サブ・サハラ地域の砂漠化対応策 (2) “ブルキナファソにおける地下水開発” 総合政策学部3年 鳥養 珠 砂漠化の現状 現在、カナダ、アメリカ、中国を合わせた面 積よりも広い面積がすでに砂漠化の被害を 受けている 特にアフリカのサブサハラ地域が最も深刻 (690万平方キロ=インドの2倍面積に相当) 世界的に毎年600万ヘクタールの土地が新 たに砂漠化(=およそ九州と四国を合わせ た面積に相当) 砂漠化による被害 塩害→重要な作物の収穫や生産減少→餓 死者増加→難民増加 保水力の喪失→土砂の流出→川やダム の水質汚濁 ローカルな気候変動 生息地の破壊→生態的経済的コストの発生 二酸化炭素吸収力低下→大気汚染に拍 車をかける ブルキナファソの現状 ブルキナファソの森林面積は全国土の24% 森林面積は、10年間で60万ヘクタール減少 ケニア同様、国内エネルギー消費量の9割以 上は薪に依存→森林伐採→砂漠化 砂漠化への対応として長期的な飲料水の安 定的確保を国家開発計画の最重点項目の 一つとして位置づけしている 地下水開発プログラムの目的 住民の生活向上による広い意味での砂漠化対策が目的 地下水開発 住民への水供給 小規模菜園経営 植林事業促進 プロジェクトの成果 ポニ、ブクリバ両県内に118ヶ所のハ ンドポンプ付き深井戸建設 子供の下痢がなくなる 両県の給水達成率は68% プログラムの課題 施設設置後の維持管理や活用に対する住 民の意識の欠如(コスト高、住民の文盲率 が高い、所持感の欠如) 水利用のニーズの多様性に対応しきれな い プロジェクトの成果が生活条件および環境 の変化までには至っていない 前回との比較 GNP 成人識字率 初等教育 就学率 ブルキナファソ ケニア 230US ドル 280US ドル 男:19% 女: 9% 男:47% 女:30% 男:86% 女:70% 男:92% 女:91% NGO団体ナームグループ アグロフォレストリーや地下水開発 農村銀行 女性への研修、小口融資 農村ラジオ局「のうみんの声」 識字センター など 主にソフト面でのアプローチ 大成建設 地下水ダムのくみ上げポンプに太陽光熱 を利用 従来の石油を使うディーゼル発電ポンプよ り、維持費が安い 維持期間が長い(約20年) 地下水開発の可能性と限界 幅広い意味での砂漠化対応策に利用され ている一方で、住民への啓蒙支援が必要 現在個々に活動しているNGO,企業、他国 ODA,国際機関、行政など関連分野での連 携、調整の必要性 総合的アプローチの必要性 直接的援助の他にも、識字教育を始め、 環境教育、住民の意識改革など間接的な 援助も同時に必要→事実上個々に活動し ている政府、行政、国際機関、NGOといっ た枠組みを超えたパートナーシップ、互い のメリット、デメリットを相互補完し合うよう な関係を築くことの重要性 住民の生活向上、環境変化につな がり、よりよい砂漠化への対応へ
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