アミノ酸とは 1)水に(溶けやすい)有機化合物である。 2)分子内に解離性原子団として、(アミノ基(-NH2))と(カルボ キシル基(-COOH))を持つ両性電解質である。このため、溶 液のpHによって2つの原子団の電離の程度が変化する。電荷 が±0になるような溶液のpHを(等電点(pI))という。 3)たんぱく質中に存在するアミノ酸のほとんどが(L-α-アミ ノ酸)である。 4)生体内で合成されない、または合成されても極少量のアミノ 酸を(必須アミノ酸)という。 5)最も重要なアミノ酸の生化学反応は(ペプチド結合)の形成 である。 アミノ酸の立体構造(教科書p38 図4-1) COOH COOH 鏡像異性体 C C H2N H R L-アミノ酸 H H2N R D-アミノ酸 アミノ酸の命名 COOH カルボキシル基の炭素と結合している 炭素(C)のことを(α-炭素)という。 C アミノ基がどの炭素に結合しているか により、αーアミノ酸、βーアミノ酸・・・ と命名が変わる。 H2N H R Lーαーアミノ酸 α β γ δ アミノ酸の等電点(教科書p41 図4-3) 中性の水溶液中では、アミノ基、カルボキシル基はいずれもイオン 化している。水溶液中のpHが変わるとアミノ酸の電荷の状態が変 わり、等電点より酸性側の溶液中では(プラス)の電荷の分子に、 アルカリ性側の溶液中では(マイナス)の電荷の分子となる。 COO- COOH H+ H3N+ 酸性 COOOH- H3N+ 中性 H2N アルカリ性 + H2O たんぱく質 1)水に次いで多い生体構成成分である。 2)構成元素として炭素、水素、酸素の他に約(16)%の(窒素(N)) と約(1)%の(硫黄(S))を含む。 3)すべての生物は(20種類)のアミノ酸を基本単位にしてたんぱく 質分子を組み立てており、そのアミノ酸はすべて(Lーαーアミノ酸) である。 4)たんぱく質の構造は、1次~4次の4つの段階で構成されている。 5)たんぱく質の生理活性(機能)は、(生命の維持に必要な物質輸 送)、(筋収縮)、(情報伝達)、(ホルモン作用)、(触媒(酵素)作用)、 (免疫反応)、(膠質浸透圧)など、多種多様である。 たんぱく質の分類 1)単純たんぱく質 ・αーアミノ酸またはその誘導体のみからなるたんぱく質 アルブミン、グロブリン、ヒストンなど 2)複合たんぱく質 ・単純たんぱく質に非たんぱく質性成分が結合したたんぱく質 リンたんぱく質、糖たんぱく質、金属たんぱく質など 3)誘導たんぱく質 ・単純たんぱく質または複合たんぱく質を人工的に変性したも のと、これを一部加水分解してできたたんぱく質 1次構造 H H H N C OH H N O C OH C O N H N H C O ペプチド結合 C OH O O H H N H N C O 2次構造(教科書p45 図5-3) ・たんぱく質分子はアミノ酸がペプチド結合を介して直線状に延 びているのではなく、部分的に(らせん構造:αーヘリックス構造)、 (βーシート構造)、そのいずれでもない構造(ランダムコイル)とよ ばれる3種類の構造をとる。 ・2次構造以上の高次構造は同一分子内または異分子間のアミ ノ酸の相互作用による(静電結合)、(疎水結合)、(水素結合)、 (S-S結合)などによって維持されている。 2次構造(2) βーシート構造 αーヘリックス構造 3次構造 2次構造と同様に、疎水結合、静電結合、 SーS結合、水素結合で安定化される。 ランダムコイル βーシート構造 αーヘリックス構造 ターン構造
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