所得控除 • 課税所得=収入-控除 – 控除の例 基礎控除 給与所得控除 配偶者控除、配偶者特別控除 その他 © Yukiko Abe 2014 All rights reserved. 1 控除の役割 • 稼いだ所得のうち、控除される分には、課税 されないと考えることができる。 • たとえば、給与所得控除の最低額は65万円 であり、基礎控除が38万円であるとすると、 65+38=103万円までの収入に対しては、他 の控除が何もないとしても、所得税はかから ない(ただし、住民税はかかる場合もある)。 © Yukiko Abe 2014 All rights reserved. 2 配偶者控除・配偶者特別控除 • 一方の配偶者(典型的には妻)の所得が低い 場合、もう片方の配偶者は、収入から、所定 の金額を控除できる。 • この額は最大で38万円(所得税。住民税は異 なる)。 © Yukiko Abe 2014 All rights reserved. 3 配偶者控除・特別控除の金額 配偶者の合計所得金額 パート収入 配偶者控除の控除額 38万円未満(ゼロも含む) 103万円未満 38万円 配偶者特別控除の控除 額 38万円を超え40万円未満 103万円を超え105万円未満 38万円 40万円以上45万円未満 105万円以上110万円未満 36万円 45万円以上50万円未満 110万円以上115万円未満 31万円 50万円以上55万円未満 115万円以上120万円未満 26万円 55万円以上60万円未満 120万円以上125万円未満 21万円 60万円以上65万円未満 125万円以上130万円未満 16万円 65万円以上70万円未満 130万円以上135万円未満 11万円 70万円以上75万円未満 135万円以上140万円未満 6万円 75万円以上76万円未満 140万円以上141万円未満 3万円 76万円以上 141万円以上 0円 © Yukiko Abe 2014 All rights reserved. 4 配偶者控除・配偶者特別控除 • 配偶者控除はパートの年収であれば、103万 円まで。それ以降は配偶者控除はないが、配 偶者特別控除がある。 • 夫の収入から、課税所得を以下のように計算 する: 課税所得=収入-控除 • 税額は、課税所得に応じて決まる。一般には、 税率は課税所得の水準によって異なるため、 この場合重要なのは限界税率である。 © Yukiko Abe 2014 All rights reserved. 5 控除と「増税額」 • 夫の税額=T(夫の課税所得) =T(Y-D) • T(.)は税額の関数、Yは夫の所得、Dは控除の 金額。 © Yukiko Abe 2014 All rights reserved. 6 累進課税のイメージ図 税額 課税所得 © Yukiko Abe 2014 All rights reserved. 7 配偶者控除の影響 • 税率(T(.)の関数の傾き)は課税所得の水準 によって異なる。 • いま、控除額の変化によって、T(.)の関数の 傾きが変わる(異なる税率のところに移動す る)可能性を無視すると、控除廃止による増 税は t×D となる。 © Yukiko Abe 2014 All rights reserved. 8 配偶者控除の廃止と予算制約 消費 妻の余暇時間 © Yukiko Abe 2014 All rights reserved. 9 制度変更と労働供給 • 所得効果→増税で手取りが減ることにより、 妻の労働供給は増加。 • 年収103万円から141万円の範囲では、代替 効果も働く。夫の控除がなくなることにより、 妻の労働からの限界手取り所得(家計にとっ ての)が増加。賃金上昇と同じ効果。これも労 働供給を増加させる。 © Yukiko Abe 2014 All rights reserved. 10
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