意匠法一部改正のお知らせ 2015 年 8 月 14 日浅野国際特許事務所国際知的財産戦略研究所 ■ どのような改正がされたのでしょうか？「意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定」が、2015 年 5 月 13 日、日本において発効しました。これにより、同日から、同協定に基づく意匠の国際出願の受付が開始されました。今回の改正は、意匠の国際出願・国際登録に関するものです。 ■ 意匠の国際出願・国際登録のメリットは何ですか？製品デザイン（意匠）は、模倣に技術力を要する発明に比べ、簡単に模倣されてしまいます。海外に工場や販路を有する企業であれば、意匠の国際出願をぜひ検討すべきです。下記のように、複数国での意匠保護について、手続面・費用面から負担が軽減されています。 ① 単一の出願で複数国での保護が可能本来、外国で意匠権を取得するには、各国毎に意匠登録出願をすることが必要です。意匠の国際登録により、最大 62 カ国（アジア・アメリカ・欧州・アフリカ）＋2 つの国際機関（欧州共同体（EU）・アフリカ知的財産権機構（OAPI））で保護を受けることができます。 ② 複数国への出願手続が簡単かつ低廉複数国への意匠の国際出願であっても、単一の言語（英語、仏語、スペイン語）、単一の通貨（スイスフラン）で、日本国特許庁または WIPO 国際事務局に対して出願することができます。そのため、手続負担の軽減、翻訳や為替コストの低廉化が図れます。また、各国毎の意匠登録出願では、各国の委任状にサインをしなくてはなりませんが、意匠の国際出願では、出願人の署名または委任状は 1 通で足ります。各国毎の意匠登録出願では各国毎にかかる、現地の庁費用および現地代理人の手数料が、意匠の国際出願では不要です。 ③ 1 つの出願に複数の意匠を含むことができる日本では、原則 1 意匠しか 1 出願に含むことができませんが、意匠の国際出願では、最大 100 意匠まで 1 出願に含むことが可能です。 ④ 公開時期の調整が可能意匠の国際出願は、原則として、意匠の国際登録から 6 月後に国際意匠公報より公開されますが、早期公開請求または 30 月以内の公開繰延べ請求が可能です。 ⑤ 意匠権の一括管理が可能複数国・複数意匠についての意匠の国際登録であっても、更新・移転等の維持管理手続は、WIPO 国際事務局に対して一括してすることができます。意匠の国際登録について ■ 意匠の国際出願について注意点はありますか？日本語による意匠の国際出願はできません。また、日本円も日本国特許庁への送付手数料の納付以外には使えません。指定国が少ないと、コストの低廉化という意匠の国際出願のメリットを享受できない可能性があります。また、意匠の国際出願後に指定国を変更することはできませんので、権利が必要な国を見極めて、意匠の国際出願をする必要があります。浅野国際特許事務所は、国内出願はもとより、特許の国際出願（PCT 出願）や商標の国際登録出願（マドプロ出願）について豊富な経験を有しており、優良な図面を作成しております。より充実した権利の取得・活用・行使のアドバイスもいたしますので、「知財のトータルプロデューサー」である弊所にどうぞご相談ください。地域別加盟国一覧アジア東アジア西アジアアメリカ欧州東南アジア中央アジア南アメリカ北アメリカ中央アメリカ国際機関東ヨーロッパ西ヨーロッパ南ヨーロッパ北ヨーロッパアフリカ国際機関東アフリカ西アフリカ南アフリカ北アフリカ中央アフリカ日本、大韓民国、モンゴル国、朝鮮民主主義人民共和国アルメニア、アゼルバイジャン共和国、ジョージア、オマーン国、シリア・アラブ共和国、トルコ共和国シンガポール、ブルネイ・ダルサラーム国キルギス共和国、タジキスタン共和国スリナム共和国アメリカ合衆国ベリーズ欧州共同体ブルガリア共和国、ハンガリー、ポーランド共和国、モルドバ共和国、ルーマニア、ウクライナベルギー王国、フランス共和国、ドイツ連邦共和国、リヒテンシュタイン公国、ルクセンブルク大公国、モナコ公国、オランダ王国、スイス連邦アルバニア共和国、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア共和国、ギリシャ共和国、バチカン、イタリア共和国、モンテネグロ、セルビア共和国、スロベニア共和国、スペイン、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国デンマーク王国、エストニア共和国、フィンランド共和国、アイスランド共和国、ラトビア共和国、リトアニア共和国、ノルウェー王国 OAPI（アフリカ知的財産権機関）ルワンダ共和国ベナン共和国、コートジボワール共和国、ガーナ共和国、マリ共和国、ニジェール共和国、セネガル共和国ボツワナ共和国、ナミビア共和国エジプト・アラブ共和国、モロッコ王国、チュニジア共和国ガボン共和国、サントメ・プリンシペ民主共和国