電気回路学講義資料

今後の講義スケジュール
日程
内容
オーム社
朝倉書店
10/30 二端子対網、 Y行列、 9.1 二端子対網
6.1 二端子対網
Z行列
6.3 アドミタンス行列
9.2 アドミタンス行列
9.3 インピーダンス行列 6.2 インピーダンス行列
11/6 縦続行列、
諸行列間の関係
9.4 縦続行列
9.7 諸行列間の関係
6.4 縦続行列
6.6 諸行列間の関係
11/13 Y-D変換
9.8 Y-D変換
6.7 D-Y変換
二端子対網の伝送的 10.1 二端子対網におけ 6.8 伝送的性質
性質
る入力、出力、及び
伝達インピーダンス
10.2 伝送量
11/20 円線図
10.7 円線図
3.5c フェーザ軌跡
二端子対網
1
I1
I2 2
入力端
出力端
VV11=0
V1
V2V=0
2
Black Box
1’ I1
I2 2’
内部には電源を含まないものとする
まず、端子2-2’を短絡し、端子1-1’のみに電圧 V1 をかける
I1 = y11 V1
I2 = y21 V1
V2 = 0
y11: 短絡駆動点アドミタンス
y21: 短絡伝達アドミタンス
次に、端子1-1’を短絡し、端子2-2’のみに電圧 V2 をかける
I1 = y12 V2
I2 = y22 V2
V1 = 0
y22: 短絡駆動点アドミタンス
y12: 短絡伝達アドミタンス
アドミタンス行列
1
I1
I2 2
端子2-2’を短絡してV1 のみ印加した場合
I1 = y11 V1
V1
V2 = 0
V2 端子1-1’を短絡してV のみ印加した場合
2
Black Box
I1 = y12 V2
1’ I1
I2 = y21 V1
I2 2’
I2 = y22 V2
V1 = 0
重ね合わせの原理より、
I1 = y11 V1 + y12 V2
y11, y22, y12 , y21はアドミタンスパラメータ
(または、Yパラメータ)
相反回路ならば、y12 = y21
もし、y11 = y22なら、二端子対網は左右対称
つまり、入力と出力を逆にしても回路は
同じように働く
I2 = y21 V1 + y22 V2
 I1   y11
I    y
 2   21
y12  V1 
y22  V2 
I = YV
相反回路なら
Y = tY
アドミタンス行列 (Y行列)
転置行列
インピーダンス行列
1
1 I1I=0
I2I=0
2 2
端子2-2’を開放して I1 のみ流した場合
V1 = z11 I1
I1
V1
Black Box
V 2 I2 V 2
I2 2’
z11, z22, z12 , z21はインピーダンスパラメータ
(または、Zパラメータ)
I2 = 0
端子1-1’を開放して I2 のみ流した場合
V1 = z12 I2
1’ I1
V2 = z21 I1
V2 = z22 I2
I1 = 0
重ね合わせの原理より、
V1 = z11 I1 + z12 I2
V2 = z21 I1 + z22 I2
z11, z22: 開放駆動点インピーダンス
z12, z21: 開放伝達インピーダンス
相反回路ならば、z12 = z21
もし、z11 = z22なら、二端子対網は左右対称
V1   z11
V    z
 2   21
z12   I1 
z22   I 2 
V = ZI
相反回路なら
Z = tZ
インピーダンス行列 (Z行列)
転置行列
Y行列とZ行列との関係
 I1   y11
I    y
 2   21
I
y12  V1 
y22  V2 
Y
V
V1   z11
V    z
 2   21
V
I = YV
z12   I1 
z22   I 2 
Z
V = ZI
I
 z11
z
 21
z12  1  y22

z22  D  y21
D  y11 y22  y12 y21
Z = Y-1
Y行列の求め方
まず、出力端短絡(V2 = 0)で、V1 を印加した場合の I1 と I2 を求める
y11 = I1 / V1
y21 = I2 / V1
次に、入力端短絡(V1 = 0)で、V2 を印加した場合の I1 と I2 を求める
y12 = I1 / V2
y22 = I2 / V2
相反回路なら、y12 = y21となるはず
対称回路なら、y11 = y22となるはず
Z行列の求め方
まず、出力端開放(I2 = 0)で、I1 を流した場合の V1 と V2 を求める
z11 = V1 / I1
z21 = V2 / I1
次に、入力端開放(I1 = 0)で、I2 を流した場合の V1 と V2 を求める
z12 = V1 / I2
z22 = V2 / I2
相反回路なら、z12 = z21となるはず
対称回路なら、z11 = z22となるはず
 y12 
y11 
演習問題
問1. 右の二端子対回路のY行列を求めよ。また、Z行列はどうか?
Z1
問2. 右の二端子対回路のZ行列を求めよ。また、Y行列はどうか?
Z1
問3. 右の二端子対回路のZ行列、Y行列を求めよ。
Z1
Z2
問4. 右の二端子対回路のZ行列、Y行列を求めよ。
Z2
Z1
π型回路のY行列
次のπ型回路のY行列を求めよ。(例題9.2)
V3
まず、出力端短絡(V2 = 0)で、V1 を印加した場合、
I1
I2
I
Y2
 y11  1  Y1  Y2
I1  Y1  Y2 V1
V1
V1 =V01 Y1
Y 3 V2 = 0
Y
I
I 2   2 I1  Y2V1  y21  2  Y2
Y1  Y2
V1
従って、Y行列は、
 Y2 
Y  Y
Y 1 2


Y
Y

Y
2
2
3


y12 = y21 だから、相反回路
次に、入力端短絡(V1 = 0)で、V2 を印加した場合、
I1  
Y2
I 2  Y2V2
Y2  Y3
I 2  Y2  Y3 V2
I1
 Y2
V2
I
 y22  2  Y2  Y3
V2
 y12 
別の求め方として、Y2 の両端の電圧を図のようにV3 と置くと、
V1  V2  V3 (1)
I1  Y1V1  Y2V3 (2)
式(1)を式(2), (3)に代入して整理すると、
I1  Y1V1  Y2 V1  V2   Y1  Y2 V1  Y2V2 (4)
I 2  Y3V2  Y2 V1  V2   Y2V1  Y2  Y3 V2 (5)
I 2  Y3V2  Y2V3 (3)
従って、Y行列は、
 Y2 
Y  Y
Y 1 2


Y
Y

Y
2
2
3


T型回路のZ行列
次のT型回路のZ行列を求めよ。(例題9.6)
I1 = 0
Z1
V1
Z3
Z2
I3
I2 = 0
V2
従って、Z行列は、
Z  Z 2
Z 1
 Z2
Z2 
Z 2  Z 3 
z12 = z21 だから、相反回路
まず、出力端開放(I2 = 0)で、電流 I1 を流した場合、
V
 z11  1  Z1  Z 2
V1  Z1  Z 2 I1
I1
Z2
V
V2 
V1  Z 2 I1
 z21  2  Z 2
Z1  Z 2
I1
次に、入力端開放(I1 = 0)で、電流 I2 を流した場合、
V1 
Z2
V2  Z 2 I 2
Z 2  Z3
V1
 Z2
I2
V
 z22  2  Z 2  Z 3
I2
 z12 
V2  Z 2  Z3 I 2
別の求め方として、Z2 に流れる電流を図のようにI3 と置くと、
I 3  I1  I 2 (1)
V1  Z1I1  Z 2 I 3 (2)
式(1)を式(2), (3)に代入して整理すると、
V1  Z1I1  Z 2 I1  I 2   Z1  Z 2 I1  Z 2 I 2 (4)
V2  Z3 I 2  Z2 I1  I 2   Z 2 I1  Z 2  Z3 I 2 (5)
V2  Z3 I 2  Z 2 I 3 (3)
従って、Z行列は、
Z  Z 2
Z 1
 Z2
Z2 
Z 2  Z 3 
演習問題
1. 右の回路のY行列を求めよ。(例題9.1(b))
またZ行列は求まるか?
1 / nZ  
 1Z
Y 

2
1 / nZ  1 n Z 
1: n
Z
 
I2 = 0の時に I1 ≠ 0とすることができない
Z行列は定義できない(存在しない)
2. 右の回路のZ行列を求めよ
またY行列は求まるか?
 Z nZ 
Z 
2 
nZ n Z 
1: n
Z
V2 = 0の時に V1 ≠ 0とすることができない
Y行列は定義できない(存在しない)
Z行列、Y行列は、どんな回路でも存在する訳ではない
二端子対網の並列接続
I’1
V’1
I1
V1
I1
y’21 y’22
I’1
I’2
I”1
I”2
V”1
並列接続
y’11 y’12
I’2
y”11 y”12
y”21 y”22
I”1
I”2
I’1
I’2
V’1
y’11 y’12
y’21 y’22
V’2
I’1
I’2
I”1
I”2
V”1
I”1
y”11 y”12
y”21 y”22
V”2
I”2
V’2
 I'1   y'11
 I'    y'
 2   21
y'12  V'1 
y'22  V' 2 
V”2
 I"1   y" 11
 I"    y"
 2   21
y" 12  V"1 
y" 22  V" 2 
I1 = I’1 + I”1
I2 = I’2 + I”2
V1 = V’1 = V”1 V2 = V’2 = V”2
I2
I2
 I1   I'1  I"1 
 I    I'  I" 
2
 2  2
V2
 y'  y"11
  11
 y'21  y"21
y'12  y"12  V1 
y'22  y"22  V2 
二端子対網を並列接続した回路のY行列は、
各二端子対網のY行列を足したものになる
二端子対網の直列接続
I’1
V’1
I1
V1
I1
z’21 z’22
I’1
I’2
I”1
I”2
V”1
直列接続
z’11 z’12
I’2
z”11 z”12
z”21 z”22
I”1
I”2
I’1
I’2
V’1
z’11 z’12
z’21 z’22
V’2
I’1
I’2
I”1
I”2
V”1
I”1
z”11 z”12
z”21 z”22
V”2
I”2
V’2
V'1   z'11
V'    z'
 2   21
z'12   I'1 
z' 22   I'2 
V”2
V"1   z"11
V"    z"
 2   21
z"12   I"1 
z" 22   I"2 
V1 = V’1 + V”1 V2 = V’2 + V”2
I1 = I’1 = I”1
I2
V2
I2 = I’2 = I”2
V1   V'1  V"1 
V   V'  V" 
2
 2  2
 z'  z"11
  11
 z' 21  z" 21
z'12  z" 12   I1 
z' 22  z" 22   I 2 
I2
二端子対網を直列接続した回路のZ行列は、
各二端子対網のZ行列を足したものになる
並列接続と直列接続
例題9.4
以下の回路のY行列を求めよ
y1
y’11 y’12
Y’
y’21 y’22
例題9.5
以下の回路のZ行列を求めよ
z1
y2
z’11 z’12
Z’
z’21 z’22
並列接続と考える
直列接続と考える
z1
Y’
y1
 y'
Y'   11
 y' 21
y'12 
y' 22 
y2 Y”
y
Y"   1
0
z2 Z”
Z’
0
y 2 
よって、
 y'
Y  Y'  Y"   11
 y'21
z2
 z'
Z'   11
 z' 21
z'12 
z' 22 
z
Z"   1
0
0
z 2 
z'12   z1

z' 22   0
0
z2 
よって、
y'12   y1


y'22   0
0
y2 
 z'
Z  Z'  Z"   11
 z' 21
並列接続と直列接続
π型回路のY行列を並列接続により求めよ
Y2
Y1
T型回路のZ行列を直列接続により求めよ
Z1
Z3
Z2
Y3
以下の2つの回路の
並列接続と考える
Y2
Y1
 Y2
Y'  
 Y2
Y3
以下の2つの回路の
直列接続と考える
 Y2 
Y2 
Y1 0 
Y"  

 0 Y3 
 Y2  Y1 0 
Y
よって、Y  Y'  Y"   2
  0 Y 

Y
Y
3
2 
 2

 Y2 
Y  Y
 1 2

  Y2 Y2  Y3 
Z1
Z3
Z2
Z
Z'   1
0
0
Z 3 
Z 2
Z"  
Z 2
Z2 
Z 2 
0  Z 2
Z
よって、 Z  Z'  Z"   1
  Z
0
Z
3
 2

Z2 
Z  Z 2
 1

Z
Z

Z
2
2
3


Z2 
Z 2 
演習問題
演習問題(9.2)
I2 I’2
I’1 n : 1 I1
二端子対回路網NのZ行列(Y行列)が既知であるとき、
全体の二端子対回路網のZ行列(Y行列)を求めよ
V’1
yz11
11 yz12
12
N
V1
yz21
21 yz22
22
V2 V’2
まず、既知の回路網Nの両端の端子電圧と電流、Zパラメータを以下のように与える。
V1 = z11 I1 + z12 I2
V2 = z21 I1 + z22 I2
次に、回路全体としての端子電圧と電流と、既知回路網Nの端子電圧と電流とを関係
付ける。
V1 = V’1 / n
I1 = n I’1
V2 = V’2
I2 = I’2
従って、上の式から、 V’1 = n2z11 I’1 + n z12 I’2
V’2 = n z21 I’1 + z22 I’2
V'1  n 2 z11 nz12   I'1 
 
V'   
 2   nz21 z22   I'2 
Y行列の場合も同様に考えて、
I1 = y11 V1 + y12 V2
I2 = y21 V1 + y22 V2
I1 = n I’1 V1 = V’1 / n
I’1 = y11 / n2 V’1 + y12 / n V’2
I’2 = y21 / n V’1 + y22 V’2
I2 = I’2 V2 = V’2 より
 I'1   y11 / n 2
 I'   
 2   y21 / n
y12 / n V'1 
 
y22  V' 2 