Document

2012/12/7 (金)
電気回路学I演習
二端子対網の伝送的性質
例題
端子1
端子2
 A B

K 
 C A


Zin  Z L 
ZL
端子2に負荷 ZL を接続したところ、端子1から回路側を見たインピーダンス
(入力インピーダンス)も ZL になった。 このとき, ZL を A,B,C を用いてあらわせ。
IL
I3
問1
I0
R1
 A B

K 
C D


上図の回路で、R1とR2に流れる電流の比 I3:IL を求めよ.
R2
I2
問2
 z11
Z 
z
 21
ZG
z12 

z22 
V2
 V 
Z out   2 
 I2 
この回路の出力インピーダンス Zout を求めよ.
問3
Z0
R
E0
-
y12 

y22 
+
I0
 y11
Y 
y
 21
二端子対網の端子1側と端子2側に、それぞれ理想的な電流源 I0 と抵抗Rが接続されていると
する. この回路全体を等価電圧源で書き表せ. (右図のE0とZ0を求めよ.)
E0 = ?
Z0 = ?
電気回路学I演習
例題
2012/12/7(金)用の例題
二端子対網の伝送的性質
例題の解答
I1
-I2
V1
Zin  Z L
 A B

K 
 C A


ZL
V2
上の回路に負荷 ZL を接続したところ、入力インピーダンスも ZL になった。
このとき, ZL を A,B,C を用いてあらわせ。
解答例
K行列の定義より,
V1  AV2 - BI2
①
I1  CV2 - AI2
②
V2
B
V1
- I2
 Z in 
V
I1
C 2  A
- I2
③に代入して,
③
一方, ZL における電流と電圧の関係から、
ZL 
V2
- I2
④
AZL  B
CZ L  A
これがZLに等しいことから,
A
①/②より,
Zin 
ZL 
AZL  B
CZ L  A
ZL  
B
C
根号の部分が複素数になることもあるのでマイナスもok.
2012/12/7(金) 分 解答
電気回路学I演習
4
二端子対網の伝送的性質
問1の解答
I3
I0
問2の解答
IL
I1
R1
V1
A B


C D


V2
I2
I1
R2
ZG
V1
 z11

z
 21
z12 

z22 
V2
Zout
【1】 Z行列の定義式
【1】
K行列の定義式
V1  AV2  BIL
①
I1  CV2  DI L
【2】 端子1側の条件
V1はR1にかかる電圧と同じ。すなわち、
V1  R1I 3
②
【3】 端子2側の条件
R2にかかる電圧がV2. すなわち、
V2  R2 I L
③
②と③を①に代入して整理すると、
I3 : I L  AR2  B : R1
V1  z11I1  z12 I 2
①
V2  z21I1  z22 I 2
②
【2】 端子1側の条件
ZGによる電圧降下がV1. すなわち、
V1  -ZG I1
③
【3】 端子2側の条件
V2とI2の比が求める出力インピーダンス. すなわ
V2
 Z out
I2
①②③からV1とI1を消去して V2/I2を求めると,
Z out  z22 -
z12 z21
z11  Z G
5
問3の解答
I0
I0
V1
I2
 y11

y
 21
y12 

y22 
V2
R
このようにV3をおく.
V3
<方針>
E0は出力端子に何も接続しないときのV3である.
g I2=0 としたときのV3.を求めればよい. これはV2と同じになる. (Rによる電圧降下がないので)
一方, Z0は, 電源を殺して回路を右から見たインピーダンスである.
g I0=0 として、V3/I2 を求めればよい.
V1を消去して,
【1】 Y行列の定義式
I 0  y11V1  y12V2
①
I 2  y21V1  y22V2
②
y21
I0
y12 y21 - y11 y22
<Z0を求めるとき> I0=0 とすると①②は,
【2】 端子1側の条件
(特になし)
【3】 端子2側の条件
<E0を求めるとき>
E0  V2 I 0
E0 
このとき①②は、
2
①g I 0  y11V1  y12 E0
②g 0  y21V1  y22 E0
①g 0  y11V1  y12V2
③
②g I 2  y21V1  y22V2
④
また, V3 - RI2  V2
③④⑤からV1とV2を消去して,
y11
Z0  R y12 y21 - y11 y22
⑤