確率・統計Ⅰ

確率・統計Ⅱ
第2回
統計の基礎
1. 母数と不偏統計量
2. 標本平均の性質のまとめ
3. 点推定
母数と不偏統計量
母集団 … 我々が知りたいと思う集団
全体で、定まった分布をもつ。
母数… 母集団分布を特徴付ける
パラメータ
例: 母集団の平均(母平均)、分散(母分散)
母数と不偏統計量
標本 … 母集団について推測を行うため
に抽出される一部で、母集団と同じ分布を
確率分布としてもつ互いに独立な確率変
数と考えて扱う。
統計量…標本から作られる新しい
確率変数
例: 標本平均、標本分散
標本平均
X1  X 2    X n
X 
n
母平均をμ, 母分散をσ2 とすると、
E( X )   , V ( X ) 

2
n
このように、平均が母数と一致する統計量を
不偏統計量という。
標本分散
( X1  X )    ( X n  X )

n 1
2
S
2
2
nではない!
E(S )  
2
(証
明)
和をとって
( X i   )2  ( X i  X )2  2( X i  X )(X   )  ( X   )2
n
2
2
(
X


)

(
n

1
)
S

 i
i 1
E をとって
2
n
2
V
(
X
)

(
n

1
)
E
(
S
)
 i
0
 n( X   ) 2
 nV ( X )
i 1
n    (n  1) E ( S )
2
2
 n
2
n
統計の基礎
1. 母数と不偏統計量
2. 標本平均の性質のまとめ
3. 点推定
標本平均の性質のまとめ
(1) E( X )   , V ( X )   n
2
(2) 母集団分布が正規分布ならば、
X も正規分布に従う 。(正規分布の性質)
(3) n が大きければ (n≧50くらい)、X は
つねに正規分布と考えてよい。(中心極限定
理)
X 
(4) (2),(3) のとき、 Z  X 
 n
標準正規分布に従う。
*
は
統計の基礎
1. 母数と不偏統計量
2. 標本平均の性質のまとめ
3. 点推定
点推定
推定 … 標本の値(統計量のひとつの実現値)
をもとに、母数を推定すること
点推定…ある統計量の実現値をその
まま母数の推定値とする
例: 標本平均(の実現値)を母平均の推定値とする。
★大数の法則により X →μ (n→∞) だから、n が大きければ悪く
ない
推定量(統計量)の優劣
X1, X2, X3 からμを推定する場合、
X  ( X1  X 2  X 3 ) / 3
は不偏 E(X )  
であるが、たとえば
U  (2 X1  X 2  X 3 ) / 4 も不偏 E (U )  
しかし V(X) < V(U) なので、X のほうが推
定量としてすぐれている。
問: 以上のことを確かめよ。
[例題]正規母集団
[1] A君がある試験を受けて、765点でし
た。受験者全体の平均点を580点、標
準偏差を100点とするとき、次の問い
に答えよ。
(1) A君の位置は標準正規分布でどこ
になるか。
(2) A君は上位何%に位置するか。
[例題]正規母集団
[2] 平均11, 分散4 の正規母集団から
大きさ10の標本を抽出したところ、
12, 14, 14, 9, 10, 12, 11, 13, 10, 15
というデータが得られた。
標本平均のこのデータによる実現
値は、標準正規分布でどこに位置す
るか。
[例題]正規母集団
[3] あるマンモス大学の受験生の得点
の分布は、平均60点、標準偏差4点で
あった。
この受験生の母集団から大きさ36の
標本をとるとき、標本平均が 59点以
上62点以下になる確率を求めよ。
[例題]点推定
[4] 平均μ, 分散σ2 の正規母集団から、大
きさ 6 の標本を抽出し、以下のような標
本値を得た。
12.6, 13.2, 12.4, 12.8, 13.3, 12.5
(1) 標本平均, 標本分散を求めよ。
(2) 母平均μ, 母分散σ2 を点推定せよ。
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