数理統計学 第17回 西 山 前回までのポイント 母平均(μ)の区間推定 標準誤差が決め手。元の母集団の分 散σ2はわからない。不偏推定を母分 散のつもりで使う。 正規分布の性質から標準値で割り切 る。 95%信頼区間ならZが±2以内 今日のポイント 不偏分散にもサンプル誤差がある 正規分布が正しく当てはまるわけではない ステューデントのT分布を使う T分布は正規分布とカイ二乗分布の子供で ある サンプルから求めた不偏分散を、 母集団の分散の代わりに使う T値の定義 T X ˆ 2 n Gosset, W. S. 母集団のσ2に近ければ 大したことではない データ数が十分多け ればよい 1906年にペンネームStudentでT分布の存在を発見しました T値は標準値とは違います! データ値 母集団は N(170,10 ) 右のボタンを押してから分布の種類と 毎回のデータ数、抽出反復回数を指 2 定してください。 176.47 170 1.45 データ1 100 データ2 173.68 175.80 5 Z 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 T 166.14 174.63 168.56 185.21 167.60 174.21 178.42 185.46 176.47 170 1.35 115.29 5 サンプルは 実験開始! 5人 データ3 データ4 データ5 標本平均 162.41 172.88 170.54 171.06 173.54 156.80 176.06 168.03 179.96 165.47 162.86 171.43 156.45 166.28 183.43 170.63 174.02 159.31 178.34 176.47 Z 176.47 170 100 5 分散不偏 推定 26.93 56.14 49.90 112.18 115.29 1.45 T値 0.46 -0.59 0.45 0.13 1.35 平均と分散の標本分布 指定した値はμ=170、σ2=102、データ数は5個で反復 カイ二乗 分布 正規分布 標本分散の分布 標本平均の分布 187.33 152.9773 169.9806 20.43845 0.007936 0.042042 <= 33 7. 89 18 9- 3.8 18 3. 46 データの分散の値 18 18 0.4 6- 0. 02 18 2- 7.0 17 9- 17 7. 59 17 3.5 17 3. 15 17 0.1 5- 0. 72 17 2- 6.7 16 8- 16 6. 28 16 3.2 16 3. 85 15 9.8 5- 9. 41 15 6. 1- 15 6.4 815 2.9 15 最大値 最小値 平均値 分散 歪み度 尖り度 25 -5 0 75 -1 00 12 515 0 17 520 0 22 525 0 27 530 0 32 535 0 37 540 0 42 545 0 47 550 0 700 600 500 400 300 200 100 0 0 頻度 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 最大値 最小値 平均値 分散 歪み度 尖り度 477.6252 0.448268 79.85362 3114.514 1.367639 2.805332 正規分布÷カイ二乗→T分布 T分布は正規分布とカイ二乗分布の 子どもです。フィッシャーが1920年 までに数学的基礎を与えました。 フィッシャーの公式 T Fisher, R.A. Z 2 k Tの値は自由度kのT分布 k T値のイメージ 標準値(正規分布) 0.5 0.5 0.45 5 4 カイ二乗値(自由度4) 5 自由度は4 シグマハットを使った標準値はT値です ① ② X 2 Zとなって N (0,1) n Xi X i 1 n 2 n21 ② ① はT値になるはず n 1 Fisherの公式 T分布の特徴 ±2以内とはいえない 5個のサンプル=自由度4 T値の標本分布 平均値 分散 標準偏差 最大値 最小値 1200 1000 600 400 200 T値 9 8 ~ 7 6 ~ 5 4 ~ 3 2 ~ 1 0 ~ -1 ~ -3 2 ~ -5 4 ~ 6 ~ -7 0 8 頻度 800 0.0166 1.9796 1.4070 9.2665 -7.5530 T値の95%区間、90%区間 これは自由度(n-1) 90%圏 95%圏 授業は ここまで 例題【1】 ある高校の1年生からランダムに5名を選ん で50メートル走の記録をとると、 12.32、15.28、14.19、13.72、13.26 だった。学年全体の平均を推定しなさい.信 頼係数は95%とする。 X 13.75 ˆ 1.205 2 しばらくの間、不偏分散が学年 全体の分散に一致していると、 前提します ヒント: まず下の形で答えて下さい 0.95 P -① T ① X P-① ① 2 ˆ n 2 2 ˆ ˆ P X ① X ① n n 自由度は、データ数-1 例題【1】の解答 0.95 P-2.776 T 2.776 ←違いはここだけ X P-2.776 2.776 2 ˆ n 1.205 1.205 P13.75 2.776 13.75 2.776 5 5 自由度は、5ー1=4
© Copyright 2024 ExpyDoc