フォークリフトの無資格運転(久留米監督署)

フォークリフトの無資格運転
送検日
被疑者
適用条文
罰
条
平成27年8月7日
担当監督署
久留米労働基準監督署
(1)法人(久留米市、食料品製造業)
(2)個人(被疑会社の元代表取締役)
労働安全衛生法違反
労働安全衛生法第61条第1項
同法施行令第20条第11号
労働安全衛生規則第41条
労働安全衛生法第119条第1号
労働安全衛生法第122条
(就業制限)
(就業制限にかかる業務)
(就業制限についての資格)
(6月以下の懲役又は50万円以下の罰金)
(両罰規定)
事件の概要
最大荷重2.4トンのフォークリフトを使用して、重さ900キログラムの
玄米入りフレコンバッグの運搬作業にあたり、当該フォークリフトの運転業務
にフォークリフトの運転資格を有しない労働者を従事させた。
その結果、この運搬作業中に、フォークリフトのフォークが作業の補助を行
っていた派遣労働者の腹部に当たり、当該派遣労働者が死亡した。
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この事例のポイント
フォークリフトの運転のように、危険を伴う業務のうち政令で定めたもの
を「就業制限業務」と呼びます。
事業者は、「就業制限業務」には法定の資格を有する労働者でなければ従
事させてはなりません。
2 最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転業務は「就業制限業務」です
から、法定の技能講習修了者でなければ従事させてはなりません。
また、最大荷重1トン未満のフォークリフトの運転業務は「就業制限業務」
ではありませんが、事業者には従事労働者に対する特別教育の実施が義務付
けられています。
いずれの場合も、普通自動車運転免許だけでは労働者をフォークリフト運
転業務に従事させることはできません。
3 就業制限業務に無資格者を従事させることは、最も基本的な事項にかかる
法律違反であるといえます。
「ちょっとだけだから」とか「資格ないけど、運転には慣れているから」
というのは大変危険です。日頃から有資格者の必要人数を確保し、無資格者
就業を完全に排除しましょう。