修 士 論 文 の 和 文 要 旨 増子 啓介 学籍番号 0433039

修 士 論 文 の 和 文 要 旨
大学院電気通信学研究科
氏
論
博士前期課程
増子
名
文
題
目
量子・物質工学専攻
啓介
学籍番号
0433039
新規なピラジン系蛍光色素の合成及び物性、
電気化学発光特性の評価
【序】ウミ ホタルやオ ワンクラゲ の生物発光 は、蛍光性 のオキシル シフェリン(アミ
ドピラジン 誘導体)の励起分子を生 成して発光 する。また ピラジンア ミン誘導体 は、
生物発光基 質の合成前 駆体である とともに蛍 光性化合物 であり、電 気化学的に も活性
であると予 想される。このピラジ ンアミンや アミドピラ ジン骨格を 二つ連結し たビピ
ラジンジア ミン系化合 物は、モノマー同様の 蛍光性のみ ならず、金属錯体形成 などの
超分子構築 やビピラジ ン環部の電 子受容性部 位を利用し た新しいド ナー-アクセプタ
ー連結分子 系の構築に 期待が持た れる。以上の背景をふ まえ、本研究では光機 能性π
共役分子の 創製の観点 から新規な ピラジンア ミン誘導体 やビピラジ ンアミン誘 導体
を合成し、それらの分 光学的性質(電子吸収や 蛍光性等)および電気化 学特性等の 基本
物性を確立 すると共に 、電気化学 発光系の構 築について 研究を行っ た。
O
Bipyrazine-3,3'-diamine system
N
N
H2N
NH2
N
N
N
N
N
N
R2
N
N
N
HN
1
N
2
O
Bipyrazine-5,5'-diamine system
R1
NH
N
N
3 : R1 = R2 = NH2
4 : R1 = R2 = NHAc
H
N
NH
N
O
O
N
N
N
N
N
N
N
6
5
O
O
H
N
O
N
N
N
7
H2N
O
N
N
N
N
N NH
NH
N
N
N
N
8
N NH
N
N
9
10
【結果と考 察】ビピラ ジン-3,3’-ジアミン誘導 体の中で、1 と 2 ではアミノ基のHとピ
ラジン環のNの水素結合 の有無によ って分光学 的性質がス イッチする 光機能性を 確立
した。ビピ ラジン-5,5’-ジアミン誘 導体につい ては、 6 の ようにアミ ノ基のアリ ール
化を施し、電子受容性 のピラジン 環に電子供 与性部位を 連結した分 子内電荷移 動型色
素や、アシ ル化によっ てアミノ基 の電子供与 性を低下さ せた誘導体 5 等を合成した。
有機溶媒へ の溶解度の 低い 3 とは 異なり、 5 ∼ 8 は良好 な溶解度を 示し、いず れも
溶液中での 蛍光性色素 として機能 することが 確認された 。対称な 5 ,6 では溶媒変化
による波長 シフトが小 さいのに対 し、モノアシ ル化誘導体 7 , 8 は分子内ドナー-アク
セプター連 結分子の性 質を持ち、励起状態に おいて分子 内電荷移動 性に基づく スペク
トル変化を 示すことが わかった。電気化学測 定では、ビピラジン誘 導体の代表 として
6 が、酸化 と還元の両 方に活性で あることを 確認できた が、電気化 学発光は見 られな
かった。モ ノアミドピ ラジン誘導 体にもどり 、電子供与 性置換基を 導入した 9 と 1 0
で電気化学 発光実験を 行った。両 者は、比較 的酸化電位 が低いもの の、還元電 位は測
定範囲外(>-2V)であった。しかし 、電気化学 発光測定で は発光を確 認すること がで
き、電気化 学発光系構 築の出発点 となった。