教育から 見る人間開発 ~アエタ族のAKAYを事例に~

教育から見る人間開発
~アエタ族のAKAYを事例に~
総合政策学部3年
佐藤香子
目次
はじめに
 教育の位置付け
 アエタ族の識字教育の歴史
 AKAYの識字教育プログラムの検証
 効果的な識字教育プログラムの提案
 おわりに
 参考文献

はじめに
春学期に取り上げた生計自立援助の行き
詰まり
↓
 基本的な読み書きが出来なければ、自立
は難しいことを実感。
↓

教育が発展のための最重要事項

教育の位置付け


教育改革の歴史
→世界人権宣言
子供の権利条約

5つの重要な要素
*生きるための勉強
*手段、質と柔軟性
*性別による格差の
解消と女性への教育
*重要なパートナーと
しての政府
*
幼い子供の保護
学校に通っている子供たち
学校に通っている
子供たち
学校に通っていな
い子供たち
初等教育を受ける子供の割合
地域名
先進国
東アジア・太平
洋
CIS・バルト海の
国々
ラテンアメリカ・
カリブ諸島
中東・北アフリ
カ
南アジア
1
0
50
パーセント
100
サブサハラ
小学校5年まで通えている割合
先進国
地域名
東アジア・太平洋
ラテンアメリカ・カ
リブ諸島
中東・北アフリカ
1
南アジア
0
50
パーセント
100
サブサハラ




個々の状況に合わせ
て指導方法を変えら
れる柔軟性
女性が質の高い教育
を受ける基本的な権
利
新しい政府の役割
新しい研究結果
→脳の発展段階


Education for All
↓
特に貧しい国の人々
を対象とした、世界的
な教育の質の向上が
不可欠
“Education for All” 目指して
識字教育を受けていない
↓
 あらゆる権利を受けることが出来ていない


途上国ー債務の返済を優先
教育への投資後回し
地域名
教育への年間の追加予算
1
0
1
billion
2
ラテンアメリカ・カ
リブ諸島
東アジア・太平
洋
中東・北アフリカ
南アジア
サブ=サハラ

20/20 Initiative
援助する国と途上国、両方の政府に各国
の政府開発援助(ODA)と国家予算の20%
を、教育を含めた人間のソフト面の開発に
充てること。

世界銀行も教育への投資の重要性を述べ
る。
識字率の割合
il iterate
literate
アエタ族の識字教育の歴史
1970年代末 宣教が始まる
 はじめ、「読み書きを教える代わりに、人々
を改宗しよう」
 その後、アエタの文化を尊重しながら、識
字教育を進める。
 しかし、アエタ族の人々は、教育の必要性
をなかなか理解しなかった。

パウロ・フレイレ
識字教育を通して、社会を批判的に認識
する能力も身につけること
 抑圧の原因を批判的に見つめ、それを乗
り越えて自由になろうという意識を重視。
 自覚化 (conscientization)
 「モジュール」という教授法
 人々が自信を持って行動するようになる。

AKAYの識字教育プログラムの
検証
AKAY
(フロリダブランカ・アエタ先住民連合)
 CLAA (中部ルソン・アエタ協会)
 PRODEV (フィリピンのNGO)
 ピナット (ピナツボ復興むさしのネット)

これまでのプログラムの問題点
運営方法がアエタ族の文化と経済活動に
適したものではなかった。
*教室と時間を設定することは無理
*深刻な貧困状態により、森やフィールド
へ行くことを優先
 欠席した生徒のために同じ内容を繰り返し
説明され、毎回出席している生徒には不
満が生じる。

今後の改善点
生産活動に沿ったプログラムを設定する必
要がある。
 識字教室実施の場所と時間は固定しない。
柔軟なプログラムを組むことの重要性。
 先生へのサポートを強化
 やる気のある生徒のためのレベル別クラ
ス作り

効果的な識字教育プログラムの
提案




識字教室の実施
*十分なトレーニング
を受けた指導者 *
二人一組
*
6ヶ月を一学期
地域での指導者の育
成
カリキュラム開発
教材の作成と開発


プログラム実施方法
*プロの指導者の育
成を最優先
*
識字教室の円滑な
運営を目指す
プログラム運営
*現地に常駐してい
るAKAYとCLAAが
責任を持つ
おわりに
文字の読み書きが出来ない
→社会参加が難しい
 識字は、人を活かすために存在する
 「ヒューマン・リテラシー」としての識字


人間が発展していく上で、教育は最も素晴
らしい無形の財産
開発援助における教育という分野
↓
 忍耐力と継続性
 内に秘めた可能性と自信が何より大切
 見えないものに着目することこそが、真の
開発援助と言えるのではないか
 識字教育を国際協力や社会・人間開発の
原点にしっかりと位置付けること

参考文献
UNICEF、世界子供白書
http://www.unicef.org/sowc99/ 1999
 UNDP、人間開発報告
http://www.undp.org/hdro/ 1999
 清水展 『出来事の民族誌』 1990
 越田清和訳・ラカス編
『ピナトゥボ山と先住民族アエタ』 1993
 ピナット 『ピナットニュース』 36~43号 1999
他、多数
