4. 企業内の賃金制度 Ⅰ.職能資格等級と賃金 *賃金制度・・・1990年代半ば以降に 大企業を中心に導入された 仕事や役割を基準としたもの。 しばしば企業の歴史が反映されるため 同じ言葉でも別のものを表現している場合がある。 中堅、中小企業の賃金制度として最も普及しているのは 依然として職能に基づいた制度である。 ①本人給・・・年齢給や勤続給から成る 賃金の構成要素 ②職能給・・・職能資格等級によって決まる [賃金を構成する要素を見る際に大切な事] ①人事考課の結果によって金額が変わる部分はどこか ②人事考課が反映される部分は賃金全体の中の何割か *人事考課とは 従業員の所属している業務に対する貢献度,職務遂行度を 一定の方式に従って評価すること。 【評価方法】 ①あらかじめ設定された基準との比較 ②従業員相互間の順位などによる比較 ③人物評,人物明細書,自己申告 Ⅱ 賃金の構成要素 *労働費用・・・労働者を雇用する際に企業が必要とする費用 給与・福利費・退職金など現金で支払われる部 分が8割。現金以外で企業が負担する費用が 2割で構成されている。 *現金給与 ①月例給与 所定内給与 基本給・手当 (勤務・生活関連・通勤) ②特別手当(ボーナス) ※生活関連手当に含まれる家族手当は欧米ではほとんど見られな い。 私生活の状況で賃金額が変わるのは合理的だろうか。 Ⅲ成果を基準とした賃金とその問題点 1990年代半ば以降、仕事の業績や成果を色濃く反映して 賃金額を決める方式が取り入れられてきた。 *目標管理制度・・・業績・成果に応じて賃金を払う際に その達成すべき業績や成果を決める方法。 合理的に見えたが現場で運用すると 問題が発生 ①期首に立てた目標が環境の変化によって意味をなさなくなった 時、期末に目標の達成度を問うても仕方がない。 ②技術進歩が速い職場では、上司が部下の仕事内容を完全に 把握できない為、目標の難易度に対する納得がいかない。 ③多くの従業員が達成しやすい目標を掲げてしまうので、会社全 体の活力が落ちてしまう。
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