破局噴火

破局噴火
ー秒読みに入った人類壊滅の日 著者 高橋正樹
30416005
総合科学専攻 市川恵理
目次
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
過去、日本列島を壊滅させた破局噴火があった
次の超巨大噴火は、日本列島のどこで起こるか
超巨大噴火は予知できるか
噴火が予測される地球上の超巨大火山
超巨大噴火災害はあらゆる自然災害をはるかに上回る
人智をはるかに超えた「超巨大噴火」
第一章 過去、日本列島を壊滅させた破局噴火があった
現在の首都圏を襲った大規模噴火
地下のマグマが一気に地上に噴出する
壊滅的な噴火形式
六万年前、箱根火山で大噴火がおこった。この噴火では五立方キロを超える大量の
珪長質マグマが噴出し「プリニー式噴火」によって、大量の火山灰や軽石が放出されている。
噴火直後には、まず間違いなく神奈川県から東京都に至る広い地域が軽石に覆われ、
灰白色の世界が一面に広がっていたと考えられる
当時生きていた動物や繁殖していた植物はそのほとんどが死滅してしまったに違いない。
もしこの噴火が現在起こったらどうなるのだろうか?
最初の噴火後まもなく、神奈川県東部、そして横浜や東京が噴煙に覆われ軽石が降下し始める。
噴火開始から約10時間あまりが経過しても噴火はほとんど衰えを見せないまま神奈川県全域と東京都を
軽石と火山灰で覆い尽くす。
上空にひろがった巨大な噴煙の傘におおわれ、昼間でも暗闇につつまれる。
一戸建ての木造住宅は、火山灰の重さに耐えきれず、次々に倒壊し、屋内に避難している人々をおしつぶす。
また、巨大火砕流が発生し、それは相模川を越え多摩川を超えて、世田谷区や大田区に到達する。
火砕流はさらに前進を続け火砕流から吹き出す高温の火砕サージは東京23区を破壊し焼き尽くしてしまう。
噴火開始からわずか三日以内に富士川以東の静岡県東部、神奈川県全域、首都東京が壊滅し、
その姿を消してしまう。
犠牲者の数は数十万人を超えると予測される。
首都東京がその機能を失えば世界の株価は一気に暴落し、東京発の世界大恐慌が始まる。
マグマが砕けてできた高温の岩石の破片や
粉と高温のガスとがまじりあったもの。
火山ガスの比率が高く、火砕流より密度が低く高速。
第二章 次の超巨大噴火は日本列島のどこで起きるか
日本には現在も活動を続けている大規模なカルデラが複数ある
カルデラとは
破局噴火などにともなって形成される火山性の大型の凹地を表す。
日本では直径が2メートル以上の大きさのものをカルデラと呼ぶ
大規模カルデラからの破局噴火や超巨大噴火には
ある一定の時間間隔をおいて噴火するという「くせ」がある。
日本列島では一万三千年に一回の確率で「超巨大噴火」が、
七千年に一回の割合で「破局噴火」がおこることがわかっている。
その周期で行くと日本はもういつ破局噴火が起こってもおかしくない段階に入っている。
現在の日本で大噴火の危険性が一番高いと考えられるのは
屈斜路カルデラ
次に可能性のありそうなのが阿多カルデラと洞爺カルデラとなっている。
第三章 超巨大噴火は予知できるのか
噴火予測には長期的なものと短期的なものがある。
長期的予測
火山噴出物を詳細に調査して、過去の火山の噴火履歴を正確に復元する
それにより大規模な噴火が何年に一回の周期でおきているかがわかれば、
次の大規模噴火の時期をある程度予測することが可能になる。
短期的予測
上昇するマグマによってもたらされる地下の物理的性質の変化や、
マグマに由来する火山ガスの変化をとらえるもの
火山の地下で起こる地震や、
地面の傾斜の変化など
こうした噴火予測の方法を駆使することにより、1991年フィリピンの「ピナツボ火山噴火」
の予知ができたという成功例もある。
地震予知の難しさ
現在では、緻密な観測網を配置しておけばある程度の直前予測ができる段階まで来ている。
しかし正確な時刻や、噴火の規模まで予測するのはまだまだ無理な段階にある。
噴火予知の難しさは、
噴火の前兆がみられても必ずしも噴火にいたるとはかぎらないということだ。
また、超巨大噴火の場合たとえ予知ができたとしてもそれを避難に結び付けるには
規模があまりにもおおきすぎて、こうした避難計画の実行はほとんど不可能に近いと
言わざるを得ない。
第四章 噴火が予測される地球上の超巨大火山
アメリカ・イエローストーン火山
イエローストーン国立公園
このカルデラの規模は72×48キロで阿蘇カルデラが8個ほども入ってしまう大きさである。
この地域では80万年及び57万年に一回の割合で超巨大噴火が生じている。
前回の超巨大噴火からすでに63万年が経過しているので、イエローストーン火山はすでにもう
次の超巨大噴火発生の圏内に入っているといえる。
つまりイエローストーン火山はいつ超巨大噴火を起こしてもおかしくない危険なスーパーボルケイノ
といえる。
第五章 超巨大噴火災害はあらゆる自然災害をはるかに上
回る
1815年、インドネシアのスワンバ島にあるタンボラ火山で超巨大噴火が起こった。
この噴火によって周辺の島々も多くの被害を受けた。
スワンバ島の人口一万二千人のうち噴火後に生き残ったのはわずか26人にすぎなかった。
この巨大噴火による犠牲者の数は噴火後の飢餓や病気などによる死者も含めると九万人を
数えたという。
スワンバ島を中心としたインドネシアは大きな被害を受けることになった。
しかしこれだけでは終わらなかった!!
北アメリカでは夏がこないという異常気象が発生した。これによりトウモロコシや麦などの穀物が
大凶作となり値段が高騰した。餌がなくなった家畜は次々と死んでいき、農民は飢えで苦しんだ。
ヨーロッパでも同じように人々は飢えで苦しみそれにより弱った人々をチフスが襲った。
またコレラも大流行し、これは全世界へと広がってしまった。
このように超巨大噴火はその土地だけではなく、
世界中に様々な大災害をもたらす。
第六章 人智をはるかに超えた「超巨大噴火」
日本が超巨大噴火の直撃を受けた場合と、別の場所でおきた最大級の超巨大
噴火が起きた場合の日本への影響との2パターンについて考える。
パターン1
日本列島全体に、大きな影響を及ぼすのは、九州の大規模カルデラ火山が超巨大噴火を起こした時。
この場合は、西風によって大量の降下火山灰が日本列島にばらまかれる可能性が高い。
北海道を含む日本列島全体が厚さ15㎝の火山灰で覆われてしまったとしたら…
・地下鉄以外の鉄道は火山灰の重みで架線が切れて停止する。
・同じく電線が露出している電気や水道などのライフラインも機能を停止する可能性が高くなる。
・自動車も火山灰に埋もれてしまうため地下鉄を除くすべての交通機関は機能しなくなってしまう。
・噴煙が上空をおおい太陽光が遮断されるため数日にわたり暗黒の日々が生じる。
・火山灰により食糧生産はほとんど停止してしまうため海外からの援助が唯一の食糧獲得の手段となる。
などといった壊滅的な被害をうけることになる。
パターン2
世界最大級の超巨大火山が噴火した場合、五年以上の長期にわたって年平均気温が、
摂氏10℃以上低下するという異常気象がもたらされる。
もし日本列島の平均気温が10℃低下したら…
東京は現在のサハリンくらいの気候になり、鹿児島も現在の北海島並みの気候になり
稲作ができる範囲が、南九州や四国南部のごく限られた地域になる可能性もある。
食糧生産能力は一気に落ち、多くの人口を養うことなど不可能になる。
海外から輸入しようにも世界的な凶作により価格は高騰し入手は困難
となる。
世界経済は冷え切り失業者があふれる。
さらに世界的に流行しだした鳥インフルエンザがこれに追い打ちをかけるかもしれない。
数年もたたないうちに日本社会は崩壊の瀬戸際にたたされることになるのはほぼ確実といえる。
対策はあるのか?
こうした破局的な自然災害に備えるには、全て手動の装置や道具、
そして食糧・水の備蓄を伴った小規模な防災単位を多数作っておくことが必要である。
人智をはるかに超えた「超巨大噴火」にたいする有効な対応策など、
実はないというのが正直なところ、深刻な被害を最小限に抑え、
そこから立ち上がり、そこから復旧への道を歩き出すためには、
日本列島に住む限り、いずれそうした被害に必ず遭うのだという
「覚悟」をかためておくこと、そしてあらゆる方策をあらかじめ
知恵を絞って考え、確実に実施しておくことの両方が必要である。