29TN-pm03 植物ポリケタイド合成酵素の潜在的触媒能力を利用した非天然型新規アルカロイ ド骨格の創出(第 3 報) 2 1 2 ◯森 貴裕 1 , 森田 洋行 2 , 野口 博司 1 , 阿部 郁朗( 静岡県大薬, 東大院薬) 【目的】植物ポリケタイド合成酵素(PKS)は、アシル基転移の繰り返しによる炭 素鎖伸長と閉環反応を触媒する酵素であり、その異例とも言える寛容な基質特異 性と潜在的触媒能力は特筆に値する。本来 C, H, O 原子からなる単純な「カルボニ ルの化学」を触媒する植物 PKS に、さらに N 原子を導入した人工基質を作用させ れば、N原子の塩基性を利用した新たな C-C, C-N 結合の形成も可能になる。本研 究では一連の光学活性アミノ酸の CoA チオエステルを化学合成し、各種植物 PKS と反応させることにより、非天然型新規アルカロイド骨格の創出をめざす。基質 の不斉点、立体化学の違いが酵素反応にどのような影響を及ぼすか、精査する。 【方法・結果】(S)-α-phenylalanoyl-CoA を化学合成し、トウゲシバ(Huperzia serrata) 由来カルコン合成酵素(PKS1)に開始基質として作用させた場合、伸長基質マロ ニル CoA を縮合の後、非天然型新規化合物を高収率で生成することを見出した。 現在、各種 NMR スペクトルを測定して酵素反応生成物の構造決定を急いでいる。 OH + CoAS 3x OH CoAS O coumaroyl-CoA O HO EnzS O HO OH HO O O malonyl-CoA O O O OH naringenin chalcone O * H2N H O SCoA OH CoAS + nx O O O O * H2N H (S)-α-phenylalanoyl-CoA 【文献】Abe, Topics in Current Chemistry, in press (2009). SEnz n-1 ?
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