) 2 Aˆ (2a ) 3 a 0 Aˆ (a ) 2 Aˆ (2a) M a 0 3 Aˆ (a ) 2 3 M where M max a 0 Aˆ (a ) もしM d3/2ならばE d3/2となり、A中の(非自明な)等 差数列の数はd3/2|Fpn |-|A| ◦ nが十分大きければ正 M>d3/2とすると、あるa c Fpが存在し、E{x|a す。 ˆ (a) 3 / 2 A 0が存在して 2/4であることを示 [A(x)]>d+d x=c} Aˆ (t ) E[ A( x) t ( x)] x |Ex[A(x)w-ax]|>d2/2であり、a0からaxは{0,1,…,p1}上の一様分布になるので、 1 1 1 2 0 1 p 1 E A( x) E A( x) E A( x) p { x|a x 0} p { x|a x 1} p { x|a x p 1} 2 B(x)=A(x)-dと置く。 ◦ a0から Bˆ (a) Aˆ (a) ◦ Ex[B(x)]=0 三角不等式より 1 p E { x|a x 0} B( x) 1 p E { x|a x 1} B( x) 1 p E { x|a x p 1} B( x) 2 2 E{x|a x=i}[B(x)]=aiと置くと、(| a0|+|a1|+…+|ap-1|)/p>d2/2 Ex[B(x)]=0から、 a0+a1+…+ap-1=0。 ⇒(a0+| a0|+a1+|a1|+… +ap-1+|ap-1|)/p>d2/2 よってあるiが存在して、ai+ |ai|>d2/2。すなわち Fpnを[n]に置き換えて議論する。 A [n], |A| dnは以下のどちらかを満たす。 ◦ Aが少なくともd3n2-|A|個の長さ3の等差数列を持つ。 ◦ ある等差数列P, |P|>d2sqrt(n)/256が存在して、AはPにおいて て密度d+d2/4以上。 それ以外の証明はほぼ同じなので省略。 任意のe に対して、[n]の大きさW(n1-e)の部分集合 で等差数列を持たないものが存在することを示す。 [定理6.4.1] あるcが存在して、任意のnに対して、等 差数列を含まないA[n], |A|n/2c sqrt(n)が存在する。 (証明) 点集合{xRd |x12+x22+…+xd2=m, 0xik}を考える。 あるmdk2が存在して、解の数はkd/dk2以上。 この時の点集合をSとする。|S|kd/dk2である。 Rdの点を整数に変換する。 f(x1, x2,…,xd)=x1+(2k+1) x2+…+(2k+1)d-1xk f(x)+f(y)=2f(z), x,y,z Sならばx+y=2zであるが、これは Sの作り方からあり得ない。 よってA={f(x)|x S}は長さ3の等差数列を持たない。 |A| kd/dk2で整数の大きさは(2k+1)d以下。 nに対してd=sqrt(log(n)), (2k+1)=2sqrt(log n)と選ぶと、 |A| n/2Q(sqrt(log n))。 1940年代に証明されて以降、この記録は現在まで破 られていない。
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