過疎地域の特徴を探る テーマ設定理由 現在、日本の多くの市町村で、過疎が深刻な問題 となっている。 過疎地域の多い県にはどのような特徴が見られる のか分析する。 人口減少の原因 自然増加率がマイナス →老人が多く、子供が生まれないと考えられる。 社会増加率がマイナス →居住環境が悪く、人の転出が多く、転入が少 ないと考えられる。 仮説 ①老年人口(65歳以上人口)割合が高い都道府県ほど、 過疎指定市区町村の割合が高い。 ②合計特殊出生率が低い都道府県ほど、過疎指定 市区町村の割合が高い。 ③一人当たり県民所得が低い都道府県ほど、過疎 指定市区町村の割合が高い。 ④森林面積割合が高い都道府県ほど、過疎指定市 区町村の割合が高い。 分析・データについて 本来であれば、市区町村ごとに分析すべきである が、時間の制約上、都道府県ごとに分析した。 過疎指定市区町村割合とは、都道府県ごとの市区 町村数に対して、過疎法で過疎と指定された市区 町村数が占める割合のことである。 各データの分析 ◇過疎指定市区町村割合 最大値 最小値 93.0% (鹿児島県) 0.00% (神奈川県、大阪府) 平均値 45.1% ◇老年人口割合 ◇合計特殊出生率 最大値 29.0% (島根県) 最小値 17.5% (沖縄県) 平均値 24.2% 標準偏差 2.58 最大値 1.79 (沖縄県) 最小値 1.12 (東京都) 平均値 1.39 標準偏差 0.122 ◇一人当たり県民所得 ◇森林面積割合 最大値 4,540,000円(東京都) 最小値 2,049,000円(沖縄県) 平均値 2,782,360円 標準偏差 430.23 最大値 83.3%(高知県) 最小値 30.5%(大阪府) 平均値 61.8% 標準偏差 14.84 仮説の実証 仮説① 仮説② 相関係数 0.770 回帰式 成立すると Y=7.902X-146.225 いえる 決定係数 0.593 有意確率 0.000(<0.05) 相関係数 0.286 回帰式 成立するとは Y=61.779X-41.054 決定係数 0.082 いえない 有意確率 0.051(>0.05) 仮説③ 仮説④ 相関係数 -0.659 成立すると 回帰式 Y=-0.041X+157.649 決定係数 いえる 0.434 有意確率 0.000(<0.05) 相関係数 回帰式 決定係数 有意確率 0.697 成立すると Y=1.240X-31.566 いえる 0.486 0.000(<0.05) まとめ・反省 ◇仮説①③④が証明されたことにより、過疎指定市区 町村の多い県には以下のような特徴があると言える。 老年人口割合が高い 一人あたりの県民所得が低い 森林面積の割合が高い ◇合計特殊出生率は関係があるとは言えない。 →単純に出生率を用いれば関係が見られたかも。 ◇突出した値を除けば、より精度の高い結果が出たと 思われる。 ◇都道府県単位ではなく、市区町村レベルで検証すれ ば、より精度の高い分析ができたと考えられる。 資料出典 総務省 過疎地域市町村等一覧(平成23年4月1日現在) www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c.../h14kasoichiran. htm 都道府県別市区町村数一覧(平成23年4月1日現在) www.lasdec.or.jp/cms/1,19,14,151.html 人口動態調査2009 人口推計2009 県民経済計算年報2007 世界農林業センサス林業地域調査報告書2000
© Copyright 2024 ExpyDoc